カニ日記

息子の成長と日々の記録

最終楽章と名付けらた服

9月4日(月)
朝、二度寝して寝坊。二度寝した時、土屋太鳳とカロリーメイトを食べる夢を見た。超特急で準備して出発。
夕方、お迎え。うーぱーちゃんが今日は活発に動いていた。Sくんのお父さんに「本物ですかこれは」と聞かれる。「本物ですよ」と言うと「へぇー」と驚いていた。だんだん成長して大きくなっていくうーぱーちゃん。最後はどうなるのだろう。

夕食は昨日のカレー。サイはやはりあまり食べなかった。夕食後、入浴、就寝。

深夜1時。サイは最近、夜眠ると滅多に起きないのに、夜中に起きてわんわん泣いた。触ると体中が熱かった。それで熱があると勘付く。測ると39度。泣き続けるサイ。夜間診療に行こうと言ったらKは眠いのか「えー」と行く気がなさそうだった。「じゃあ一人で連れて行くから寝てていいよ」と言うと「あ、そう?」と言った。あ、そう?じゃないやろと思った。私がサイを抱いている間も、氷を持って来るなり何かすればいいのに横で何もせずぼーっとしていた。あぁ気が利かない。薬があるから取って来て欲しいと言ってもどこにあるか分からないと言ってすぐ戻って来た。サイをみてもらって私が探しに行く。すぐに解熱剤が見つかったので夜間診療のお世話にならずに済んだ。ジュースに混ぜて飲ませようとするも嫌がって飲まない。どうしようかなと思っていたらだんだん泣き止んですぅーっと目を閉じて眠ったので朝まで様子を見ることにした。額は熱い。


9月5日(火)曇り
朝、サイはいつもの時間になっても起きなかった。額に手を当ててみると熱い。それであー、今日はもう保育園無理だなと思って起こさなかった。8時頃サイが目覚める。熱を測ると38度超えていた。会社と保育園に連絡。食欲がないらしく、焼きおにぎり作ろうかと聞くと食べたいと言うので作った。できたのを食べてみると美味かった。でもサイは一瞥しただけで食べなかった。
開院時間に合わせて自転車を走らせて小児科。熱があるのに今日もビニールバッグに玩具を大量に詰めて持って行った。小児科に着くと待っている人は少なかった。サイは熱が下がったのか、大きな声で小児科に貼ってあるアンパンマンや何かのキャラクターについてコメントした。この小児科は古く、先生も若くはないが私はここが好きだ。受付や病室に手作り風のアンパンマンドラえもんの紙が貼ってあって妙に落ち着く。先生は穏やかでサイにもとても優しい。ゆっくりと時間をかけて診察してくれる。「じっとしてお利口だねぇ」と褒めてくれた。サイが保育園児だと知っているので、診察の終わり際、「会社、休まなきゃいけないですねぇ」と困ったような顔で気遣ってくれて泣きそうになる。

病院を出て薬局に寄り薬をもらう。サイに自分で粉からグミを作れるという「ねるねるねるね」みたいなお菓子をねだられて仕方なく買う。熱のある時はどうしても甘くなる。帰宅して果物とおにぎりを食べさせようとすると、そのグミ製作キットをやりたいと駄々をこねる。熱の時に怒るのも嫌だしどうでもいいかと思って一緒にやる。付属の粉を水に溶かすと赤青黄の毒々しい色水ができた。それを謎の粉に入れるとグミができるという代物だった。できたグミは粉っぽくてまずかったが懐かしい味がした。小さい頃ねるねるねるねが大好きだった。サイは満足そうだった。粉が無くなった後もスポイトで色水を垂らして遊んでいた。サイはその後、食パンとトマトを少しだけ食べた。

昼寝。居間で寝たいというので床に布団を敷いて私は隣のソファで横になった。サイが眠ったら自分は起きるはずが一緒に眠ってしまった。結局サイと一緒に起きた。起きたら昼食の皿が食べたまま食卓に残っていてうんざりした。
夜、K帰宅。夕食が作れなかったのでお弁当を買ってきてもらう。気が利かないKは自分が食べたい物ばかり買って来た。私はさすがに飲まなかったが呑気なKはビールを飲んでいた。サイにはにゅう麺を作ったがあまり食べなかった。余った分をKが食べたいというのでお椀に入れたがサイを見ているうちに冷めてしまい、「もう一度温め直して」とうるさかった。子どもが熱の時ぐらい自分のことは自分でやってくれ、冷めた(と言っても全然冷めてなかった)麺でも我慢してくれと思ったが結局温め直した。サイはまた熱が上がってきた。サイをお風呂に入れろ、熱があってお風呂に入ったらダメなんか迷信だとKは口煩かった。無視してサイと眠った。


9月6日(水)雨時々曇り
朝。サイが寝ている間に熱を測ると38.5度。それで今日も会社を諦めた。起こさなかったら9時前まで寝ていた。どんな夢を見ているのか、時々にーっと笑いながら寝ていた。キウイとヨーグルト。乳製品はあまり食べさせない方がいいが食べたがったので仕方なく。39度。座薬を入れようとするも嫌がって失敗。小児科。今日は昨日より待っている人がいた。サイはアンパンマンの本を大人しく読んでいた。生まれたての赤ちゃんを連れて来ているお母さんがいて、サイがこんなに小さかったのはいつだったっけなぁと思う。「座薬は暴れて入れられませんでした」と言うと、先生は「大人しそうだけど意思の強い子なんだねぇ」とにこにこ言った。熱を測ると37度代。子どもの熱は本当に変わり易い。結局座薬は入れてもらわなかった。「熱のある時にお風呂に入れていいものですか?」と聞くと「辞めた方がいいわねぇ」と言われてKに勝った気になる。

薬局に寄って帰宅。二人でうどんを食べた後、昼寝。今日は途中で起きて、サイが寝ている間に一息つく。7月に買った絵をようやく額に入れて壁に飾ったり、珈琲を飲みながら漫画を読んだ。そうしているうちにサイは起きた。テレビでアンパンマンショーの動画を観た後、ぬいぐるみ達をテーブルに見立てた箱の周りに並べて、人数分のお茶と小皿を用意させられた。げ、洗い物が増えると思ったが仕方なく少量のお茶を入れて渡す。グラスに少量入った麦茶はウィスキーみたいだった。それからサイは甲斐甲斐しく皆(ぬいぐるみ)にグミを配って宴みたいな感じになっていた。もちろんぬいぐるみを動かすのは私だけど。兄弟がいたらこうはならないんだろうなと思う。

いつもより早めに夕食。白いご飯がいいと言うので、ウィンナー、小松菜煮びたし、人参、トマト。野菜はほとんど食べなかった。サイから異臭が漂い始めていたのでさっと下半身だけ洗って私もサイが遊んでいる間に急いでシャワーを浴びた。我が子なら臭くても私は全然構わないけどKがいたら発狂していたと思う。Kは出張でよかった。インスタをアップデートしたら新たに増えていた動物の耳や飾りがついた写真が撮れるSNOWみたいな(ってSNOWをよく知らないが)機能で二人でしばらく遊んだ。美肌になったり黒目に星が入ったりよくできているのだなぁと時代遅れの老人みたいに関心した。サイも「次は何になろうかな~」とノリノリだった。まだ少し熱かったがぐったりはしていなかったので熱冷ましは使わなかった。就寝。


9月7日(木)曇り
朝。サイの額に手を当てると平熱まで下がっていた。ほっ。やっと会社に行けるから喜ぶべきなのに着替えて電車に乗ることを考えると憂鬱にもなった。サイはあまり食欲がなくキウイだけ食べた。サイが欲しいと言って買ったスティックパンは一口齧っただけ。今日も大量の玩具をビニールバッグに詰めていた。「おもい~」と言いながらずっしり入った荷物を運んでいた。私は久々に、適当だが弁当を作った。涼しくなるとずぼらな私でも弁当を作る気になる。コンビニで買うと余計なお菓子まで買っちゃって500円なんてすぐ超えてしまう。それが毎日だと以外とお金がすぐなくなっていく。節約しないとなと思う。
夕方。しばらくスーパーに行けていないので食材がなく晩御飯どうしようかなと思っていたらKがチェーン店のお寿司と焼き鳥を買ってきた。また焼き鳥…。サイはたまごのお寿司と納豆巻きを少し食べた後は手が止まっていた。汁ものがあった方がいいと思って作ったそう麺汁には少しだけ手をつけた。


9月8日(金)晴れ
朝。もう熱はなさそう。今日は弁当を作らなかった。わたしは3日坊主どころか1日坊主なところがある。
夕方。今日は会社のサマーパーティー(と言ってもガレージで開催されるささやかなもの)があるのでお迎えを代わってもらって参加しようとしていたところ、始まる直前にお迎えに行ったKから「サイが38度の熱がある」と連絡がきた。なのでパーティーには参加せず帰宅した。サイは元気そうだった。元気だから参加してきていいよと言われたが子どもが熱を出しているのに飲んでいる訳にはいかない。それから熱は上がらずお風呂も入れて就寝。何はともあれ、健康でいるのが一番いい。


9月9日(土)晴れ
サイは病み上がりなのでどこにも行かず家と周辺で過ごした。朝、洗濯など家事を済ませたらお昼の時間になったのでサイとお気に入りのパン屋でそれぞれ食べたいパンを買い、公園でシートを広げて食べた。木の根元にシートを広げたら蟻の巣の近くだったらしく、たくさんの蟻がシートに上がってきて何だか落ち着かなかった。サイはウインナーパンの周りのパンを剥がしてウインナーだけ満足そうに食べていた。周りのパンはいらないのかなと思って私がむしゃむしゃ食べていたら「サイくんたべるの!」と言われた。蟻が多かったので食べたらすぐにシートを畳んで公園で遊んだ。売店のゴムボールを欲しがったがここで買うのもなぁと思って渋っていたらサイは欲しい欲しいと言ってその場を離れない。物欲しそうに見ていたサイに売店のおじさんが、「これあげるよ、どうせ捨てるから」と空気の抜けかけたボールをくれた。申し訳ないような恥ずかしいような。サイは喜んでありがとうと言って受け取り、その後しばらく放り投げて追いかけたり、私と投げ合ってボールで遊んだ。それからかき氷を食べている子ども達を見てサイは「かきごおりたべたい」と言った。普段ならダメだと言うが、暑かった上におじさんにボール貰ったから、まぁいいかと思って売店に向かった。何のかき氷がいいの?と聞くと「いちご」と言った。「自分で頼んでごらん」と言うと小さな声で「いちごのかきごおりください」と言った。かき氷は飛ぶように売れていておじさんは忙しそうだったため、サイの声はかき消された。お客さんが引いて落ち着いてようやくおじさんがこちらを振り返ってくれてサイはもう一度声に出した。無事に発注は通ったらしい。サイは鮮やかなピンク色のシロップがかかったかき氷が差し出されると愛おしそうにそうーと両手で抱えた。テーブルが空いていたのでサイと並んで食べた。隣のおばさんはスナック菓子を食べていた。サイはとにかく嬉しそうだった。夏の終わりに思い出らしいことができてよかった。
かき氷の入っていた容器とスプーンを持ち帰りたいと言ったので持って帰って洗った。サイはそれに粘土を詰めてかき氷屋さんになりきっていた。その後昼寝。昼寝後、サイがDVDなど見ている間に夕食準備。K帰宅。夕食後、入浴、就寝。


9月10日(日)晴れ
ずっと鬱々としていたので、好きな洋服でも見に行こうと思って午前休みのKにサイと留守番してもらい電車に乗って出かけた。出かけるまで億劫になりなかなか家を出れなかった。街に出ると人々がたくさん買い物した袋を持って歩いていて積極的な消費活動という感じでいいなぁと思った。一番欲しかった洋服を試着した。刺繍の一つ一つが絵画のようで透けるチュールが美しかった。でも高すぎたため断念した。試着して触れられただけで満足だ。代わりに同じブランドの別の服を買った。面白い柄だなと思ったら、これは「コーダ」と言うんです、と店のお姉さんが教えてくれた。後で調べたら音楽用語だった。派手じゃないけどすごく好きな感じで身体に合っていた。長く着られそうだと思った。店を出ると予定していた時間を少し過ぎそうだったので連絡して帰路に就く。

帰宅したら時間を過ぎたことでKは怒っていた。サイはまだ昼寝をしていなかった。サイがなかなか寝ないとKは苛立っていた。「もう寝ないよ。夜寝なくなるから今から寝かせない方がいい」と怒っていた。私が一緒に添い寝したらサイは眠かったのかすぐに眠った。寝かしつけの時に寝ないからって子どもにイライラしたところを見せるのは一番ダメだ。根気が必要なのだ。Kはキレながら仕事に向かった。夕方までサイは寝ていた。夜、K帰宅。夕食後、入浴、就寝。サイはいつも通りちゃんと眠った。


好きな服の刺繍に触れたり街を歩いて夢のような時間を過ごしても、帰った途端それらはガラガラと崩れ去り色褪せる。もっと自由に、自由というのは身体的というより精神的に、もっと伸びやかに毎日を過ごしたい。怯えるように毎日を生きるのはもう嫌だ。