カニ日記

息子の成長と日々の記録

いつもこんな顔をしてたのか

6月26日(月)雨時々曇り
色々あったが、気合を入れて一週間スタート。サイは朝から義母が先週送ってきた果物ゼリーを食べたいと騒いだ。わりと量があるし朝ごはんとしてはどうなのかなと思ったが食べたいと言ったので仕方なかった。色んな味から迷いに迷ってさくらんぼ(冷蔵庫に本物のさくらんぼもあるのに)が入ったゼリーを選んで蓋をめくって渡すと嬉しそうに食べていた。私も一緒に食べるよう強要されたため、あまり気分が乗らなかったが一番食べ易そうな梨のゼリーを食べた。サイは梨も欲しがったので半分食べたところでそれもあげた。朝からゼリーとか、いつ何を食べるか(おやつは絶対15時と決まっていた)に厳しかった自分の母親に言ったら怒られそうだなと思った。でも私は私のやり方でやっていく。もう食べたことない人はいないんじゃないかと思うぐらい有名な「ゼリーのイエ」のゼリーを最近ツイッターで見かけたが、ずっと食べたいのに食べたことない食べ物の一つ。お取り寄せしたらサイは絶対喜びそうだなと思った。愉しみができた。
雨なのでフル装備登園。脱いだり着たり繰り返して本当に障害物競争かスパイ大作戦の気分。河童は究極にダサいしサンバイザーで頭痛いし朝から疲れる。

夜。Kにお迎えを頼み、スーパーに寄って帰宅。二人より早く帰ってきたのにすぐ夕食作りに取り掛かれず、部屋の電気もつけずにスーパーのパンコーナーに2割引き(160円!)で置いてあって買った美味しそうなフライドポテト(ピザハットのポテトに似てる)をつまんだ。思いの他美味しかったので止まらなくなり結局全部食べた。まもなく二人が帰宅したがサイが近所にたくさん咲いている紫陽花を見に行きたいと言ったらしく、荷物だけ置いて二人はまた出かけた。最近休みの度に「紫陽花見に行こうよ」とあじさいデート?に誘って二人で見に行っていたが、サイが関心を持っているかどうかよく分からなかったので、自分から見たいと言うなんて嬉しかった。私がお花に対して可愛いねと言ったり愛でている様子を普段から見せているからか、サイもお花が好きなようだ。花が好きな男性はいい、すごくいい。假屋崎だれそれがいいという意味でなく。ちなみに最初サイは紫陽花が「おじさん」に聞こえていたようだ。ずらっと横一列に並んでいるおじさんをサイと見に行くと考えたら可笑しかった。挽肉と野菜を炒めてごはんに乗せ、その上から目玉焼きも乗せた。サイは目玉焼きというか卵がかなり好きなようでそれだけ先に食べてしまい「もっとたまごたべたいのー!!」と欲しがっていた。


6月27日(火)
朝。パンとキウイ。ゴールドだと思って買ったのに切ったらグリーンだった。ショック。メロンパンナちゃんと同伴登園。

出社してすぐ、海老蔵ブログにアクセスした。ずっと見るのが怖かったけどようやく開いた。麻央さんが亡くなって約一週間が経つが、悲しみで満ちているかと思いきや意外なことに明るく活動的な内容だった。しかも、ものすごい更新頻度だった。海老蔵氏は公演を一日も休まず稽古に励み、お子さんも麻央さんが亡くなった翌々日には舞台に立ったと書いてあった。信じられない。打ちひしがれてぼーっとして生きる気力を無くしていたのは私だけだった。彼らは闘いを終えた後再び休むことなく闘い始めていた。ブログに書かれていることが本音とは限らないし無理をして書いている可能性もあるが、この「生きている」感じが全面に溢れ出ているブログがとても心地よかった。

アメブロはアクセスすればするほど書いた人が儲かるしくみなので嫌な人のアメブロは見ないようにしている(嫌なら見ないのは当たり前か)。海老蔵さんと二人のお子さんはお金にはまず困らないだろうから金銭目当てで更新しているのではないと分かっているし、「更新しすぎ」という批判の声があることに対しても自らブログの中で弁明されていた。頻繁に更新して何が悪いのと私は思う。「更新しすぎ」と言う人はこれまで一度も、文字化したものを不特定多数の誰かへ向けることで自己や物事を客観視し状況に立ち向かおうとしたことがないし、する必要もないのだろう。私は彼のブログを今後毎朝PCを立ち上げてすぐ見ることに決めた。海老蔵さんが苦悩している様子、麻央さんが好きだったピザを子ども達にリクエストされて苦手ながらも一緒に食べている様子、お子さん達の様子、稽古の様子、どんなにつまらないことで一日に何度更新したってかまわない、彼や子ども達が生きていることが私を生きさせる。上のお子さんがお花を床に並べている写真が印象的だった。

夜。K不在。私は昨日の昼に食べようと日曜の夜準備したが持って行くのを忘れて、くやしいことに今日も忘れた挽肉と野菜を炒めてご飯にかけた弁当を食べた。サイに食べさせてお腹を壊すと大変だと思い、サイはごはん、納豆、トマト、ハムエッグ、とうもろこし。朝ごはんみたい。夕食後、「おじさんみたい~」と言われ何かと思ったら「Mr. Bean」のことだった。
昼休みに明日の朝食用にお気に入りのパン屋で買った食パンその他を忘れてきたことに気が付いた。まあごはん食べればいいか。


6月28日(水)
朝。パンがなければお菓子を食べればいいじゃないをサイに内緒で実行した後、サイに「パンないんだけどごはんでいい?」と聞いたら「いやだ!」と拒否された。他に何もなかったので、ゼリーとキウイ(昨日の残り半分)を食べさせた。まあ炭水化物一食ぐらい抜いても仕方ないか。
トイレトレーニングが一向にうまくいかない。成功すればアンパンマンのシールがもらえる制度にも飽きてしまい(だいたいコンプリートしたから?)、トイレにすら行ってくれなくなった。「あのー、サイくん、トイレ・・いってみる?」と恐る恐るトイレの話題を出した途端に不機嫌になり、「あとで!」とか反抗期の男子かって感じ。なので最近はおしっこもうんこもオムツ中でしておまけに教えてくれない。前はちゃんと便座でできていたのに逆戻りして泣きそう。夜泣きの次ぐらいにトイトレが辛い。次の手を打たないとと思いつつ、平日朝一人でバタバタしすぎて何もできていない現状。

出社して即、海老蔵ブログ。救われるような思い。
今日はパフェの日らしく、それを知ると俄然パフェが食べたくなった。でも行く人が見つからず、一人でもパフェを食べに行きたくて、大好きなフクナガに行くことにした。退社直前、昔よく飲んでいたけど子どもが生まれてから疎遠になっていた別の階の先輩のことが急に頭によぎり、ダメ元で聞いてみたら「胃もたれだけどいいよ」と言ってくれた。私はこの先輩のこういうところが好きだ。疎遠になった理由は先輩が子どもほしくてできなくてずっと悩んでいて、私は私で子どもの話をするのが悪いなと思っていたらだんだん距離が開いた。社内でたまにすれ違うくらいだったので、久しぶりにゆっくり話した。季節限定のアメリカンチェリーのパフェ(見た目からしてもうやばい、至福の塊)を堪能しつつ、仕事や家庭のお互いの近況を話した。ついサイの話をしてしまって、すみませんと言ったら全然いいよと言ってくれた。食べ終わって駅までの道すがらに突然、先輩が妊娠中であると告げられた。ただただ嬉しかった。ゆで卵野郎の話(まだ根に持ってる)とか他の余計な話をしてしまったから、言い出しにくかったんだろうな。先輩は不安で仕方ないと言っていた。これからちゃんと赤ちゃんが育つか、無事に生まれてくるか、保育園は入れるか、仕事は続けられるか。あんなに妊娠を望んでいた先輩は一瞬寂しそうな表情を見せた。

でも私も一緒だった。とにかく不安だった。不安で不安で、ベタにたまごクラブを買ったり、妊婦はどうあるべきかネットで調べまくったり、マタニティ関連の漫画本を買い漁って読んだりしていた。未知の領域への不安に対して知識でカバーしようとしていた。今考えたらちょっと必死すぎだった。生まれてみれば不安になる暇はほとんどないし子どもの方が強いから大丈夫だった。生まれてからは参考書もほとんど読むことはなかった。「絶対にだいじょうぶですよ」と私は先輩の目を見て言い、駅で別れた。

帰宅するとちょうどKとサイが晩御飯を食べ始めるところで私はパフェを平らげたにも関わらず、Kが買ってきた太巻寿司を大量に食べた。何も言わないKに「いや、パフェ食べたかってん」と弁明すると「前からずっと言ったよね」とだけ言われた。こんなに食べたのは数日ぶりだ。甘い物を先に食べて胃を刺激するのはいいかもしれない。ご飯を飛ばして直接甘い物を身体に入れることで疲れも癒されたし、いいことずくめ。ご飯(作るのは放棄)に間に合えば問題なさそうだし、月に一度くらいこれをやろうと決めた。

文通相手から素敵な小包と手紙が届いていて、食後サイと取り合い(本当に熾烈な争い)になりながら開封した。前にも送ってくれて私が好きだと言った美味しいお菓子と、未来少年コナンのイカしたTシャツが入っていた。「ほら、飛行機だよ~」と言ってもサイの関心はお菓子へ向かっていた。可愛いのにな。目を離した隙にサイが手にしていたビスケットの袋をぶちまけて大惨事。入浴後、就寝。


6月29日(木)
今日は一か月に一度の愉しみの日なので予定より早く目覚めてしまった。サイはいつもの時間くらいに起床。パン、アンパンマンチーズ。さくらんぼはいらないと言われた。キャンディ包みされたチーズをサイはいつもうまく取り出せなくて、ここ数日、フィルムを十分に開かず齧り付いてしまいチーズがフィルムの中に残ったりしてそれに苛立っている様子だった。手伝おうとしても拒否されるので少し勿体ないが手助けせず放っておいて後からこうやって開くんだよとキャンディ包みの外し方を教えていた。すると、今日突然きれいに剥がすことに成功したらしく、丸いチーズを嬉しそうに手にしていた。「みてー!できたよ」とサイは喜んで私に教えてくれた。「ええ、すごい!!すごいね!!できるようになったんだね!」と空前絶後の大道芸を見たぐらいに褒めちぎった。するとにやにやして満更でもないという顔をしていた。できないことは余程問題がない限りは無理に手を貸さず、できるようになった時の喜びをサイと一緒に共有したいと思っている。私が食べているのを見てさくらんぼも結局食べた。

出社して海老蔵ブログ。私はアクセスし続ける。気に入って買った着丈が長い派手なワンピースを着て行ったらK原(上司)に「スー●ーフ●イみたい」と茶化されて、彼女は嫌いではないが、そう言われるとそんな気がして脱ぎ捨てたくなった。
打合せで一人暴走列車な人がいて、周りが何を言っても言い訳のような反対意見を行って激走していた。話し合いはまとまらない。こういう人って自分の発言で他の人がどう思うかとかいちいち胸のうちに手を置いて考えたりしないんだろうな。

夜。Kに頑張ってもらい大森靖子さんのファンクラブイベント。ゲストを交えたトークでは色々と興味深い話が聞けた。最後の「好きなことを仕事にすることについてどう思うか」という質問に対する回答が非常に納得できた。自分のやっている仕事内容が最近あまり好きではないから、「好き」を仕事にしている人はどんな感じなんだろうとずっと考えていた。「苦しいやしんどいも好きの一部だけど、全然やりたくないこともしないといけない」と大森さんはおっしゃっていた。好きなことが仕事だとしても、当然嫌な部分もあるのだなと納得した。どんな仕事でも嫌なところはある。
終電で帰宅。楽しいだけに帰宅後の脱力感がすごい。


6月30日(金)
朝。眠いのに早めに目が覚めた。眠くて二度寝。起床。サイはパンが気に入らなかったのか牛乳に浸して食べていたが、浸し方が悪くテーブルに牛乳が広がっていた。拳を牛乳の入ったコップに入れたり出したりして遊んでいたので注意した。朝はサイの機嫌が悪くなって「ほいくえんいかない」などと言われるともう一貫の終わりなので、もっとちゃんと叱るべきなのに機嫌が悪くなるのを恐れてできていない時がある。そういうのは自分本位なので辞めないとなと思うけどなかなかできない。

サイはお買いものと称してままごとの果物や食べ物が入ったスーパーの袋を両手に持って登園した。この、「登園おこだわり」は1歳くらいからずっとで、アンパンマンの小さいおもちゃだったりぬいぐるみだったり、とにかくサイの中で今日これを持っていなかければ一日が始まらないという物があるらしい。急かして「もうそんなのいいから早くして」なんて言うと怒り狂うので時間がない時も泣きそうになりながら待っている。最近は家を出る少し前に「準備できた?」と声をかけておくようにしている。準備って全部要らないものだけど。園では教室の中に私物を持ち込んではいけないので、教室の前で私が預かる。これが素直に預けない時もあり、先生も困っているしまた大変。

出社。海老蔵ブログ。最近麻央さんのブログを引用されているがそれは何となく開けない。
ずっと眠くて、一日中睡魔と闘っていた。本当に眠い時は眠いと感じることもなく、無意識のうちに眠りに落ちている感じ。恐ろしい。

退社後、サイを迎えに行って廊下の窓から覗くと(いつもすぐ教室に入らないで窓から少し覗き見ている)絵本を読んでいた。窓越しに私の視線に気づく時もあれば気づかない時もあり、今日は絵本に集中していて気づかなかった。(気づいたら手を振って変顔をして応対。)同じように絵本を読む友達と並んで椅子に座って一ページ一ページ機嫌よくめくっていた。先生に言われてようやく気が付いた。絵本を放り出して向かって来ようとしたが、先生に宥められ絵本を棚に戻してからやってきた。いつも洋画に観る離れ離れになった恋人達が久方に再会するかのごとく大げさにサイとハグをする。

週末なので引き出し整理をしに本当の教室(お迎え時間が遅いためサイを迎えにいくのは別の部屋)に行くと、サイと仲の良いAくん(美少年)とお父さんがいてサイの機嫌は更に爆上がった。「Aくん~」と言いながら抱きつき、Aくんも「サイくん~」と言い二人はぎゅーっと抱き合うと勢い余ってよろめき机の角にぶつかって、床にごろごろ転がり、それでもそのまま二人は笑いながら抱き合っていた。私とAくんのお父さん(この方だけ「お疲れ様です」の代わりにいつも「こんばんは」と言われる、いつもスーツでなくラフな私服を着ている)は失笑して無言で見守っていた。テンションMAXのサイとAくんは教室に置いてある備品を触ろうとしたので注意した。全然聞く耳持たず。Aくんのお父さんはAくんに甘いのか叱っているのを見たことがない。へらへらと力なく笑っていた。Aくんはお父さんに無理矢理抱きかかえられ、じたばたしながら教室を出た。サイとAくん、こないだ公園で遊んだIくんが悪がきトリオという感じ。三人寄ると大変だ。

玄関ではYちゃんがサイを待っていた。お母さんに聞くと一緒に帰りたいらしい。テンションがおかしいサイはいくら教えてもYちゃんが待っていることに気づかず、玄関で飛び跳ねながらスリッパを荒らしたり借りて帰る絵本を吟味したりそっちのけだった。せっかく晩御飯でも一緒にと思ったがこれ以上待たせる訳にもいかないので、Yちゃんとお母さんに「待っていただいていたのにすみません」と謝ったら力なく笑っていた。Yちゃんは「あいつ馬鹿なことしてんなぁ」という顔をしていた。しびれを切らしたYちゃん親子は帰ってしまい、他の子も次々帰っていくのにまだサイは玄関で絵本を借りる借りないでぐずっていた。何を言っても帰ろうとしてくれず、意固地になるので放っていたら全員帰ってしまい最後になった。それでもまだ帰ろうとしてくれない。色々な先生が帰り際に声をかけたり手伝ってくれ、何とか保育園を出たものの、庭園でも反抗して砂を触って帰りたくないとぐずり、園を出た頃には私はくたくただった。自転車を走らせると「Yちゃんとごはんたべたかった~」とぽつりと言った。もう遅いよ。大人になってもそんな感じで女性を逃してそうだなと思った。
疲れて近所のファミレスでごはん。帰宅後お風呂、就寝。


7月1日(土)雨時々曇り
朝から雨が降ったりやんだりだったが、パン美人とお出かけ。二人でずっと行きたいと話していたお店があったので本気を出して中目黒まで行った。もしかしたら中目黒はサイが生まれてからは初めてかも。目的地に着くと何とあろうことか、機械の故障で今日は営業停止ですと言われた。がーん。パン美人と落ち込みながら適当に見つけたうどん屋さんでお昼。適当に入ったわりに美味しかった。さすが中目黒と二人で言い合った。それからぶらぶら気になるお店を散策し、途中でベビーカーに乗ったサイは寝て、私はパン美人と色々話しながら歩き続けた。

最終目的地の恵比寿にある私の好きな洋服屋(パン美人が一緒に行きたいと言ってくれていたので)に向かう時、坂道をふぅふぅ登っていたら「藤井四段ばりの前傾姿勢!」と言ってげらげら笑ったあと私を気遣って交代してベビーカーを坂の上まで押してくれた。なんていい人なんだろう。一生この人を大事にしようと思った。洋服屋では生涯のお気に入りとなりそうな美しいワンピースに一目惚れして、そこそこの値段だったが試着したら更に欲しくなり思い切って購入した。いつどこに着ていくのか分からないがとにかく見惚れる美しい服。会計の間、起きてぐずったサイをパン美人は見てくれていた。ありがとう。


駅でパン美人と別れ、私はサイとアトレの屋上庭園に行った。お腹が空いたのでサイとパン美人にもらったパンを食べて、サイは走り回ったり、私がディーン&デルーカで買ったミントソーダを苦いと言いながらけっこう飲んでいた。何と言ったらいいのか、サンフランシスコガールズって感じの薄着で長髪の8歳くらいの少女達が5-6人くらいで遊んでいて、離れたところで娘を放置して喋っている親達もやはりサンフランシスコママって感じだった。その少女達の輪にサイは入りたかったらしく、そろりそろりと近づいたものの、少女達はサイの存在を気に留めることもなくだるまさんが転んだのような遊びをしていた。リーダーっぽい顔をした少女がポケットからハイチュウを取り出して皆に配ったらサイはリーダーを食い入るように見つめて側に寄った。リーダーは一瞥をくれることもなくお構いなしだった。輪に入れなかったことと、お菓子がもらえなかったことで泣きそうになりながらサイが私のところに戻ってきた。無言だったけど気持ちは十分に分かったので、サイの訴える瞳を覗いてただうなずいた。その後もしばらく屋上にいた。寝転がって一緒におじさんみたいな形の雲を見たり、サイが私をiphoneで撮ってくれた。後で見たらまともに写っているのが一枚だけあり、私はサイにいつもこんな顔をしてたのかと初めて知った。気が抜けてとろんとしたような今まで見たことのない顔だった。

屋上から階下に戻ると眼鏡屋さんを見つけたため、今の眼鏡は瀕死だし新しいのを作ろうと急に思い立ち、サイが触ろうとするのであまり吟味できず、とにかく曲がらない眼鏡を選んで検査などしてもらった。できるのを待っている間サイは本屋さんで絵本を読んでいた。眼鏡が出来て本屋を出ようとすると、アンパンマンの本が欲しいと言い、まあいいかと思ってレジに行く途中、突然カラフルな粘土で弁当が作れるキットを見つけ、やっぱりこれがほしいと本をすぐに諦めた。思ったより安かったのでOKした。粘土セットの支払をして袋に入れてもらうと嬉しそうに抱えていた。眼鏡を受け取ったら時間が遅くなったので、そのままアトレで晩御飯を食べた。照明がやや暗いムーディーな店内でサイと横並びの席に通されて笑った。でも実際はサイがお茶をこぼしたり奇声を上げたりして全然落ち着かなかった。帰宅してお風呂、就寝。
粘土をやりたいやりたいと騒いだが明日やろうと宥めるのが大変だった。


7月2日(日)晴れ、暑い

来客の予定だったが一方的に決められて来て欲しくなかったから嘘をついてドタキャンした。

朝起きた瞬間、サイは「ねんどやりたい」と言った。余程やりたかったのだろう。Kはまだ帰ってきていない。木曜の夜に、土曜日仕事終わりで友達と飲むから朝帰りになると言われた時、あり得ないと思ったが、サイが起きるまでに始発で帰ってきたらいいよと許可した。全然守ってくれていない。サイが起きてしばらくしたらKが帰宅。約束と違うことを責めたら「そんな約束してない」とかわされた。いつもこんな感じで約束を守らないので、契約書書かせればよかった。選挙。帰宅後洗濯掃除。サイとKは公園。

二人が昼過ぎに戻った時、大量の洗濯物を干すのに時間がかかりまだ部屋の片付けに取り掛かれないでいると部屋に入るなり「うわ、汚い。何やってたの」とKの機嫌が悪くなった。朝帰りのくせに。お昼は作ったけどその後喧嘩をした。なんでこんな人と結婚したのか悲しくなったので、先が不安だなどと思ったことを口にして、どう思うか意見を求めたら「そんなこと言ってないでとにかく部屋を片付ければ?それで全て解決するよ」と真顔で言ってきたので、人生の選択を誤った気がして悲しくなった。解決するならおまえがやれよ、と思った。

昼寝後、サイと粘土。サイは昨日から意欲を見せていたが、やり始めると始終楽しそうで、ものすごい集中力を発揮していた。おやつも忘れるほどだった。途中まで手伝ってできそうな所をやらせたら満足そうだった。

粘土をやり続けたいサイをなだめてKはサイとスーパーに出かけて私はその間猛烈に部屋を片付けた。帰宅後ごはん。ごはん開始が15分遅れて文句を言われた。持って来てと言われて渡したソースが違うと文句を言われた。堆積していく悲しみ。
二人が寝た後、サイと作った粘土のお弁当をぼーっと眺めながらおねんどお姉さんって可愛いなって考えてたはずなのに、いつの間にか今までの自分の人生について考えていた。

明日は月曜日。