カニ日記

息子の成長と日々の記録

ずっと一緒にいよう

5月29日(月)晴れ
朝。月曜日の朝はとにかく持ち物が多すぎる。着替え、オムツ、コップ、エプロン、連絡帳という毎日の持ち物に加え週末に持ち帰ったシーツ、防水マット、タオルケット、帽子・靴が加わりそれらを準備するのも保育園に着いてから各所配置するのも一苦労である。(と言いつつ靴と帽子を洗い忘れて持ち帰ったものをそのまま持って行った。)保育園に着いてからは障害物競争やゲームのように一つ一つクリアしていかなければならない。最後の難関が布団にシーツをつけるステージで、他の親御さんも皆殺気立った表情で黙々と我が子のシーツを取りつけている(ように見える)。これは私だけかもしれないが、次のステージに移る時は廊下を走るし一瞬たりとも手を休めたり「○○先生今日も可愛いな」などと余計な事を考えてはならない。邪念が入ると電車に間に合わず会社に遅刻する。後から来た親御さんが私より早くシーツをつけ終わり去って行くと負けた!とか勝手に悔しがる。そんなにギリギリなら早く家を出ればよいのだが、最近トイレトレーニングをしていることもありなぜか何時に起きても余裕を持って家を出ることができない。いっそのこと家の時計を実際よりも10分くらい進めておくのが一番いい解決策かもしれない。

夜。日曜日に買っておいた材料でKが焼きそばを作った。私はその間にサイと遊びながら洗濯物を畳んだ。「てをつないでおどろうよ!」とサイはおもちゃでアンパンマンの音楽を鳴らして提案してきたが、私が生返事で畳むのを辞めなかったので、「てをつないでよ!おどろうよ!」と怒られた。なので洗濯物を畳みながらもう片方の手をサイとつないで踊った。大道芸みたい。食後も窓ガラスに映った姿を見ながら二人で前後に並びサイの考案した「きらきらおどり(きっら!きっら!と言いながら狂ったように顔と両手両足を動かしながら踊る踊り)」を踊った。どうやら自分の姿を見ながら踊るのが好きらしい。

5月30日(火)
朝。休日に買った三色のきれいな食パンを食べた。冷凍庫から冷凍したパンを取り出してラップをはがしトースターに入れダイヤルをまわすその一連の作業が最近サイの仕事となっている。この日も「サイくんやるよ!」と張り切ってやっていた。あとはパンを冷凍する時に冷凍庫に入れるのもやってくれる。何か使命を与えられるのが生きがいのようだ。食器を運んだり最近手伝いもしてくれるようになったし、その調子だワトソン君。夜は大事な日。珍しく何の連絡もなかった。帰宅したら二人はすやすや寝ていた。

5月31日(水)
朝。バタバタして家を出るのがいつもより遅れる。自分で着替えられるようになってきたものの、やる気がない時が多く急いでる時ほどやってくれない。「くつしたはいてね」と靴下を渡して「うん」と答えるが次に見た時もまだ裸足で渡した靴下はどこかへ消えてテレビを観てへらへらしている。完璧ではないが自分で履くことはできるし保育園でもしているらしいが、テレビに気を取られてなかなか家では難しい。それでいつも私が履かせてしまうので益々やらなくなる。かと言って朝サイがテレビを観ている間にするべきことがたくさんあり、テレビを消すこともできない。他の家庭はどうしているのだろか。

夜。傷がないのに手にアンパンマンの絆創膏を貼りたがった。日曜日に転んだ時、肘を擦りむいたのでアンパンマンミュージアムで買った絆創膏をつけたら喜んでいた。その傷はもう瘡蓋になっているし、「ちがでてる」と差し出した指も何も問題なかった。このような事は初めてではなく、去年あたりから保育園のクラスで絆創膏が一種のファッションアイテムとして流行していたらしく、一時期どこも怪我していないのに張ってくれとせがまれたのを覚えている。特にサイが好きだった(?)女の子がそれをしていたので真似したかったらしい。その女の子に熱を上げていた頃、ストーカーのように執着し姿が見えないと名前を叫びながら探し回り、まだ物の名前もよく覚えてない頃、駐輪スペースにとめてある自転車を見て「○○ちゃんの!」と特定していた。女の子の方が精神年齢が高いというが○○ちゃんはそんなサイをうまくあしらっている感じだった。別れた(?)のか最近は○○ちゃんのことも絆創膏のこともあまり言わなくなった。と思っていたが久しぶりに買い与えた可愛い絆創膏に再び興奮を覚えたらしい。とは言え、何もないところに貼っても肌に良くないのでとっさに「なんかいいの作ってあげるからそれはやめとこう」と言うと大人しく納得した。代わりに手芸用に100均で買ったビーズ(前Tシャツを装飾した時の余り)を繋げてブレスレットを作り始めたら思いの他食いついて「サイくんやるよ!」と専用の紐にビーズを通すのをやりたがった。うまくできると満足そうだった。ビーズの間にアンパンマンの紙(絆創膏の箱を切り抜いたもの)を入れてくれと言われ、穴をあけて通した。出来上がると満足そうに腕につけてくれた。


6月1日(木)
ほとんど記憶がない。何を食べたかも覚えていない。サイがぬいぐるみにたくさん絆創膏を貼っていた。もったいないけれど叱る気力が湧かなかった。


6月2日(金)
夜。仙台に行きたいなぁ牛タンを食べたいなぁと思いながらその念でおりゃーと野菜をざくざく刻んでパスタを作った。セロリを入れたら美味しかった。サイはセロリが嫌いなので避けていた。セロリは癖があるし私も最近まで食べられなかったので別に食べなくていいかなと思う。食後、また「きらきら踊り」をした。部屋が全然片付かない。片付けないから散らかっていく一方で恐ろしい。Kは家事を何でもやってくれるが物を所定の場所にしまったりするのだけは一切やらない(というかできない)ので私がやらない限り部屋は荒廃していく。床にサイの玩具、いつか使ったかばん、チラシ、サイが嫌がって履かなかった靴下、ハンガー等多く転がっている。私はそこまで嫌いではないが、スイッチが入らないとできない。今週は体がしんどくてなかなかやる気スイッチが入らない。


6月3日(土)
早朝から明日の夜までKは出張で不在。土曜の夜、日曜の朝しか家族でゆっくり過ごせないので土曜はなるべく出張を入れないようにと言っているが仕事上避けられないらしい。起きてから体がしんどかったので、一日辛いだろうなと思うと朝から憂鬱になった。数少ない知り合い何人かに連絡をしたが断られ続け、最後の一人が優しくOKしてくれて午後一緒に遊んでくれることになった。神様。それだけで活力になる。大量の洗濯物を干していたらお昼の時間が近づき、サイはテレビにも飽きて退屈そうにしていたのでおにぎりとフルーツを用意して近くの公園でピクニックした。おにぎりが足りなかったため、私はお湯を持って行ってカップラーメンを食べた。他のお母さんがチラチラと見ていたが構わず麺を啜った。先日シャボン玉を使い切ったので売店に売っていたクマがついたスティック状のシャボン玉を買ったら喜んでやっていた。私が吹いたシャボン玉を声をあげて笑いながら追いかけていた。
家に戻り昼寝。その間に出かける準備。起きて出発。デパートの屋上で遊ばせる。初めて行ったところだが直射日光も当たらず自然がいっぱいでいい所だった。そのまま同じ階で夕飯を食べた。デパートは遊ぶところも食べるところもオムツを替えるところもあって本当に便利だ。サイが生まれてからデパートばかり行っている。せっかくの機会なので奮発して高いメニューを頼んだ。肉を食べたら元気になった。サイはいつものようにお子様ランチをあっという間に食べ終えて物足りなさそうにしていた。帰りに駅構内で可愛いと思った洋服を試着せずに買い、サイが寝た後に着てみたらイメージと全然違って悲しい気持ちになった。まあまあの値段だったので割り切って着るのもなぁと暗くなった。


6月4日(日)
朝。昨日のデジャブのように洗濯をして干した。昨日の夜元気になったが朝起きたらまたしんどかった。公園へ行こうかなと思ったところでKがいきなり帰って来た。私がしんどいしんどいと言っていたので出張先から会社に戻る前に荷物を置きに一度家へ寄ったらしい。サイと遊んでいないことを悪いと思ったのか、少しも休まずにそのままサイを公園へ連れて行ってくれたので私は少し休まった。準備して私も後を追い、三人でまた公園でお昼を食べた。帰宅してサイを寝かしつけている間にKはもういなくなっていた。サイが寝たので二回目の洗濯を待ちながら昨日買った美味しそうなパンにアイスを挟んで食べた。とにかく部屋を片付けなきゃなぁとパンを食べながら思っていたらサイが起きた。いつもより大分短い昼寝だった。洗濯物はまだ干していない。鼻水を治す抗生物質の影響でサイが何度も下痢をしてトイレと風呂場を何度も往復した。その合間に洗濯を干したりしていたので公園に連れて行ってあげられなかった。サイの機嫌が悪くなった。妹の誕生日が近かったので、気分転換も兼ねてサイに絵を描いてもらった。人間の顔らしいのが描けるようになっていて驚いた。「これはじいじ、これはばあば、これはAちゃん(妹)」と実家のメンバーを順番に描いていた。絵にも途中から飽きて再びぐずり出した。機嫌の悪さがピークになった頃Kが帰宅した。二人が薬局に行っている間に何とか気力を起こして晩御飯を作った。フライパンを使いたくなくて、ごはんも鶏肉も野菜も炊飯器にぶち込んで一気に炊いた。サイの分はそれを更に煮て雑炊にした。


今週は精神的に嫌なことがあったり身体の調子もよくなく、コンディション最悪だったのでサイにも満足いくように接してあげられなかった。家も片付かなかった。相変わらず荒れ果てている。何をするにせよ健康でいなければならないなと改めて思った。

何曜日だったか忘れたが、サイが私を抱きしめて「ずっとはなれないよ」と男前なことを言ってくれたのが嬉しかった。サイが成人して本当に離れない分けはないと思うし実際そうだったら気持ち悪いがただただ嬉しかった。先の事は置いておいて「ありがとう、ずっと一緒にいようね」と返した。

猫もきっとぶどうが好き

5月22日(月)晴れ
朝。今日もまたサイが房からぶどうを外してくれた。皮も全部飲み込んでいるようで、お腹に悪いかなと思ったので皮を剥いたら所々きれいに剥ききれていないところがあり、それは嫌がるだろうなと思って私のお皿に入れた。すると自分のぶどうを食べ終えたサイが「ここ、くろいからサイくんたべてあげるね」と私の分も食べたがった。私がパンが焦げた時にサイに言う台詞とそっくりで真似しているのが面白かった。しかも実はぶどうを食べたいがためにそう言っているのがまた面白かった。

昼。高校生が線路に飛び込んで跳ねられたニュースを見た。亡くなった高校生の親の立場になって考えた。もしもこれがサイだったら。自分が高校生の親だったら。もしこの子が人でも音楽でも何でもいい、最後に飛び込むのを引き止められる存在に出会えていたらと思うと胸が苦しくなった。サイには将来、生きがいとなるような何かを持っていてほしい。

夜。大学時代のゼミの恩師と数年ぶりに会った。サイの写真を見せたら「旦那さん似だね」と言われた。私は「相変わらず君はおかしいね」と言われた。長年の付き合いだしそういう人なので特に嫌な気はしなかったが何度も繰り返し言われたので私は本当におかしいのかなと思った。最近、サイといる時や話している時が一番心地いい。意味のない言葉を突然発したり、何も面白いことがないのに突然笑い出す遊びが好きでサイと二人でよくやる。そういうのばかり毎日やっているから傍目から見たらおかしいのかもしれない。
途中、「サイがおしりを掻きすぎておしりから血が出た」とKからLINEと電話があった。

5月23日(火)晴れ
朝。暑くて目が覚めた。夜中は涼しいので窓を閉めているが朝になると暑い。でも窓を開けて外の音でまだ寝ているサイが起きたらそれも大変なので開けたいのを我慢した。寝ている時のサイはセイウチの赤ちゃんみたいだなと最近よく思う。よく食べるのでどっしりしていて、おまけに毎日外で遊んでいるからか日焼けして肌が黒い。
暑い暑いと思っていたらサイが起き、寝起きでいきなり「おとうさん、ぶたにくかいにいったね」と言った。そういえば数日前に晩御飯前にKに頼んで豚肉を買って来てもらった。その時のことかもしれない。過去の記憶が唐突に言語化したり、サイの頭の中は一体どうなっているのだろう。サイといると本当に飽きない。
スイカを食べた。今年もスイカの季節がやってきた。サイの大好物スイカ。サイの分は種を取って小さく切って、自分は皮ごと持って食べていたら「ついてるよ、とってね」と私のスイカの種を指さして心配した。
おしりの傷を確認するのをすっかり忘れていた。

夜。K不在。赤ちゃんの頃は一人だととにかく大変だったけど、2歳すぎたあたりからサイと二人に慣れてきて、夜は二人の方が楽だなと思ってきた。Kは大食漢で普通に作ると足りないと言われるのでいつもかなりの量を作らないといけないし、翌日分や弁当分が余らない。サイと二人だと私もサイとほとんど同じ量(ビール飲むとちょうどいい)しか食べないので作るのも楽。二人の時は洗い物を減らしたくてチャーハンというか、焼き飯が多い。冷蔵庫の中から適当に選んだ具をごはんと一緒に薄味で炒めるワンプレート飯。サイの分を取った後に自分の分にだけ塩胡椒やごま油、茗荷など薬味を追加する。今日はほうれん草と卵とマッシュルーム。肉がなかったのでチーズを入れた。後片付けも簡単でサイとの時間が増えるから機嫌もいい。三人の時の方がぐずるかもと最近気づき始めた。

5月24日(水)曇り
朝。目が覚めた時、サイはまだ寝ていたので一人でこっそりお気に入りのパン屋で買ったピスタチオのクロワッサンを食べようと企んでいたら、サイもすぐ起きた。がーん。私が先に起きると空気で感じ取るのか何なのかわりとすぐにばれる。サイに朝ごはんを食べさせるのは時間が早い(早く食べさせすぎると後でお腹が空く)と思ったので、いつもの時間までしばらく一緒にままごとをした。玩具の箱をテーブルにして、水を入れたコップだけ本物であとは偽物。お皿に果物や野菜を入れてくれた。「にんじんもたべてよ」とまた私の口調を真似て言われた。美味しい美味しいと言って二人で食べた(ふりをした)。その後、本当の朝食を食べた。スイカを切っていたら一切れ皮つきのまま盗んで去って行ったので椅子に座らせたら上手に種を取って食べていた。サイは予想通りピスタチオのクロワッサンを欲しがったが、子どもにはやや高カロリーだったので「これピーマンのってるよ、苦いよ」と嘘をついた。ごめんね。それでも「しろいところをたべるよ」と言ってきたのでスイカの種取りに夢中になっている間に急いで食べた。

今日であの子が殺されてからちょうど20年が経ったことをニュースで知った。一生忘れられないあの恐ろしい事件。記事で読んだ「『生きていれば何歳』とか、そういう考えは浮かばない」という遺族の言葉が忘れられない。ある子どもが殺された事件から今日で何年が経ちましたというニュースを見る度に「生きていれば成人か」などと考えてしまうけれど、遺族にとって「生きていれば」なんてなく、ただ、ある日突然我が子の命が奪われて目の前からいなくなったという事実だけが永久に残り続けるのだなと考えて心苦しくなった。当時中学生だった元犯人は我々と同じように年齢を重ねどこかで暮らしている。美味しい物を食べてテレビを見て笑っているかもしれない。サイが生まれてから、サイがもし誰かに殺されたら、逆に誰かを殺めたら、とよく考える。その時、親である私は何をするのだろうか。生き続けられるだろうか。

夜。みんなまあまあ機嫌がよかった。朝のままごとが楽しかったのか、夜も箱を小さなテーブルに見立てて遊んだ。前から思っていたが、サイは食べる真似が本当に上手い。ままごとの野菜や卵を美味しそうな表情でもぐもぐと咀嚼する(ふりをする)。もしそれだけが求められる仕事があれば即採用されるであろう。口の中に食べ物が入っている感じとかリアリティがあり、本当に食べているように見える。これだけは親の過大評価ではない。あまりにも面白いのでビデオカメラで撮影したらちょっと照れて演技力が落ちた。
寝る前の歌が定番となりつつある。最近はサイが作ったオリジナルの歌を即興で歌ってくれる。毎日の記憶や感情が歌になっているのだろうけど、「おとうさん、スーパーへいったよー」など突拍子もない歌詞だったりするので面白い。でも本来歌ってこういう、日常の延長で生まれたのかもしれないと思った。


5月25日(木)曇り
朝。スイカの種を器用に自分で取って食べていた。2切れも食べた。私が探し物をしていたら時間がなくなりバタバタした。
昼。嫌なことが色々あった。サイは迎えに行くといつも保育園に迎えに行くといつも楽しそうにしているがもう帰りたいと思うぐらい嫌な日もあるのだろうか。

夜。こういう日は肉を食べるに限ると思ってKに提案すると三人で近所の焼肉屋に行くことになった。サイは人生三度目の焼肉だが、二回目までほとんど食べられるものはなかったし忘れているだろうから実質初めてである。肉が運ばれて来る前、サイは燃える炭を見て喜んでいた。網の上で焼かれていく肉をみて「おさかなたべたいーおさかなたべたいー」とずっと言っていた。焼けた肉を冷まし小さくしてお皿に入れると手品みたいにあっという間に食べてしまい、きりなく欲しがった。いつもの外食よりやや高くついたけど肉をお腹いっぱい食べたら満足した。心持ちか心身ともに元気になった気がする。


5月26日(金)雨
朝。寝起き直後、サイはベッドの上で電車ごっこをして遊んでいた。ぬいぐるみを乗客に、布団を車体に見立て「ドアがしまりまーす、ごちゅういくださいー」と言っていた。この台詞は多分、駅でよくエレベーターに乗る時に聞いて覚えたのだろう。朝ごはんの用意をしていたら、時間がないのにパンにアンパンマンを描いてと要求され、「今日はできない、ごめんね。でも明日可愛いの描くからね」と言った。泣いてぐずるかと思いきや納得したようだった。少しずつこちらの気持ちを汲み取れるようになってきたのかもしれない。雨だったので二人ともフル装備で家を出た。送迎タイムの雨は本当に勘弁してほしい。

夜。K不在。サイは適当につくったごはんでも「おいしいね」と言って食べてくれた。救われる。

サイは最近、毎日保育園の校庭に落ちている謎の実(サイはぶどうと呼んでいる)をせっせと拾い集め、近所の「にゃーにゃー」と呼んでいるネコ(おそらく放し飼い)にあげるために手に握りしめたまま持って帰る。もちろんネコは食べないが翌日通ると(多分風で飛ばされて置いた実がなくなっているので)ネコが食べてくれたと思っている。いつも同じ草陰で丸くなっているネコに「にゃーにゃー、ごはんたべたの?」「だいじょうぶ?」などと話しかけているがネコは煩い子どもだなぁという顔で無言でこちらを見ている。一時期犬を見て怖いと逃げていたので、動物に愛着を持つのはいいことだと思う。鳩は好きらしくよく追いかけている。虫を異様に怖がって体に止まろうものなら全身に力を入れて棒立ちになり悲鳴を上げる。正に都会っ子。

5月27日(土)晴れ
朝ごはん食べてサイが録画のアンパンマンを観ている間に洗濯物を畳んだり干したりして、終わったら耳鼻科へ連れて行ってといういつもの土曜日の過ごし方。本当は八丈島へ行きたかったが予算の問題で断念した。とても悔しかったけれど、サイも私も連休からずっと出かけっぱなしの週末だったので体を休ませるという意味ではよかったのかもしれない。耳鼻科に行っていたらお昼の時間が近づいてどうしようかな冷蔵庫に何があったかな、と帰りながら考えていたらサイが「こうえんでたべたい」と言ったので、パン屋とカフェをはしごして美味しそうなパンやサンドイッチを買って帰り道にある公園のベンチで食べた。嬉しそうにしていたが、寄ってきた鳩に怖がって「わるいぴっぴ!」「サイくんのぎゅうにゅうとられるー」と言っていた。牛乳はとらないと思うが確かに寄ってきた鳩は太っていて邪悪な目をしていた。遠くにいてこちらに寄ってこない鳩は痩せていて可愛らしかった。だから私もこの貪欲な鳩にはあげたくないと思って急いで食べた。
美味しかったけど落ち着かないピクニックだった。サイはパン屋で買いたいと言ったミニアンドーナツを嬉しそうに何個も食べ、食べ過ぎるといけないから「あとはお父さんのお土産にする?」と聞くとそうすると大人しく従った。食べた後に公園で走り回って帰宅。

帰宅後、昼寝。外の工事がうるさくていつもより短い昼寝だった。昼寝後、おやつを食べスーパーへ行き帰りに公園へ寄った。サイが生まれる前は公園なんて見向きもしなかったが、何も予定がなく晴れた休みの日は有り余る体力を消耗させるために一日中公園ばかり行っている。なので最近はどこへ行っても公園が気になり、「ここはいい滑り台があるが車道が近くて危ない40点」などと無意識に評価している。公園では最近サイが好きなシャボン玉をした。飽きずにずっとやっていて、上手にできると満足そうだった。シャボン玉の液がなくなると二人で走り回ったり全力でアンパンマンたいそうを踊った(踊らされた)。
晩御飯は春巻きリベンジ。前よりまあまあ美味しくできた。

5月28日(日)晴れ
家族写真を撮りに横浜に出かけた。写真を撮った時、サイはお腹が空いていたのかあまり機嫌がよくなかった。食後の方がよかったかもしれない。
お昼を食べてからアンパンマンミュージアムへ行った。あまり時間がなかったが約束してしまったためチケットは買わず屋外の無料エリアでショーを観覧した。それでも「あんぱんまーん!」と他の子どもと一緒に叫んだり、歌ったり踊ったりして満足したようだった。前も思ったがアンパンマンショーは子どもにとって大人が好きなアーティストのライブに行くようなものなのかもしれない。歓声やどよめき、盛り上がりがライブと変わらない。サイはショーの間ずっと機嫌よくステージを見つめていた。アンパンマンのお店(=物販)で前より欲しがらなくなったのでグッズよりライブ派なのかもしれない。

Kが仕事に行ったので帰りはサイと二人だったがお向かいに座ったマダムと笑い合ったりして機嫌がよかった。最寄駅から家までの道のりも歩いてくれて助かった。「にゃーにゃー」に挨拶して帰宅した。日光に当たり過ぎたからか、家に着くとどっと疲れが押し寄せたのでしばらくサイと一緒に「Mr. BEAN」を観た。サイは「Mr. BEAN」が気に入ったようでものすごい集中して観ていた。台詞がないので子どもにも面白いらしい。色んなものが置いてある部屋が魅力的だったのか「おじさんのおへやにいきたい!」と騒いでいた。ごめん、それは叶えられない。
晩御飯はスーパーで買ってきた焼き鳥と冷蔵庫の野菜で済ませた。アスパラに載せた温泉卵だけ欲しがって目を離した隙に素手で掴んで食べていた。ふざけてフォークとスプーンでビーンの真似をし始めたので悪影響だったかもしれない。

逃げたら悪いか

子どもがいながらにして何のために働いているのか。育休後復帰してからずっと考えている。

第一は金銭のためである。それが7割ぐらい。金銭というのは子どもにかかるお金、家族の生活費、自分が楽しむお金、全部含まれる。サイにかかるお金と生活費、これは夫の給料だけでやりくりすることもできなくもないが、正直ぎりぎりで貯金はほとんどできなくなる。そうすると近い将来サイが「こうしたい、これをやりたい」と言ってそれがお金が原因で我慢させることになるのが辛い。できるだけ生きる選択肢を多く残してあげたい。それにぎりぎりの生活で、毎日もやしを食べて電卓を睨んで切り詰める事が私にはできない。一人暮らしの時はしていたが家族を持ってできなくなってしまった。我儘かもしれないが、ぎりぎりであらゆることを我慢すると精神的にきつくなり家庭全体が暗くなるのが目に見えている。また、私は好きなことや欲しいものが他人と比べて多いと自覚していて、自分で働いていないのに好きなものにお金を費やすのが嫌なので好きなものがこの世からなくならない限り働き続けなければいけない。残念ながらなくならない。美味しいパンやお菓子を食べたいし、好きな人のライブに行きたいし、可愛い服がほしいし、サイに絵本を買いたい。もちろんこれには様々な意見がある。いわゆる専業主婦の方も家事・子育てというそれより大変なことがないくらいの労働をしているのだから好きに遣えるお金を持って当然だと思う。ただ私自身、それを家族ではあるが他人である夫に与えられるのが耐えられず、自分で働いて得たお金を費やしたいというだけの問題。あくまで個人的な問題。

残り3割は何かというと、自分の居場所や属性の問題。お金に十分な余裕があれば仕事をすぐに辞めるかと問われると難しい。母親になってから、それだけが自分の名刺・居場所になるのが耐えられない(あくまで個人的な感情)。じゃあ子どもを持つなと言われそうだが、母親たるもの働くなという人に会う度、なぜ母親は母親と会社員という二つの名刺を持ってはいけないのか。父親はよいのに、といつも思う。サイがもちろん好きだけど四六時中サイといるのが辛い。それに反対する男性は今すぐ仕事を辞めて専業主夫になればよい。サイ自体の問題でなく、子どもと二人だけの閉じられた世界に居続けることで周囲から取り残されたような、母親である以外のお前はもういらないと言われているような気持ちになる。子どもとずっといるのが好きな人も苦痛でない人もいるだろうからあくまで私の気持ち。我儘というとそうかもしれないが私は何に対しても容量がすぐいっぱいになり溢れると対処しきれなくなるので、逃げ場がないと生きていけない。家庭からの逃げ場は仕事であり、仕事からの逃げ場が家庭になる。大森靖子さんもそのようなことを言われていた気がする。

だから私はサイが重い病にかかるなど避けられない要因や強制的に辞めさせられることがない限り、定年まで働き続けたいと思っている。今の仕事がベストかどうかはまた別の問題だが逃げられる場所がほしい。


以上、主張や意見などではなくあくまで個人的な気持ち。他の人は何を考えているのだろう。

陣痛週間

5月15日(月)曇り
夜。Kはおらずサイと二人。最近、食欲旺盛なわりに野菜など嫌なものを残すようになってきた。今日もメカジキだけ勢いよく食べて(確かに脂がのっていて美味しかった)野菜は皿に残っていた。私はビールを我慢したのとサイと同じ量だったので食べ足りずポテトサラダをおかわりしたら「サイくんもポテトサラダ」と野菜そっちのけになった。ポテトサラダなんて言葉いつの間に覚えたのだろう。「それ全部たべたらあげるよ」と言うと残っていたブロッコリーを勢いよく口に詰め込みだした。やや乱暴な食べ方ながらも全部きれいに食べた。「わ!すごいね!偉いね!」と言うと「ぱちぱちは?」と拍手を要求された。嫌なものを頑張って食べた時に大げさに褒めて拍手していたらそれが我が家の定番となった。つい忘れるとこうやってリクエストされる。すごいすごいと言い手を叩いた。食後、朝も食べたぶどうをまた食べたがったけど晩御飯がやや多かったので、「ぶどうさん、今冷蔵庫で寝てるからそっとしといてあげて。明日の朝食べようね。」と言うと「うん」と大人しく引き下がった。

続トイレトレーニング。成功したら一枚ずつあげているシールが普通すぎて効果が薄れてきたので可愛いアンパンマンのシールを買った。効果抜群。シール欲しさにトイレに前より行ってくれるようになった。アンパンマンカレーパンマンが揃ったから次はしょくぱんまんをゲットしたい、などと男の(?)収集癖を刺激するらしい。ただ、魅力的過ぎてサイはシールの塊がどこにあるのか目を光らせて探している。隠し持っていることを追及され、トイレが成功したらどこからともなく現れると必死に説明するも疑いは消えず。


5月16日(火)曇り
朝。ぶどうのことをちゃんと覚えていて「ぶどうさんねてる?」と食べたそうに聞いてきた。ぶどうのパックを冷蔵庫から出して房から外していると「サイくんもやりたいー」と言ったのでやらせた。外したぶどうを持ってどこかへ行ったので「それ洗わないといけないからね」と言うと「こっちであらうよ」と洗面所から声がした。最近色々なことを自分でやりたがり得意気にしている。前ピクニックへ行った時も果物を入れた容器を「サイくんもっていくからね」とやはり得意顔で率先して運び出し、その時の自分がやらなきゃという使命感で満ちた顔があまりにも可笑しくて吹き出してしまう。

夜。あまのじゃくが出てきて(食事の時は久しぶり?)、「サイくんたべないー!」と騒いでいたがとりあえず着席させた。お皿を出してもまだ食べないとぐずっていた。「そうか、じゃあ食べなくていいよ」「お父さんたち先に食べてるね」と私とKは言い黙々と食べ始めると「サイくんたべないから!」と強く言った後「ちょっとだけたべるよ」と言い好物のポテトサラダから食べ始めた。言葉と行動が乖離しすぎてて本当に可笑しくて笑ってしまった。その後も食べないと言いながらフォークを持ってどんどん食べ進めていた。でもやっぱり機嫌はあまりよくなく、ブロッコリーが皿に残った段階で「もうごちさま(ご馳走様)なの!」とお皿を押しやった。保育園で出る野菜も少ないし野菜だけは食べてほしいなと思ったので、食べてほしいと宥めたがサイは耳を貸さず、最終手段で「あ、じゃあこれ食べたら後でみんなでこのおやつ食べようよ」と提案すると顔色を変え、昨日と同じようにブロッコリーを口に詰め込み始めてあっという間に完食した。すごいねと二人で拍手したら遮るように早口で「おやつたべる」とテーブルの上のもみじ饅頭を見つめて言いった。みんなで分けて食べようねと袋を開けようとするとまた得意顔で「サイくんあけるよ、みんなにわけてあげるよ」と言ったので渡すとなかなか開封できず苦戦していた。結局私が開けてサイに饅頭を渡し、サイがみんなに分けてくれた(私とKの分が気持ち程度というかあまりにも少なくて自分だけたくさん食べようとしていたのが面白かった)。少量かつ食後ならおやつ作戦もありかもしれない。


5月17日(水)曇り
サイと私はいつもどちらかが先に起きるのだが同時に起きた。同時と言っても私が目が覚めて時計を見たらサイがごそごそ動き始めてぱちっと目が開いて目が合った。いつも寝起き直後でいきなり話すのに驚くのだが今日も「おかあさん・・」と突然話かけられた。「どうしたの?」「こんどおはなかいにいこうよ」「うん、買いに行こうね」「おとうさんにおはなかいにいこうよ」「うん、お父さんにお花あげようね」という会話をした。私が前の日の夜もお花もらって嬉しいありがとう、と飾ったお花を見ながらサイに何度も言ってたので頭の中に「お花をあげることは人を喜ばせること」とインプットされたらしい。そうでない人もいるかもしれないが私はお花をもらうのが好きだし人にあげるのも好きだ。サイも将来、人に花を贈るような男になってほしい。

昼。久しぶりに保育園から「熱が出ました」の呼び出し電話。インフルエンザとノロを除けば最近風邪らしいものはひかず元気だったのでここへ来て、という感じ。連休の帰省や祖父母と過ごした疲れがどっと出たのかもしれない。半休をもらいお迎えに行くと昼寝時間の終わり頃で教室の外から覗くと子どもたちが布団を並べて寝ていてサイは一人眠れず辛そうにしていた。私に気付いて窓ガラス隔てて目が合うと助けを求めるような表情をしていた。泣いているようだった。(お昼なんか食べずに早く迎えに行ってあげればよかったと後悔。)電話の時は38度代の発熱と聞いていたが担任の先生から「39度まで上がりました」と言われる。一旦家に保険証を取りに帰り、そのまま病院へ行った。いつも行っている小児科が時間外だったので初めて行く病院へ行った。方向音痴のため少し迷いながらようやく病院を見つけた。病院に着くまで何度も「大丈夫?」と声をかけると小さな声で「うん」と答えるだけで、騒ぐことなく大人しかった。高熱で辛かったのだろう。人気のある病院のようで平日だというのに30分以上待たされた。受診中も大人しかった。お腹がごろごろしているので胃腸炎かもしれないとのこと。薬を出してもらう。サイと私が診察室から出る瞬間、診てくれた男の先生が「夜までの間に何かあれば電話してくださいね」と優しく声をかけてくれた。私が週末に控えている予定がダメになることなど考えてやけに暗い表情をしていたからかもしれない。診療中も子どもに向き合って声をかけてくださったし、いい先生だ。またここへ来よう。いい医者がいる病院は混んでいるのだな、と以前行っていた空いているけどものすごくいい加減で態度の悪い医者の事を考えた。

帰って一緒におやつを食べ(おやつは食べた)、辛そうではあったけどサイは夜まで寝ていた。私まで一緒に寝てしまった。晩御飯食べさせなきゃと思い起きたらサイも起きた。冷蔵庫にあった野菜、ツナ缶、卵で簡単な雑炊を作った。ぐつぐつ煮える鍋をみていると離乳食時代に戻ったような不思議な感覚だった。その間サイは横浜アンパンマンミュージアム10周年の豪華ステージ(前にKと揉めて連れて行ってあげられなかったやつ)の動画(誰かが撮った高画質なものがYou tubeに上がっていた)を観ていた。フルメンバーの着ぐるみが次々と出てきてステージで踊っているのでサイは一緒に歌ったり、出てきたキャラクターにコメントしていた。ライブの動画でもそうだけど、現場に行けない者にとってこういう動画が本当にありがたい。
「ご飯できたよー」と声をかけてもお腹が空いてないのかあまり気が乗らないようだったので膝に座らせた。再び赤ちゃん時代を思い出した。トマトを食べた後雑炊には手を付けず、ツナだけ一生懸命探して手で食べた。あとはスプーンで口に運ぶとと少し食べたがあまり食欲がないようだった。私も並行して同じ雑炊に塩コショウとオリーブオイルをかけて食べた。こうするとちょっとワインでも飲もうかなというおしゃれな味になり薄味の雑炊もけっこういける。(さすがに飲まなかったけど。)

食後、また熱が上がってきたようだったので解熱剤を飲ませてお風呂は入れず布団に寝かせる。泣きはしないものの、寝付けず苦しそうに呼吸し、暗闇で何度も目を開いて私がいるか確認していたのでなかなか立ち去ることができなかった。寝たかなと思って部屋を出ようと私が起き上がる度にサイが目を開いて行かないでという顔をするのでまた横になり、を繰り返していたらやがて薬が効いてきたのか眠りに入った。私は変な夢を見て寝たり起きたりを繰り返していた。
深夜、Kが帰ってきて目が覚めた。(いつも物音や歩く音がうるさいので目が覚める。)Kは日帰り出張で帰ってくるはずだったのが、ちょうど晩御飯を作っていた時に電話があり明らかに酔った声で「あ、今日、泊りになったから」とLINEで知らせていたサイの様態を少しも心配することなく軽々しく告げられたので殺意を覚えて電話をぶち切った。夫婦ともなればどれくらい酔っているか声ですぐに分かる(と思っている)。さすがに私がキレたのを察したのか泊まりを辞めて帰って来た。サイが起きている時が大変だったので夜中に帰って来られてもあまり意味がない。とはいえようやくシャワーを浴びることができた。寝室に戻ったらサイは解熱剤が切れている頃なのに生まれる前のエコー写真と同じ顔ですやすや眠っていた。

5月18日(木)曇り
ぱっとしない天気が続く。サイは朝起きて顔色もよく元気そうだった。私のメガネを奪ったりぬいぐるみに話しかけたり平常運転に戻ったようだった。お腹が空いていたのかごはん(Kのお土産の笹寿司)とパンを両方食べた。落ちていたビニール袋におもちゃを袋いっぱい詰め込んで満足そうにしていた。目を離した隙に隠していたアンパンマンシールを発見し勝手に貼っていた。全てが平常通りというか、むしろ反動で前より元気になった気もする。あとは熱さえ上がらなければ。保育園へ行く途中、いつもあったブルドーザーがなくなったと教えてくれた。本当によく観察している。それで「ブルドーザーがやってきたー」と働く車の歌を歌い始めたら「やめて!うたわないで!」と制止された。仕事中、どきどきしていたが保育園から呼び出されることはなかった。

夜。すっかり快復したのか帰宅後、朝より更にテンションが高く、歌を歌ったり話したり絶好調のサイ。表情も生き生きしていた。保育園の連絡帳にも「昨日のサイくんとはまるで別人」と書かれていた。大人だと39度の熱が出たらその後数日はしんどいのに苦しんだかと思うとぱっと元気になる、それが子どもの風邪なのか。それとも知恵熱だったのだろうか。分からないが無理はさせない方がいい気がする。食後もサイは異様にテンションが高く私にくっついてまわったり変な感じだった。食後、私が疲れたなと思って巨大な猫のぬいぐるみを抱いて放心していたら「サイくんのおかあさんなんだから!」とぬいぐるみに嫉妬して床に叩きつけた。


5月19日(金)晴れ
ようやくぱっと晴れたかと思うと暑い。昨晩サイと一緒に寝て夜中に起きて洗濯しなきゃと思ったが重い腰が上がらず結局空が白みだす頃にしたので、朝なかなか起きられなかった。サイが先に起きて「おかあさんおきてよー!ねちゃだめー!」と言われたが寝たまま応じなかったので怒ってぎゃーぎゃー泣き出した。それでも私は起きられなかった。横でサイが泣き叫んでいる。眠い。近所に朝から虐待していると思われたらどうしよう。いつも起きる時間になってようやく「ごめんごめん」と起きたらすぐに機嫌は直り一緒にぬいぐるみで遊んだ。起きてというのは「起きて一緒に遊ぼう」という意味だと思う。
「おとうさんは会社だね」という話をしていたら「サイくんもかいしゃいくよ」と言った。「え、何の会社?」と聞くと「でんしゃのかいしゃ!」「電車の会社で何するの?」「おしごと」ときっぱり言った。会社は何かよく分からないけど「おしごと」をする場所だと分かっているらしい。私もそれくらいしか分からない。それにしても電車の会社ってどこから発想したのだろう。
夜。明日大森靖子さんに会えるということで寝る前にかばんにギターやお気に入りの玩具をせっせと詰めて準備していた。寝る前に「おかあさん、あしたおーもりさんにあえるね」とぽつりと言ったのが忘れられない。


5月20日(土)快晴
サイと一緒に寝てしまい、明け方起きてサイが着て行くTシャツにフェルトでアップリケをした。嫌いだと思っていたけど刺繍は案外楽しい。ミシンの類は本当に苦手。もう少しで完成というところでサイが起きたので危ないけど寝室に針と糸を持って行き、サイが布団でごろごろしている横で最後の仕上 げをした。百均で買った色とりどりのビーズを興味津々で眺めて容器から出し入れして最後は布団の上にぶちまけていた。寝室にビーズなんか転がっていたらKが絶対怒りそうと思って注意して片付けた。完成したTシャツを気に入ったようで早速着てくれた。うまくできず既に取れそうな感じだったが縫い付けたビーズが特に気に入ったらしい。これはナナちゃんって言うんだよ、と教えるとアップリケに何か話しかけていた。ど根性ガエルみたい。

朝ごはん、洗濯の後バタバタと用意して湯会の会場である「東京天然温泉古代の湯」に向けて出発した。
湯会とは温泉でライブが行われるイベントだと認識していたのだが、会場である大宴会場に着くと予想以上の爆音でサイの耳が心配になった。一つ下の階に食堂がありそこは静かだったので他のお子さん連れの方と一緒に早めのお昼を食べた。肉巻おにぎりをすごい勢いで食べていた。食堂の奥にゲームコーナーがあり、アンパンマンの動く乗り物があったので執着していた。その後キッズルームへ行ったら、昔のアンパンマンのぬいぐるみがたくさん置いてあり、それがものすごく可笑しくて奇妙な顔をしていたのでサイは怖い怖いと言って泣いた。一度怖いと思ったものにはずっと怯えて近づかない性格なので、その後もキッズルームへ行くのは気が進まないようだった。いつもお昼直後に2-3時間は昼寝するのだが、絶えず大きな音で音楽が鳴っている上にたくさんの人がいるので全く寝る気配がなかった。大人に構ってもらっても人見知りして私の後ろに隠れたりしていたが、次第に慣れてきたのか音に合わせて飛び跳ねたり踊ったりしていた。そんな調子だったので肝心の大森さんのライブが始まって、しばらくは元気にペンライトを振ったり大人しくライブを観ていたがやがて眠ってしまった。隣のお子さんも寝ていたのでギターの音が心地よかったのかもしれない。

ライブ後、大森さんとの撮影会があった。それまでに起きなかったら仕方ないなと思っていたらちょうどよいタイミングで起きた。順番が近づいてきた時、サイに大森さんあそこにいるよと耳元で囁くと、サイはきょろきょろと探して大森さんを見つけ、前にディズニーランドでミッキーに会った時と同じ表情をしていた。何度も写真や動画で見ていたからか他の大人には人見知りするのに大森さんには全くせずちゃっかり膝の上にまで座らせていただいた。聖母のように優しい大森さんの対応にただただ恐縮した。その後も終わりまでテンションが高く走り回ったりお茶を入れる機械に執着していた(サイはボタンを押すと出るとかそういうのが大好き)。お茶の飲み過ぎでオムツを何度も替えた。

帰りのバスでもテンションが高く「きゃべつのなかにあおむしがいたよ~」という謎の歌を大きな声で歌っていた。疲れたので最寄駅の回転寿司で晩御飯を済ませた。寿司を食べていると突然私の方を向き、「おかあさん、おーもりさんにあえたね」と嬉しそうに言った。
家に帰っても三人で撮ったチェキを愛おしそうに眺めていた。耳は大丈夫だったようで安心した。

5月21日(日)快晴
疲れているであろうサイに申し訳ないと思ったがKも私も別の予定があり、私がサイを連れて出かけた。天気がよかったのでデパートの屋上で昼食を食べた。屋上はうるさくしても怒られないし走り回れるのでデパートに屋上があれば嬉しい。私が食べている途中で席から降りたがったので、食べ終わった友人に付き添いをお願いした。食べ終えて二人を探したら熱帯魚コーナーにいて、サイは釣堀コーナーの前にしがみつき、なぜか友人の手をぐいぐい引いて離さなかった。多分魚釣りやりたい、という意思表示だったらしい。有料で自分の力ではどうにもならないから何とかしてよ大人、お金出してよという意味のような気もする。知恵をつけてきて恐ろしい。ベビーカーに乗せるとぐずったのでデパートのおもちゃ売り場で欲しがったままごとの卵を買った。しかしすぐに飽きてしまい、買わなきゃよかったと後悔した。欲しいと言われるとつい色々買ってしまうが、物を与えすぎてそれが当たり前になるのもよくない。ぐずり続けた後、外出時にしてはいつもより長く昼寝をした。昨日ほとんどしなかったので、その分も寝ているようだった。昼寝から起き、おやつにプリンを頼むと機嫌がよかった。サイはレストランのショーケースにある食品サンプルが大好きでいつもにやにや眺めてサイくんはこれにしよう、などとあれこれ言って楽しそうにしている。この日もショーケースの海老を見てなんだこれ~と興奮していた。

夜。嫌いなアスパラを一度口にたくさん入れて飲み込まずに吐き出したので叱ったらわんわん泣いた。でも説得の末、吐き出したものをもう一度食べた。まあまあ根性があるのかもしれない。

熱が出たり憧れの人にあったり出産前の陣痛のような一週間だった。

たまには傘持って踊りたい

5月8日(月)晴れ
命にしても何にしても永遠に続くものなどこの世になく、長い休暇も多分に漏れず終わりが来る。
確か穂村弘さんが、ブルーマンデーについて最初は日曜日のサザエさんが始まる頃から不安になっていたのがだんだん前倒され、今や木曜日ぐらいから不安になる、というようなことをエッセイに書かれていて正にそれと同じ気持ち。GWが始まる時からもう不安だった。
仕事に行きたくない私と同じようにサイも朝、「こうえんいく」「ほいくえんいきたくない」「○○せんせいこわい」と発言していた。私が会社に行くのは生活のためだが、サイは保育園に行かされているだけでありそこに必要性は全くない。だから行きたくないと言われるといつも心苦しい。

4月からずっとさぼり続けてようやく作った(といっても支給された厚紙にボンドで貼っただけの)連絡帳カバーを見て喜んでくれ、保育園バッグに入れないで自分で持っていく、先生に見せると言ってくれた。サイはいつも大したことのない些細なことでも大喜びしてくれるのでこんなことでごめんねといつも思う。もし私がインスタでよく見かけるような手作りお菓子や料理、手芸の達人だったらサイはどんな反応をしていただろうか。絵や工作は好きだが手芸や料理は苦手で苦痛でしかない。でもサイのためならフェルトでままごとセットを作ってあげたり、Tシャツに好きなキャラクターを刺繍してあげたり、可愛いちぎりパンを作ってあげたい。あげたいけれどそれはいつも想像上で終わる。例の山菜の天ぷらを出してくれた奥さんの家に、紙でできたアンパンマンや食べ物など明らかに手作りと分かる凝った作品が山ほど置いてあり、私は「これ作ったんですか」と目に入る度にしつこく尋ねた。全部支援センターで作ってもらったんですよと聞くと妙に安心した。
お菓子作りこそしなかったが手芸好きな母は私が小さい頃洋服や色々なものを作ってくれた。キティちゃんの絵が編みこまれたセーターを着た自分の写真を見ると、一体どうやって人間の手でこんなものを作り出せるのか不思議な気持ちになる。母と同じようにはなれないが絵を描いたり私は私のできることするしかない。

夜、サイはお医者さんセットの聴診器を私のお腹やお尻にあててはしゃいでいた。へそに注射してくれた。ままごとの食べ物でお弁当を作ってくれた。最初は機嫌よくやっていたが弁当箱にきっちりはまらないと嫌になって全部投げつけていた。


5月9日(火)曇り
朝。サイは2歳になった頃からトイレトレーニングを始めたが、なかなかうまく進まない。トイレにサイが好きなポスターや絵を貼っってイメージから改善しようとするも、気が乗らないとトイレにすら行ってくれない。なので汚い話だが大便に関しては今にも出そうな顔をしている時に急いで便座に座らせる。あまり強制的だと嫌がられるので「キラキラのすごいシールあげるから行こう」と誘拐犯のように誘った。今日は間に合って便座でできた。よかったねぇー偉いねぇと言っていたら遮るように真顔で「きらきらのしーるは?」と聞かれた。実は口から出まかせだったので慌ててシールを探した。たまたまそういう感じのものが見つかってよかった。サイは光る宝石のようなシールに喜んで大事そうにしていた。
その後私がトイレに入っていたら覗いてきて大人みたいな顔で「きらきらのしーる、もってこようか?」と聞いた。最近サイは私がトイレに行く度にかけつけてシールが欲しいか尋ねてくれる。「うん、ありがとう」と言うといつものように「まってて!」とやけに自信満々にドアを閉めどこかへ行った。

仕事で夕方、自分の関わったものでは入社以来最も大きな案件が舞い込み動揺する。決まればすごいことなのだが、私も上司も極度のマイナス思考のため「こんなうまい話あり得ない、最後に何か起こってダメになるかも」と暗くなっていた。そんな我々と相反して部長をはじめ、周りは喜び騒いでいた。そんな最中、先方にろくに返事もせず(翌朝確認したら上司がやってくれていた)、私は退社しサイのお迎えに向かった。夫は出張で不在なので私が行かなければサイは保育園に取り残される。こんなこと口が裂けても会社では言えないが、どんなに大きな案件があってもサイのお迎えが最優先である。

迎えに行くとサイはいつも通り主人が迎えに来た犬のようにすっ飛んで来て、園庭で走り回ったり砂に絵を描いてから帰路についた。先生にサイくん連絡帳カバーに大喜びで見せてくれましたよ、と言われる。通園途中いつも通りかかる和菓子屋さんがあり、「あそこのおやつ」と私が最初に呼んで以降、サイも店名のように呼んで前を通る度に「あそこのおやつかいたい」と騒ぐ。金曜日や給料日後に寄ることもあるが今家には帰省先で買ったお土産がいっぱいあるので「あれ?やってないね、今日はもう売ってないねぇ」と適当に言って通りすぎたら「やってるー!あるー!」と激怒しぐずった。だんだんと適当さが通じなくなってきたが応じていても大変なので断り方を考えないといけない。
帰宅後、機嫌直しに家にあった饅頭をサイと半分ずつ食べたら満足したようだった。


5月10日(水)雨
雨の日は嫌だ。自転車にカバーをつけたり、ダサすぎて最新ファッションかと思う雨具をフル装備したり、かばんが濡れないようにしたり、通園するだけで朝からたくさんの気を遣いEPが一気に減る。今日は小雨だったのでまだいい方。大雨の時は本気で仕事を休みたくなる。最近サイが濡れないようにするカバーをなくして、ベビーカーのカバーで無理矢理代用している。やはり無理があり走っている途中でめくれ上がった。誰に似たのかサイは下げているかばんの持ち手が捻じれたり、ままごとの野菜がうまく箱には入らなかったり、均等や美を保っているものが崩れるのを一番嫌がるので案の定機嫌が悪くなった。でもそのまま走り続けた。雨は嫌だ。

夜。夫の仕事に余裕があった日だからか先日のことを悪いと思っていたのか、自由時間をもらえ、素敵な人達と夢のような時間を過ごし絡まっていた紐が少し解けた気がした。(日記の中で夫って書くのは何だか嫌なので今度からアルファベットでKとすることにしよう。)ストレスを溜めて鬱々としてるのは家族に悪く当たってしまう可能性がある上に翌朝以降の生活にも悪影響しかない。たった一晩出かけるだけで明日から頑張ろうと思えるのだから全国の夫達は一晩だけ家事や育児を頑張ってたまには妻に一人だけの、妻でも母でもない時間を与えるべきだ。いや、母親たるもの子どもからひと時も離れてはいけないという人や、山菜天ぷらの奥さんみたいに別に出かけたいと思わない人もいるだろうから、これはただの持論だけど。

5月11日(木)快晴
朝から夏のように暑い。ドクターイエローがプリントされた半袖Tシャツを着せようと出したら思い違いで長袖だった。暑いから辞めようかと言うとサイは見てしまったためにドクターイエローがいいと主張した。サイはドクターイエローのことを舌足らずのせいで「ドクターエロ」と言う。それではただのエロいおっさんで医者かどうかも怪しい。仕方ないのでそれを着せて行き保育園で半袖に着替えさせてもらうよう先生に伝えた。大森靖子さんが息子に危険さえなければ自由にさせてあげたい、とラジオでおっしゃていたがその通りだと思う。命の危険と周囲への迷惑さえなければできる限りサイの「おこだわり」に応じたいと日々思っている。晴れの日に長靴を履いたっていいし、オムツをデコりたいと言われれば応じる。と言いつつ壁に落書きすると叱るし、夕飯前にお菓子食べたいと言われると断る。躾とこだわりは違うのでその辺りは弁える必要がある。


夜。退社後昼休みに美味しいパン屋さんで買った週末分のパンと同僚にもらったパンを会社に置き忘れてきたことに気が付き、一端お迎えに行った後駅でKと交代し再び会社へ戻る。退社する時はいつもサイの顔を浮かべてうきうきなのに、夜に会社に戻るのって例えそれが仕事でなくてもなんと暗い気持ちになることか。
帰ったらサイとKはKが作ったパスタを食べていて私も食べる。美味しいのだけど何味かよく分からない。


5月12日(金)晴れ
夜、明日から両親が来るのに備えテレビ電話など。

5月13日(土)雨
サイと一緒に寝てしまい、明け方起きて部屋の片づけをしていたらKが起きてきて二人でがたがたうるさくしていたので、日が昇らないうちにサイは起きてしまった。Kは会社に行き、私はひと眠りしたかったので起きたいというサイを宥めて8時頃まで寝る。おそらくサイは途中寝たり起きたり。最近寝ていて足で蹴られたりするのが本気で痛い。負傷するレベル。起きてから「今からじいじばあば(私の両親)来るから会いに行こうね」と言うとサイは飛び跳ねてうきうきしていた。


天気はよくなかったが早く着いたのでみんなで築地へ行った。団子屋さんで雑煮と団子を食べる。知らない外国人観光客がライカでサイを撮ってくれる。父とKとはそこで別れそのあと三人で銀座へぶらぶら。ぶらぶらと言っても天気は一層悪くなり休み休みで辿り着いた。自分では普段買わないちょっと高い店でサイの洋服を買ってもらう。その後電車を待っている時、これからもらう年金の額がものすごく少ないという話を聞き申し訳ない気持ちになる。それでもサイのために何か買うのが母の愉しみらしい。
好きな洋食屋さんで三人でお昼を食べ(雨だから空いていた)、デパートの子どもの階で絵本を読み、天気が悪いのでKにサイをピックアップしてもらいそこから2時間ほど母と二人になった。いつもそうだが、それまで一緒にいたサイが突然いなくなるといなくなった感がすごくある。サイのことは大好きだしずっと一緒にいたいけれど離れた瞬間自由だ!とミュージカルの主役みたい踊りたくなる。母と二人で絶対幼児が入店できない店で普段なら食べない高いパフェを発注し美味しい美味しいと堪能する。

夜はみんなで家の近くの和食屋さんで晩御飯。初めて行ったけど本当に美味くて両親もサイも満足していた。買い物して美味しいもの食べてサイをみてくれる人がたくさんいるってなんという余裕。たまにはいいよね、傘持って踊りたいよねと思いながら寝た。

 

5月14日(日)

午前中はゆっくりして(うちの両親は朝からそんなに食べない派なのにKに叩き起こされてちゃんとした朝ごはん作るよう命令されたのがちょっと嫌だった)、みんなで薔薇の綺麗な場所へ出かける。ここで薔薇を見るのが毎年の楽しみなのだけどとにかくものすごい人でみんな薔薇好きなんだな、と思う。一昨年はまだ歩けず、昨年はよちよち歩きだったサイは今では走り回る。お花が最近好きなので喜ぶかと思いきや砂利を拾って遊んだり「いちごわすれた」などといつか苺を持ってきて食べた記憶など思い返し薔薇はどうでも良さそうだった。動き回ってじっとしていないので写真も撮れなかった。

昼食を食べて両親はまた地元へ帰って行った。

 

帰宅後、なぜか疲れていたので母の日ということもあり晩御飯を作ってほしいとKに頼んだら快諾してもらえた。自分でも作り方がよく分からないビーフストロガノフをリクエストしたらちゃんと完成していた。お風呂もKに代わってもらい深夜に一人でゆっくり入った。

 

日記を書き初めてから思うけどたった一週間って色々あるもんだな。

 

金曜日の夜、サイとKはいつもより少し帰りの時間が遅かった。「ただいまー」と帰ってきたサイの手には花束らしきものがあったけれど私は何にもピンとこなかった。普段ならこういうのにすぐ勘付く方だけど、ああ、お花買ったのか、と普通に思った。Kがサイの後ろから何か言い、サイがもじもじしながら小声で「おかあさんありがとう」と言って持っていた花束をくれた。私の一番好きなマトリカリア。リボンも何もついてない茶色い紙に包まれた小さな花束。言葉にならないほどの嬉しさとよく言うが本当にそんな感じだった。玄関でサイをぎゅーっと抱きしめてありがとうと言ったららちょっと照れたような満足そうな顔をしていた。その後Kからも自分では絶対買わない色のハンカチと靴下をもらった。もちろん嬉しかったけどサイにもらった時の気持ちとは比べものにならなかった。どっちも代金を支払ったのはKなのに申し訳ないほど。
そういえばサイに何かもらったのは初めてだ。食べかけのパンや床に落ちていた糸くずは日常でもくれるが、贈り物をもらったのは初めてだ。赤い顔して永遠に泣き続けていた子が今や照れながらお花をくれるなんて、嗚呼。


嬉しくて嬉しくてずっと棚に飾った花を眺めている。

黄金とかつけるから後でしんどくなる

黄金週間という輝かしい名の休暇が終わった後の絶望が余りにも大きいのでいっそのこと初めから存在しない方がよかったんじゃないかと思えてくる。
バタバタしていた一週間のため記憶が曖昧な日もあるが、覚えている限りのことを記しておく。

5月1日(月)
何を食べたか何をしたか記憶にない

5月2日(火)快晴
一日有休を取って、サイには保育園に行ってもらった。
自分は休んで保育園に預けていることに後ろめたさがない分けではないし、批判もあると承知だが、半年に一度くらいこのやり方で自分の時間を持ち、用事を済ませたり、観たい映画を観たりしている。

この日は翌日から帰省する夫の地元の家族親戚に渡す菓子折りの買い物がメインで、A嬢とずっと行きたかったお店でお昼ごはんを食べることもできた。A嬢は買い物に付き合ってくれたばかりか、重い荷物まで持ってくれてこんなにいい人と巡り会えて私は幸せ者だと思った。買い物を終えてお茶しようとした時夫から連絡があった。夫は、なぜ前日に買うのか私には全く理解できないが、帰省するのに着て行く洋服を買いたいから仕事が終わったら連絡すると言われていた。私がまだ洋服屋にいなかったあるいは向かっていなかったことで機嫌が悪くなった。少し遅れるから先に行ってほしいと電話口で言うと更に怒った。時間通りに進まないとか、私が決まった場所に待っていないとか予定調和でない事が起こると夫はいつも機嫌を悪くする。私は実家の家族が互いに自由な感じだったからか、予定がずれても全く平気でむしろ自分の時間が増えてラッキーぐらいの考え方なので理解できない。
A嬢に気を遣わせた上、全然落ち着かないお茶をして別れた。すごく申し訳ないことをしてしまったと思っている。せっかく楽しかったのに一気に鬱が押し寄せた。と、ここまでサイと何の関係もない夫への愚痴を書いているが一応後のことに関係するので記しておく。
結局夫はサイズの問題で洋服が変えず更に機嫌が悪くなった。私はまだ別の用事があったので保育園のお迎えに行く夫と別れて重い荷物を抱えて電車に乗った。最後の用事を済ませたらデパ地下でサイの好きなエビフライをたくさん買って急いで帰宅した。

二人は既に家に戻り、私がまだ帰って来ていなかったことで夫の機嫌は空腹を伴い最悪になっていた。(こまめに連絡はした。)色々と苦言を言われたので、そもそも買い物が大変だったと言い返すと「別に何でもよかったのに」と言われてカチンときた。味にうるさくすぐ文句を言う義母のことで悩んだり店を選んだ苦労も知らずに、じゃあ自分で買いに行け、と思ったことがそのまま口に出てしまい喧嘩になった。サイの前だとか気にせず大きな声で頭に浮かんだことをぶつけた。それでも言い合いは収まらなかったので私はエビフライをゴミ箱に投げ入れて寝室へ行った。サイにご飯を食べさせたりお風呂に入れたりする普段の大変さを夫一人で味わえばいいと思った。何度か夫が寝室へ来て態度を急変させて謝り戻って来いと言われたが、もう怒りというより気力がなく布団を被って無視し続けた。夫は諦めて来なくなり、リビングから聞こえる音から判断してサイはご飯を食べさせてもらっているようで安心した。食事が済み、夫はずるい手段を使った。サイだけを寝室に入れた。サイは横たわる私を心配そうに見て、「パジャマここにあるからね、絵本ここにあるからよんでね」と優しく声をかけてくれた。2歳児に慰められて恥ずかしいような自分が情けないような気持ちになり涙が止まらなかった。そして「お母さんちょっとしんどいから寝てるね」と言うとサイは「わかった!」と明るく言い部屋を出たかと思うとまた部屋に入ってきて心配する、を繰り返していた。

急に大人のようになったなと思っていると、次の瞬間、我慢していた何かが崩壊するように突然顔を歪めてわーと泣き出した。「おとうさん、おとうさん」と狂ったように叫びながらわんわん泣いていた。私は大変なことをしたと思ってサイを抱きしめてごめんねごめんねと謝った。
夫への気持ちがどうであれ、二度とサイにこんな姿を見せてはいけない、こんな思いをさせてはいけないと思った。
夫がどこかに買い物へ行っている間にサイと二人でリビングへ戻ると捨てたエビフライが台所に置いてあり、サイと二人で床に座って箱のまま食べた。サイは必死になってむしゃむしゃ食べていた。私も必死で食べたら胸やけがした。


5月3日(水)快晴
新幹線で夫の地元に帰省。義両親とサイは年に一度会うか会わないかで、二人ともスマホを持っていないので私の両親とするようにテレビ電話もできない。だから義両親と会うとサイはものすごく人見知りする。案の定会った瞬間固まっていた。それでも電話で何度か話して声を覚えているので少し経つと打ち解けたらしい。実家に行く途中で美術館に寄った際、義両親は車で待っていたのだが「○○(土地名)のじいじは?」とサイは早速気にしていた。美術館は人が少なくて廻り易く建物の周りも自然がいっぱいでサイも楽しそうだった。
美術館の後、夫が高校生の時よく行っていたらしい美味しいアイス屋でアイスを買い、車でみんなで食べた。私はスペシャルという4種も盛られたアイスをサイと奪う合うように食べた。今まであまり食べさせてこなかったのだが、自分が食べる時に少しずつあげているうちにサイはアイスの味を覚えそれがものすごく美味しいことに気付いたらしい。
家に着くとおばあちゃん(サイにとっては曾祖母)が待っていてサイを見てものすごく喜んでくれた。よく来たね、大変だったろうと気遣ってくれた。私は義実家の家族は嫌いではないが何だか話が噛み合わず、おばあちゃんと話すのが一番好きだ。結婚前に初めて会った時はキツイ方言で何を言っているか全く理解できなかった。まるで外国語だった。私が慣れたのか今では7割くらいは理解できる。仏壇のおじいちゃんに線香をあげるのを見ていたサイにこうやってやるんだよと手を取って教えてくれた。サイは仏壇のろうそくから誕生日ケーキを連想して、手をたたいたり何かめでたいものだと思っているようだった。サイのことを「可愛いねぇ、いい子いい子」と何度も言って頭を撫でてくれた。義実家でそんなに褒めてくれるのはおばあちゃんだけだ。サイも満更でないようでおばあちゃんに懐いていた。

家の近くの外国みたいに大きくて広いスーパーで食材を買い込んで戻り、晩御飯を食べ始めた頃、夫の友人夫婦がビールを持ってやって来た。夫婦の旦那さんの方が夫の友人で私達の結婚式でスピーチをした程、夫とは旧い仲らしい。この友人は面白い人でお酒が苦手で素面なのに最初から最後まで酔っ払いのようなテンションで捲し立てるように話す。この日も一滴もアルコールを摂取せず、緑茶を飲みながら芸人のように話し続けていた。奥さんは大人しいが大酒飲みでいつもにこにこしている。いい夫婦だなと思う。サイはマシンガントークに圧倒され黙りこくっていたが寝る前にようやく打ち解けていた。サイが寝てもまだ宴会は続き正直私も退散したいと思ったがそんな思いと相反してコップに酒が注がれ続けた。


5月4日(木)快晴
いつも聴いている大森さんのラジオを聴き忘れた、と朝起きて気が付いた。もはや曜日感覚がない。朝食を食べ、出発。たぬきケーキを買い、観光地である公園の前で降ろしてもらう。途中で夫が高校時代に部活仲間とよく行っていたという変な名前がついた焼肉屋さんの前を通りかかり、まだあったのか、あそこの食べ放題は安くてと夫は一人ごちていた。私がこの公園に来るのは今回で三度目でサイとは二度目である。まだ桜が残っていて、きれいだった。色んな種類の桜を眺めたり、サイの写真を撮ったり、パンを食べたりしてのんびりと過ごした。つい二日前、もう一緒に暮らせないと思ったほどの夫への不信感はこの土地に来てから次第に薄れていった。だからと言って忘れてはいなかった。時間に追われなくなって気持ちに余裕が生まれたというのはあるかもしれない。
その後、夫の妹夫婦と落ち合って一緒にお昼を食べた。夫婦には姉妹と1歳に満たない男の子の三人の子どもがいて、サイの唯一の従姉妹になる。二番目のSちゃんはサイの一つ年上。会うのは二度目だが前回会った時サイはまだ小さかったので忘れているだろう。昼食後、眺めのいい場所に行き、みんなで動物を観たり散歩したり公園で遊んだ。弟がいるものの普段妹の立場でいるところに突然サイが来たものだからSちゃんは俄然張り切ってお姉さん役を務めていた。サイはSちゃんにずっと手を引っ張られていた。二人は手をつないだまま走ったり、しゃがんで草を毟ったり、始終楽しそうにしていた。私に似て運動音痴なサイは途中からSちゃんの活発さに着いて行けず途中で止まったり弱音を吐いていたが「ほら!あるくよ!たって!」とSちゃんは容赦なかった。兄弟のいないサイは自宅ではマイペースに行動し、保育園でもいつも同じ年くらいの子としか交わる機会がないので、この時は弟として叱咤されたり手を引かれて相当にリズムが乱されていた。見ている側としては面白かった。本人にとっても新鮮な体験だったよう。夜までその乱れは続き、サイは郷に入れば郷に従えとついに諦めたのか途中から姉妹と一緒に飛び跳ねたり叫んだりして異様なテンションだった。姉妹達が帰った後、さすがに疲れたのか倒れるように眠った。


5月5日(金)曇り
朝から大福をたらふく食べた。例の素面でよく話す友人が本当に美味しいと薦めていたので義両親が買って来てくれていた。疲れているのかサイはなかなか起きてこなかった。
帰り支度をしていたらおばあちゃんが来たので二人で少し話をした。おじいちゃんと初めて出会った時、一目見て格好良いと思ったからこの人と結婚しようと思ったという話や、おじいちゃんがとても頭がよかった話をしてくれた。サイのことを本当に可愛いとまた言ってくれた。方言が分からなくて聞き取れないところもあった。通訳してくれる夫がいなかったので愛想笑いでごまかしてしまった。おばあちゃんとサイで写真を撮ろうと言ったらおばあちゃんは照れて断ったけれど、せっかくだしと言うと被っていたミッキーのニット帽とエプロンを恥ずかしそうに脱いで撮ってくれた。(確かにイケメンだった)おじいちゃんが亡くなってからおばあちゃんは元気がなくなっていた。でもサイを見て喜んでもらえてよかった。
おしゃべりな友人が来た日の夜、おばあちゃんが台所で立ってこっそり泣いていたのを私は見た。
お土産を買い新幹線に乗り東京へ戻った。帰宅後、洗濯だけしたら力尽きて横になっていた。夫は仕事でいなかった。サイは全く疲れた素振りを見せず、私が寝てばかりいて遊んであげなかったので怒っていた。
この日は結婚式を挙げてからちょうど4周年(入籍日は別)だったのだが、私はすっかり忘れていて夫が花を買って帰ってきて思い出した。子どもの日だというのにサイに何もしてあげられなかった。


5月6日(土)晴れ
サイはいつも6時すぎ、遅くとも7時前には起きてもし私が寝てれば起こしてくれるのだが、この日は二人で8時前まで寝ていた。慌ててゴミを出し遅めの朝ごはん。洗濯をしてスーパーに行き公園に行くといういつもの土曜午前の過ごし方。平常に戻った。公園でサイは噴水に入りたいと言ったので、靴を脱がせて入らせると足の感覚に戸惑ったのかその場からほとんど動かなかった。子どもと水遊びしていたスタイルの良いギャルママが持った水鉄砲に見とれていて、貸してあげるよと言われたのに固まっていた。昼寝はいつもより短く、おやつにゼリーを食べた。
私は一日遅れでこどもの日と結婚式4周年のお祝いをしようとAmazonで届いたばかりの天ぷら鍋で春巻きを作った。帰省先で夫の友人宅を訪問した際、山菜の天ぷらとビールがさっと出てきたのに感激して帰りの新幹線で発注した天ぷら鍋。山菜の天ぷらを出してくれた奥さんはできる妻という感じで、部屋はきれいに整えられ子どもの教育も行き届いている感じがした。私達が行った段階で既に酔っていたご主人が、私が時々ライブに行くという話をした時「俺が稼いでいるから妻に不自由はさせてない(とまでは言ってないけどそんな感じのことを)」と言ったのでちょっと嫌な気持ちになって奥さんに「夜とか出かけたくならないですか?ストレスとかたまらないですか?」とこっそり聞いたら「そういうのはない」と返されたので私は一生この奥さんみたいになれない気がした。そんな思いもあり発注した天ぷら鍋。
慣れないことをしたので時間がかかりいつもより遅い夕飯となった。さすがフライパンとは違う、春巻きは美味しかった。サイはこいのぼりの形をしたご飯に喜んでくれた。


5月7日(日)晴れ、夕立あり
午前中、どうしても行きたいところがあったので夫にサイを見てもらいさっと用事を済ませる。昼は公園でみんなでお弁当を食べた。夫が仕事に行った後、サイと私は公園に残りシャボン玉をした。最初は力いっぱい吹きすぎて全然できなかったのが、だんだん上手に吹けるようになってきた。きれいにシャボン玉ができるとサイも満足そうだった。サイは集中するとそればかりやるので、液がなくなるまでずっとシャボン玉をしていた。帰宅後昼寝。昼寝から起きて、雑誌の付録を一緒に作りそれで夕飯が遅れた。慌てて肉じゃがを作った。もらったじゃが芋が大量にあり、それが主食の民族のように朝も夜も芋ばかり食べている。肉じゃがにベーコンを入れると美味しいと発見した。
サイは雑誌の付録のお医者さんセットをえらく気に入ってぬいぐるみに注射したり聴診器を当てていた。


こんな感じで終わった黄金週間。

旅行とか行きたかったな。

よく晴れた週末の記録

4月29日(土)快晴のち曇り
マリーアントワネットの助言に従い、パンがなかったので前に買って置いてあった米粉ミックスでホットケーキを焼いた。米粉は好きだけどこれに関しては普通の方が美味しい気がした。サイはホットケーキが大好物なので特に気にせずガツガツ食べていた。父親の分も奪っていた。

この日はアンパンミュージアムに行くとサイと約束していたが夫が仕事関連のイベントを観に某デパートに行きたいと言い、延期になった。横浜のアンパンマンミュージアムは今10周年を迎えており、それを記念して特別なショーが行われているらしい。保育園でもらったチラシ(園の入口に区やその他のイベントのチラシが置いてあるのだが、アンパンマンミュージアムのチラシが稀にあり、サイはそれを見つけ出すのが異常に早い)によるとオールスターが登場する豪華なショーが今だけ行われているらしい。
ショーというのはキャラクターの着ぐるみがお姉さんと寸劇したり歌って踊ったりするものなのだが、平常時は出し惜しみしているのか、アンパンマンとあと2キャラクターくらいしか出て来ない。サイは色々な所で行われ誰かが撮影したアンパンマンショーの動画をYou tubeで繰り返し観るほどなので、もしかするとアニメより実写版が好きなのかもしれない。前回行った時は目をキラキラさせて喜んでいたのでオールスターによる豪華なステージを見せてあげたかった。アンパンマンショーは子どもにとっては普段CDで聴いている歌手のライブに行くような感覚なのかもしれない。

目的地のデパートに着くとたまたま夫の仕事関連の知り合いが子どもを連れているところに遭遇した。奥さんは別の場所で友人とランチをしている(できた夫だ)とのことで、そのまま我々三人と彼と彼の子どもの5人で屋上でお昼を食べることになった。私は買い出し係になり急いでデパ地下に行き惣菜やビールを買い込んだ。外で食べるご飯は美味しい。ほろ酔いで子どもと走り回って遊んでいたら奥さんが追加のビールを持って(できる妻だ)やってきてみんなでまた乾杯した。自由に呑んだり子どもも遊べる屋上って最高かもと思った。こういう、誰もが満足する場所は意外に少ない。奥さんとは同じ業種の夫を持つ立場として色々と話せて楽しかった。
みんなでアイスを食べて解散した。

夜は家にある野菜やベーコンを市販の生地に載せピザを作って食べた。ピザが好きなサイは喜んで勢いよく食べ、皿の分がなくなるともっとくれもっとくれと騒いでいた。ピザのチラシが好きで捨てようとすると怒られる。
食後急激に眠気が押し寄せ、サイとお風呂に入って出たところで力尽きた。サイも日光に浴びて疲れたようですーっと眠った(らしい)。夜泣きも全くなかった。


4月30日(日)快晴
朝から私とサイは美容院の予約を入れていた。一度私が切ったらあまりに出来がひどすぎて母親に虐待レベルだと言われて以降自分が切る時に連れて行く。が、昨日のはしゃぎすぎが影響して全員で寝坊してホームアローン状態になった。結局間に合わず私だけ先に出て、後でサイを連れて来てもらうことにした。

私が切り終えた頃、夫とサイが来たので私は店を出た。いつもは二人でサイが切ってもらうところを見守るのだが4-5回目だし特にいなくても大丈夫かなと思ってその間に行きたいパン屋やその他用事を済ませる。切り終わってサイに会ったら、一体夫はどう言ったのか、サイの前髪が短すぎておかしいことになっていて立ち会わなかったことを後悔した。短く切ると顔の丸さが際立ち、太っているのが強調された気がした。「食いしん坊」感も増した。

その後子連れに優しいお店でお昼を食べ、私はまだ用事があったので二人で先に帰ってもらった。私は観たかった展示を観たり、もうすぐ帰省する時に渡す姪っ子二人のプレゼントを買った。自分が小さい頃、親戚から全然好きじゃない上にひどく子ども扱いされたプレゼントをもらったのがすごく嫌だった記憶があるので、姪達に何かあげる時は事前リサーチを徹底して行うようにしている。最初の頃はサンリオだったのが、もう飽きたらしく今回のリクエストはすみっこぐらしとディズニープリンセス。ディズニーはいいとして、「すこっこぐらし」なるものを全然知らないのでググった。小学生の間で流行っているらしい。その通り、売場にはJSが群がっていた。その群れを掻き分け私は汗をかきながら姪が欲しいアイテムを探した。確か数年前は「ほっぺちゃん」をリクエストされ、吐きそうになりながら竹下通りを彷徨い辿りついた専門店でJSに圧倒されながら何がよいのか分からないものを買った。あの時のほっぺちゃん、どこへ行ったんだろう。子どもは好きなものが変わり易い。

最寄駅について公園の前を通ると二人が子供用のお家みたいな休憩するところにいてサイは私に気付いて嬉しそうに手を振った。やっぱり顔がまんまるだった。仕事に行く夫と交代し、手を繋いで家に帰った。

サイとみかんゼリーと油を使っていないごぼうチップス(ややダイエット意識)を食べ、午前中タイガーで買った子ども用ギターで一緒に遊んだ。弾き方がまだよく分かっていないようだったが、弦をはじくと音が鳴ることは理解し楽しそうに演奏していた。アンパンマンをリクエストされ、私が弾けないでいると少し機嫌が悪くなった。


洗濯をした後、サイとスーパーに行き帰りに公園に寄るいつものコース。暗くなるまで遊んで帰宅する。春巻きを作りたかったのに皮を買い忘れたことに気づき、具になるはずだったささみやバジルを適当に炒めた。あとはタコとトマトのマリネ、春キャベツのスープ。サイはキャベツが嫌いなのか汁だけ飲んだ。
夕食後、突然どっと疲れが押し寄せて電池切れになってしまった。サイは元気そうだった。サイを何とかお風呂に入れた後一緒にそのまま朝まで寝てしまった。
そのため、道重さんが特集された番組を観逃したどころか録画もし忘れた。がーん。