カニ日記

息子の成長と日々の記録

たこ焼き選手権でオリンピックに出たい

8月7日(月)晴れのち曇りのち雨
朝。寝起きでサイはメロンパンナ(彼女?)とうーたんのぬいぐるみに「こわかった?あれおばけじゃないんだよ」と、私のパック姿がお化けではないことについて自分は真実を知っているけど君は知らんだろという得意顔で説明していた。だから私はぬいぐるみを動かして「えぇ~、お化けじゃないの」と言った。今日もデラウェアを剥いてからスプーンで食べていた。出際になかなか腰を上げてくれず、ぐずっていたので抱き上げて玄関に連れて行ったら暴れて機嫌が最悪になった。自転車に乗ってもぎゃーぎゃー泣いていた。この時が一人だと一番大変。

夕方。お迎え。雨が降りそうな空模様だったので「今日は急いで帰るよ、雨降るからね」と廊下をふらふらしていたサイを急かした。あまり伝わっていないようだったので「早く帰らないと雷のお化けが来るよ」と適当なことを言ってとにかく園を出て自転車に乗せた。いつも園庭で走り回っている子どもが今日はいなかった。いつもサイと一緒に悪がきコンビを組んではしゃぐAくんもお父さんに急かされていた。皆さーっと帰った。親達の本気という感じだった。

雨がぱらぱら降ってきたがどうしてもGキャップを買う必要があり薬局に寄る。昨晩、洗面所で小さな黒い虫を数匹見かけた。見たことない虫だったが直観でもしやと思って検索したらやはりGの初期だった。Gに関してはぼろアパート時代に地獄を味わったので専門家だと自覚している。そんなことしか専門家だと胸を張って言えるものがなくて悲しい。Kは髪の毛が落ちているからだと私のせいにした。今まで見なかったので台風の影響な気もする。レジに並んでいたらサイは「なにそれ~?」と興味津々に聞いてきた。他に言いようがなく「悪い虫さんがいるからやっつけるんだよ」と説明した。急いでいるのにグミが欲しいと言われたが列を抜けている時間もなかったので「自分で取っておいで」とサイ一人で行かせた。初めてのことだったからどうかなと思ったら走って行ってすぐ戻って来てその手には仮面ライダーグミ(知りもしないのに「こわいのグミ」と喜んで買いたがる)。欲しいものになると行動力がすごい。家に着くまで「わるいむしさんいたらトリプルパンチでやっつけるからね」と言っていた。トリプルパンチというのはアンパンしょくぱんカレーパンがここぞという時に三人一緒に繰り出す技。

急いで帰ったので汗だくになった。先にどうしてもシャワーを浴びたかったがサイは乗り気でなかった。無理矢理風呂場に連れて行くとサイは機嫌を悪くした。風呂場に入っても何で風呂なんか俺がという感じで「おかあさんきらい」と怒りながらげんこつでがんがん叩いてきた。痛い。振りかざした拳を手に取って「叩いちゃだめだよ、サイくんが叩いてもお母さんは叩かないよ、こうするんだよ」と言いぎゅーっと裸で抱きしめた。が、ふんという顔をされ全然効果なし。「お風呂から出たらグミたべようよ」と言ってもだめ。ぎゃーぎゃー嫌がるからとにかく髪と身体をさっと洗って外に出した。騒ぐから連れて来たぬいぐるみで話しかけてもダメで、苦肉の策で擦りガラスにぬいぐるみをくっつけて風呂場にいるサイから薄っら見えるようにしてふざけると急にげらげら笑って機嫌が直った。子どもはポイントがあると機嫌が一変するがそれを探すのが難しい。「おかあさんすきだよ、グミたべていいよ」と急に言われた。おおう。

約束通りグミをくれたがサイは一番大きいサイズのを急いで自分の口に入れた後、私には一番小さいサイズのをくれた。いつもそうだけど欲があからさま過ぎて笑ってしまう。剥き出しの感情。昔付き合っていた人で、お土産で買ってきたずんだ餅をにこにこと取り出して見せ、一緒に食べるのかと横で待っていたら一心不乱で一人で食べ始め、何事もなかったかのように残りを彼の自宅の冷蔵庫に入れた人がいたことを思い出した。その時の表情が怖すぎて好きだった気持ちが急に冷めた。別にずんだ餅が食べたいわけではなかったけど何というか。

夕食の準備をしているとサイが突然「いたー!」と声をあげた。見るとあの虫が1匹いた。サイは敏感なので小さくても違和感あるものにすぐ気づく。「ありがとうね、またいたら教えてね」というと「わるいむしさんにトリプルパンチするからね、だいじょぶだよ」と急に男らしい顔をした後「いたよ!」と糸くずを拾ったり何もない壁に向かって言っていた。他の虫と区別するために「何でも食べてしまうから悪い虫さんなんだよ」と言うと「グミも?」「うん」「てんとうむしくん(乗り物)も?」「うん」「粘土も?」「うん」と家の中のものを一つ一つ聞いた。1歳の誕生日にあげた車輪がついた犬の人形に「わんわん、たべられちゃったの?こわかったね」と話していた。何だかすごい恐ろしい生き物みたいになってしまったし「これが悪」と教え込むのはどうかと思った。でも実際恐ろしいから。シャワーを浴びていたのでゆったりと就寝準備。大雨が降ってきたが窓が開けっぱなしになっていたので水浸しになった。夜中、Kが帰って来た音で目が覚め、Kが寝室に来たら私は居間に行きアイスを食べて部屋の片づけをしてKが起きて来たらまた寝た。あれ以来虫はいない。


8月8日(火)晴れ
朝。私の真似をして口に入れてデラウェアの皮を取っていた。また出際にバタバタした。今日の登園おこだわりグッズは赤ちゃんの時に遊んでいた馬の人形、うーたんのぬいぐるみ、中身のないパディントンのDVDのケース。そんなに持って大丈夫?と聞いても全部持って行くと言って聞かない。「うまのくちがないね」と自転車に乗りながら聞かれた。玩具懐古主義はまだ続きそう。顔がけっこうタイプの若い男の子と道で3秒ぐらいすれ違った。そういうのは朝から気分が良くなる。でも最近男の子をみるとどうしても母親目線というか親戚の子を見る感じというか「まぁあなたカッコいいわねぇ」という感じで見てしまう。サイはどんな風になるんだろう。

夕方。スーパーに寄ってから帰宅。空が晴れているのに雨が降っていた。れんこんがまだ冷蔵庫にあるので豚肉と翌日分の食料を買う。戻るとサイとKは帰宅していて、サイが小さな花束をくれた。そういえば最近我が家の花はずっと枯れていた。花はいい。もらうのもあげるのも好きだ。れんこんに片栗粉をまぶして焼いた後、醤油砂糖お酢とゴマを絡めたら美味しかった。クックパッド様様。サイが食べやすい味にしたのにれんこん自体が嫌いらしく、全然食べてくれなかった。Kが商店街で買って来た味の濃い焼売ばかり欲しがって悲しい。サイはKとシャワーを浴びていたので一人でゆっくりお風呂に入った。眠気MAXのKが9時頃もう寝たいというのでそれならサイを寝かしつけてと頼んだ。サイが寝室ではしゃぐ声が聞こえてきたがやがて静かになりおお寝たのかなと思ったらサイに呼ばれた。Kが先に寝てしまったらしい。仕方なく私も寝室へ行ったがこれが全然寝てくれない。はしゃいだり泣いたり寝る場所がないと騒いだり何度も水を飲みたいと言ったり結局1時間半くらい寝なかった。Kは横で起きる気配がなかった。疲れた。深夜に起きてラジオを聴きながら洗濯物を干し、昨日も食べたハーゲンのキャラメルなんとか(これ美味しい)を食べてKが起きてきたら寝た。虫はいない。


8月9日(水)晴れのちゲリラ豪雨のち曇り
朝。寝起きで「ちょっとりんごじゅーすのみたいんだけど、もってきてくれる?」と喫茶店で新聞読んでるおっさんみたいな感じで言われた。だんだんと言い方が大人みたいになってきた。朝ごはん。デラウェアとパン。出際、靴下を履かせようとすると「これいやだ」と騒いだ。ちょうどかけていたCDが終わると「おーもりさんのうたがおわっちゃった~!ぎゃー!」と世界の終わりが来たみたいに騒ぎ出した。それから探している玩具がないと騒ぐ。ちょっと待ってくれ。今日も昨日と同じ三種の玩具を携えて登園した。私が教室の入り口で先生と話していると、俺は教室にこういうの持って入ったらダメなことぐらい分かってるからさという感じで持ってきた玩具を保育園バッグに押し込んできた。
夕方。お迎え。教室の窓ガラス越しに覗いてサイを見つめ続けいつこちらに気づくかという遊びをいつもやっている。けっこう不審者。普通のお母さんは「迎えに来ました~」とか言いながら勢いよく教室に入って行くのでそんなことをしている人はいない。今日はサイより早くYちゃんに気付かれた。何か言いたそうにこちらを見ていた。サイは絵本を読んでいて全然気づかず、横に座っていた先生に「あんたのかあちゃんきたで」(そんな関西弁じゃないと思うけど)と言われて私に気付き飛んできた。玄関で担任の先生に会い、「サイくん最近本当にお利口なんですよね、全然ぐずらなくて。他のお友達とも楽しそうにしてて」と言われた。えっと思ったが、先生がサイに「ね、サイくん」と言うと無言でこくりと頷いていた。

玄関を出る際、同じクラスのSくんがアンパンマンのぬいぐるみを持っていて、サイは目ざとく見つけて私に報告してきた。「Sくんあんぱんまんもってる」「そうだね」「サイくんにみせてあげる」「見せてもらいたいの?」「うん」「じゃあSくん見せてって言おうよ」とか話している間にサイみたいに玄関でぐずぐずしないSくんはさっさと帰ってしまい姿が見えなくなった。園庭に出てSくんがいないものだからサイの機嫌は一気に悪くなり「Sくんのあんぱんまんみせてあげたかった」(「~してあげる」「~してもらう」などの言葉を混同しているらしくまだ上手く遣えない)と怒りながら私の服をひっぱったりげんこつでがんがん叩いてきた。帰って行く先生たちが「あらあらどうしたのサイくん~」と宥めてもぷんぷん怒っていた。何とか宥めて自転車に乗せる。日中はお利口って先生言ってたけど、我慢してるから園を出た瞬間感情が溢れだすんだろうなと思った。

グミを買いたいという意見を無視したため、帰りは更に怒っていた。保育園でもらったチラシを自分でぐしゃぐしゃに丸めて、「ぐしゃぐしゃになった~」と泣き叫んでいた。今から電車乗りたいと急に言ったので「電車に乗ってどこ行くの?」と聞くと少し考えた後「あかちゃん(こないだ遊んだ友人の子)にあいにいく」と言った。それからYちゃんとごはんを食べたいと言ったり頭に浮かんだことを何でも言っている感じ。大人も色々某脳が浮かぶがそれを外に表さず内側に留めておくというだけで結局同じような気がする。家に帰ってもサイの機嫌は悪かった。私は汗だくなのでどうしてもシャワーを浴びたかったがサイは一緒に入ろうとしなかったので脱衣所で待たせて私だけ入った。Kが帰宅したら急に「おかあさんとおふろはいりたい」と言ったらしく結局サイも一緒にシャワーを浴びた。夕食は焼きそば。けっこう美味しくできた。サイは全然食べなかったので、朝食用のロールパンにはさんで、「ほら、やきそばパンマンだよ」と言うと喜んで食べ始めた。洗濯物がゲリラ豪雨でびしょびしょになったのでもう一度全部洗濯し直した。昨日頑張って干したのをまた干すかと思うとゲンナリした。しかもまた雨降るって。げげ。Eテレばかり観てあまり天気予報を見ないのでいつもこうなる。今日もサイはなかなか寝付かなかった。虫はいない。


8月10日(木)曇り
朝。寝かしつけてそのまま寝落ちして3時に目覚めた。窓を開けたら涼しい風。これよこれ。エアコンはもう嫌だ。早く秋が来てほしい。友人がくれた手紙に返事を書いた。そうしたら空が白み始め起きたサイの声がした。いつもより大分早かったし私はひと眠りしたいと思ったので「まだ夜だよ」と適当なことを言い二人でまた寝た。次に起きたら家を出る30分前だった。げっ。サイはすやすや寝ている。身支度してサイを起こし簡単な朝食を食べさせている間に化粧。食べ終えたサイは呑気にアルバムの歌詞カードを眺めていた。字は読めないのに「『あいするきもち』どこかな~」と自分の好きな歌(サイは勝手にタイトルをつける)を探していた。「これだれがかいたの?」と聞くから「大森さんだよ」と言うと納得していた。あらゆる物について誰が作ったか聞くのが今ブームらしく、自転車のヘルメットとか玩具とか何でも聞かれる。よく分からない時は適当に「おじさんだよ」と答える。どこのおっさんや。世の事象や物の起源について関心を持つことはいいことだ。私も小さい頃同じように「これはどこからきたの?」と親に尋ねていた。

今日で連休前最後の勤務。なぜか仲が良い荷物を仕分ける親より年上のおじさんに悪気なく「会社でワンピース着てる人珍しいよね」と言われる。遊びに行くような柄でやる気のない感じだったからかもしれない。寝坊した時や週末は大体このワンピース。週末が近い程どんどん服装が仕事らしくなくなる傾向がある気がする。午前中に仕事を片付けて午後は健康診断。思ったほどは痩せていなかった。最近ビールの飲み過ぎかもしれない。健康診断の前にデパートに寄ったら可愛いビニールポーチに入った鳩サブレーが売っていて陳列していたお姉さんに「鳩の日(8/10)限定なんです」と言われる。豊島屋好きだし、そういうのに弱いからつい買ってしまった。

 夕方お迎え。サイは今日もぐずり続け、みんなが帰って行く中全然帰ろうとしてくれなかった。私が先に帰るよと言い玄関から出たふりをしたら余計怒って俺は動かんぞという態度。Yちゃんはご両親の地元の地名を泣きながら連呼していた。Yちゃんのお母さんにどうしたんですかと聞くと明日から帰省するらしく今すぐ行きたいと泣き喚いているとのこと。あるよね、あるよねと思った。子どもには明日にならないと無理とか帰省先が遠いとかそんなことは関係ない。条件とか状況を超えたところに欲や夢がある。成長して大人になるにつれ、やがてそれが簡単には叶わなかったり折り合いをつけなければいけないことを学習していく。良くも悪くも。

 ミートボール、納豆、トマトという超手抜晩ごはん。言い訳だがなかなか帰ってくれないと時間が遅くなるし家に着いた時点で疲れ果てている。明日から休みだしお湯をためて入浴、就寝。

 

8月11日(金)雨時々曇り

朝。洗濯など。昼ごはん、ウィンナーとオクラの卵焼き、トマト、ごはん。またしても手抜き。サイはオクラだけ器用に取り除いていた。離乳食時代は好き嫌いなく食べていたのに最近緑の野菜や歯応えのある野菜を残すようになってきた。でも保育園の保健師さんが懇談の時に「私は小さい頃は卵焼きしか食べなかったのにこうやって大人になりましたから別に好き嫌いあって大丈夫です」と言っていたのが忘れられなくて、無理なものは強制的に食べさせなくてもいいかなと思っている。まあ野菜は食べた方がいいけど。保健師さん、いつ会っても不機嫌で愛想が悪いからあんまり好きじゃなかったけど食べ物に関してもやさぐれてる感じでこれ聞いた時はもはや可愛いとさえ思った。え?卵焼き…可愛い…って思った記憶。

昼食後サイとスーパー、公園。動物の置物に一つずつ話しかけていた。帰って昼寝。なかなか寝てくれない。いつの間にか私も一緒に寝てしまい起きたら夕方だった。慌てて夕食作り。トマト缶があったのでハヤシライスみたいなものとタコと胡瓜のマリネを作った。サイ起床。帰宅したKと交代してもらい友達に会う。煩い場所も好きだが静かな場所も好きだ。連休初日ということで駅にいる人達は皆嬉しそうに見えた。休みじゃない人ももちろんいるだろうが仕事がないって単純にいいことだ。仕事しないで好きなことだけして生きていけたらいいがそうしたら収入がないと好きなことはできない。 

明日は我が家初めてのお客さんが来るので部屋を片付けたいと思ったが帰ったらやる気がなくなったので明日早起きしてやろうと決めて寝た。掃除は明るい時間に窓を開け放ってやりたい。気持ち的にも空気的にもその方がいい、気がする。

 

8月12日(土)晴れ
明け方に早起きするつもりが起きたら普通に朝だった。朝ごはんを食べて掃除。大好きなSちゃんがやって来る。家族を除けば初めてのお客さん。別に順番なんてないが初めてのお客さんはSちゃんがいいと決めていた。サイは生まれてから何度もSちゃんに会っている。サイも大好きだけど間隔が空くと忘れてしまうようで「今日Sちゃん来るよ」と言うと「うん」と嬉しそうにしていたがちゃんと分かっていない感じもした。掃除機をかけているとサイが邪魔をしてきた。途中から私の真似をしてサイも玩具をめちゃくちゃに引き出しにしまったりしていた。え、そこに入れるのと思ったけど構ってられないので放って置く。
Sちゃんが駅まで来たのでサイと自転車で迎えに行った。駅から少し歩いて私が気に入っているカフェでサンドイッチやキッシュをテイクアウトした。本当はSちゃんが来るまでに買っておきたかったが時間切れでSちゃんに暑い中歩かせてしまった。サイは最初Sちゃんに話かけられて反抗期の中学生みたいに無愛想な態度を取っていた。2歳のくせに大人みたいで笑ってしまう。しかしSちゃんがにこやかに話しかけてくれたので次第に打ち解けていった。サイは可愛くて自分を構ってくれる女の人が大好き。将来面倒臭い男になりそうだ。
家に着き、Sちゃんが買って来てくれたカツサンドやカフェで買ったのをお皿に並べて三人で食べた。サイは私が準備している間にほとんどのカツサンドを勢いよく食べてしまった。とんでもない男だ。食べ終えて、みんなで村山知義「三びきのこぐまさん」のDVDを観た。サイは玩具を散かしながら遊んだ(みるみる汚くなる部屋)。それから三人で昼寝した。サイが興奮してなかなか寝付かなかったので私とSちゃんは長い間寝たふりをした。サイが寝たらSちゃんとゆっくり話をした。静かで穏やかな午後だった。Sちゃんは初めて会った時から好きなものとか信念がはっきりしていて、時代とか世の中に溢れる何かに流されたりしてなくて、でもそれを強くは表さず、いつ何を聞いても素敵だなぁと憧れる。こんな私と付き合ってくれてありがとうといつも思っている。ケーキを食べようとしたらサイが起きてきた。いいタイミング。だから三人でアイスを添えたケーキを食べた。ケーキに横にあるアイスが好きであるととんでもなく嬉しい。と言いいつ普段はバタバタしてそんな優雅なことはできないからせめてお客さんが来た時くらいはと思う。

三人で公園に行きサイを少し遊ばせた後Sちゃんを駅まで見送りに行った。Sちゃんと別れた後サイは公衆電話を見つけて「でんわしたい」と騒ぐので体験料と思って100円入れてKの携帯番号をダイヤルした。サイは電話に出たKと何か話していたが忙しいからと途中でKが切ってしまったようで音が聴こえなくなり悲しそうにしていた。受話器を耳に充てて電話するという行為は私には当たり前だけどよく考えたらサイには初めてのことだった。
Kが帰宅して夕食。昨日作ったハヤシライスもどきに牛乳を足したら衝撃的に美味しくなった。私は温泉卵ものせた。入浴後、就寝。


8月13日(日)晴れ
朝から上野動物園。久しぶりに家族が揃う日だったのでサイの好きなところへ出かけようと決めていた。色々考えたが本人に何がいいか聞いたら「ぞうさんときりんさんがみたい」とリクエストがあったので動物園になった。私は「深海展」が観たかったのだけど。キリンがいるエリアが近い不忍池の方から入ったら巨大な蓮が生い茂っていて異様で不思議な光景だった。春にチャランポのライブで来た時はこんな風になってなかったので驚いた。遠くまでひたすら蓮が咲いていて天国ってこんな感じかもしれないと思った。サイも「おおきなはっぱ~」と不思議そうにしていた。不忍池側の動物園は改装されていて綺麗になっていた。道も広くて歩き易かった。ガラス越しにうさぎやネズミなどの小動物が観られるこども向けの部屋も新たにできていた。そこは冷房が利いていたのでできることならずっとそこにいたかった。部屋を出て歩いているとだんだん暑くなってきた。じっとりと体中から汗が出てきて動物とかもうどうでもよくなり頭の中はビールでいっぱいになった。タイミングよく売店がありビールの写真が見えたので反射的に「ビールのみたい」とKに提案した。生ビールとから揚げやポテトを注文し、蓮の生い茂る池沿いに設けられたテラスに座ってお昼には早すぎる食事をした。私は外席がとにかく好きで、それが水辺の近くだと尚更好きで、そこでビールが飲めるなら最高だ。ということでこのテラスは自分の中で最高の場所として認定された次第。600円の入園料を払ってでもここへビールを飲みに来たいと思った。

ほろ酔いで動物を見て回る。キリン、今日はいた。前回行った時は部屋に入っていたのか見られなかった。私はキリンが一番好きだ。いつだったか友達にキリンに似てるねと言われたのが嬉しかった。幼稚園の頃通っていた絵画教室の遠足で初めて外での写生をしに動物園に行った時もキリンを描いた。描き終えてこの絵の題名は何かと聞かれた時、題名の意味が全然分からなくてキリンを描いたのだからそれ以外ないだろうと「きりん」と答えたのを今でも覚えている。サイは目を見開いて大きなキリンを興味深けに眺めていた。図鑑や絵本とは違うその大きな体に驚いていたようだった。その後、鳥やサイ、カバを見て回り、暗い夜行生物館に行った。夜行生物館も好きだ。夜型の巨大な野生ネコが可愛かった。暗闇からサイの方を見ていてサイは怖がっていた。モノレールに乗り(サイが乗りたがった)、本園に移動し象を見たらサイは眠ったので動物園を出た。

上野公園のスタバで休憩した。何かの催しをやっていて食べ物の露店がたくさん出ていて騒々しい感じだった。近くで若い女の子が歌っているような声がした。Kはアイドルに全く興味がないので嫌そうにしていた。私はむしろ気になったのでKを置いて音の鳴る方へ行ってみた。舞台には着物のような衣装を着た若い女の子が5,6人伴奏に合わせて踊りながら歌っていた。見たことないグループだった。ファンと思わしき同じタオルを首から下げたおじさんが前の方にいた。こんなに暑い中けっして涼しそうではない衣装を着て笑顔で全力で踊って歌っているなんて、と思うと感動して曲が終わるごとに拍手した。何曲か歌い終えた後、告知などして女の子達は去って行った。物販が何とかと言っていたのでCD買おうかなと舞台の裏にまわってふらついていたら人だかりがあり、さっきの女の子達もいて、それぞれがオタクとチェキを撮ったり親しげに話していたので入れる雰囲気じゃなかった。なので退散した。

暑さにやられたので家に帰りたかったがKがホットプレートとたこ焼き器がどうしても今日中に欲しいと騒いだため電器屋さんへ行った。私のiPhone画面が割れてひどい状況だったのですぐ済むならと機種変更した。予想に反し、混んでいたのと通信状況が悪く結局2時間くらいかかった。そうするうちにサイが昼寝から起き、Kは待ちきれなくてイライラした。「ホットプレート買いたいのに」とむすっとしていた。Kはなぜホットプレートなんか欲しいのだろうか。一体何を焼きたいのか聞いてもはっきりしない。ネットで買う方が安いよと真新しいiPhoneで検索し画面を見せたら納得したようだったがイライラしていた。あー、機種変更しなきゃよかったなと思った。
遅くなったので晩御飯を食べてから帰宅。ホットプレートなんてお好み焼きくらいしか思う浮かばないけどお好み屋焼きは半年に一度くらいしか食べない。たこ焼きの腕には自信がある。自分がなかなか上手いということに気付いたのは東京に来てからだ。