カニ日記

日記のような記録

いつかサンプラザいこうね

1月15日(月)快晴
ここのところずっと晴れていて嬉しい。目が覚めてから1時間くらい布団から出られなくて、ああもう今起きなくては遅刻する、いっそ休んでしまおうかと思ったらサイが目を開けた。そして私を見てにーっと笑った。よし会社に行くぞと思った。サイのおかげで毎日出社できている。サイは私が朝ごはんを食べる前に着替えると怒る。自分はパジャマのまま食べるから同じタイミングで着替えようよということなのか、もっと家モードでいてよということなのか理由は分からないけれど。イングリッシュマフィンにサイの好きなハムをぺろっと載せたら喜んでいた。案の定ハムだけ先に食べていた。食後、かばんがないと騒いでいた。部屋の隅に落ちていたぼろぼろになったアンパンマンの手提げを渡すと中に色々詰めていた。保育園バッグはこれとは別なのでサイの「かばん」には要は園生活に必要のないものが入っている。玩具だったり紙屑だったりペンだったり使わないけどサイがその日持って登園したいと思う物。他の子はどうか知らないがサイは1歳になる前からこのスタイル。

夜。ささみのチーズはさみ焼き、オクラとトマトとハムのペンネ、ごはん(炭水化物被り)。入浴。サイとお風呂で手品を見せ合ってゲラゲラ笑った。手品といっても耐水シートに相手が見てないうちに人形を入れてシート丸めて広げてあれぇ人形が出てきました不思議ですね、という遊び。最初私が手品風に人形を出したら大喜びでサイも真似をした。人形を入れる時隠しきれてなくて大バレなのが可愛い。サイは寝る前にデュプロで車輪付きの家を拵えていてすごいなぁと思った。朝せっせと何か詰めていた手提げバッグを開けるとままごとの野菜がいっぱい入っていた。就寝。


1月16日(火)快晴 春のように暖かい(と会社の人が言っていた)
朝。みかん、クリームパン。昨日の夕食の残りをお弁当に詰めて蓋をしようとしたらサイが「みせてみせて」と言うから見せたら「サイくんもままのおしごといきたい、そのおべんとうたべたいよ」と言われたので困った。「ママのお仕事に来ても面白くないよ、こわーいおじさんいるよ」と言っても「いきたいいきたい」と繰り返すから「ママのお仕事でサイくんは何するの?」と聞くと「みんなにおはなしするよ」と自信満々に言っていた。サイが会社の偉い人のデスクをまわって色んな話をする姿をつい想像した。保育園に向かう途中で「きょうおべんとうつくってね」「え、晩御飯お弁当がいいの?」「うん」「おにぎりはまるいの3こね」「う、うん」という会話をしたため夜は弁当を作ることになった。

お迎え、のち薬局に寄って買い物。家にあるのと同じアンパンマンのラムネをついている絵が違うという理由だけで欲しがったので制止した。不服そうだったので、そのマイクにすれば?と提案したら嬉しそうに赤いマイクを選ぶ。先端に紐のついたカラフルなマイクは私の幼少期からあった。何十年もあるということになる。これほどの消費社会でずっと生き残っているなんて需要があるということか製造元の会社が資金潤沢なのか。すごいな。薬局を出たらサイはマイクのスイッチを探していたが「そんなものないよ」というとそのまま赤いマイクを口に当て「ありの~ままの~きてぃちゃんが~」と謎の歌を熱唱しながら帰った。おそらくこの歌はピューロランドのパレードで聴いた歌を再現している。アナ雪ではない。

約束通り夕食は弁当箱で食べた。サイは嬉しそうだった。マイメロの弁当箱にラップに包んだおにぎりを入れると「あんぱんまんとかれーぱんまんかいてね」とマジックを持って来たのでそうした。「ままはおおもりさんかいたらいいよ」と指示されたので大森さんとナナちゃんを描いた。意見する3歳児と従うおばさんの図。アルフォートもお弁当に入れろと言われたがこれは食後に食べようと提案した。好きなおかずだけ一気に食べ(卵焼きに至ってはいつ食べたか見えないほど早かった)、アルフォートに取り掛かろうとしていたのでオクラ食べなきゃおやつはダメだよ、と言うと嗚咽しながらオクラの薄切りを2つ食べたので合格とした。
入浴後、就寝。寝る前にまたデュプロで力作を拵えていた。同じ側に積み上げすぎて倒れるので「バランスが大事だよ」と言うと難しい顔をしていた。


1月17日(水)雨
朝。空はどんよりしている。サイが起きる前にチップスターを一気食いした。サイはみかんとチョコクロワッサン。
夜。サイはひらがなをついに覚えたらしく、何となくお風呂に貼ってあるが見たこともないと思っていた幼児雑誌の付録のアンパンマンひらがなポスターをみて、画数の少ない「く」や「し」を得意気に発音しながら指さしていた。「くりーむぱんだちゃんのく!」「しょくぱんまんのし!」などとキャラクターで覚えているらしい。サイの名前も教えてあげると嬉しそうにゆび指しながら発音していた。記憶力が凄まじい。なぜか「サイくん、えいごわかるんだからね!」と平仮名を英語だと思い込んでいるのが可笑しかった。英語なんてどこで知ったのだろうか。よく考えれば前に保育園に行った時、他の子に「○○ちゃんのくつしたにはえいごがかいてあるんだよ」と英字がプリントされた靴下を見せられたことがある。「(よく分からないけどなんか難しくてカッコいい文字の)英語を知っている」が3歳児の間でステータスなのかもしれない。文字だけ見て分かるらしいひらがなは「し、く、ち、こ、あ」と名前の文字。人間ってこうやって言語を覚えていくのだなぁとしみじみした。入浴後、就寝。

1月18日(木)晴れ
体調不良。夕食は鶏挽肉の親子丼。入浴後、就寝。サイと寝る前に枕を頭の後ろに当てて毛布にくるまりながら絵本を読むのが最近のお気に入り。

1月19日(金)晴れ
体調不良。夕食はカジキの醤油バター焼、ブロッコリーとチーズのオムレツ。飲酒と迷惑行為について考える。入浴後、就寝。

1月20日(土)曇りのち晴れ
朝。洗濯、掃除。サイの予防接種。なんと四種混合の追加を忘れていたので次に受ける日本脳炎の前に慌てて接種。少しでも怖い気持ちを減らすためにサイと私が「やさしい先生の病院」と呼んでいる小児科に行く。呼び名の通りその小児科の女の先生はとても優しい。けっこうお歳を召されているが子どもと向き合うようにやさしく話しかけながら診てくれるので、今まで嫌な思いをしたことがない。出発が遅くなり診察終了時間ぎりぎりになったが特別に注射を打ってくれた。そういうところも優しい。注射の際、サイは「いたい~」と歯を食いしばって目から涙を流していたが声をあげてわんわん泣くことはなかった。偉い。偉かったね痛かったね、と抱き締めた。注射後30分程は帰らないで別室で大人しくしておくように言われたためそうする。その部屋がまた好きで好きで。小さい頃遊びに行った大叔母のお家、みたいな感じ。そんな人はいないけれど。籐籠でできたソファがあり、子どもが安心するようにキャラクターの人形やぬいぐるみが置いてある静かで明るい部屋。最期はこういう部屋で死にたい。

小児科を出るとけっこういい時間になっていたので、帰り道にある入ったことのない蕎麦屋に寄る。店の前のショーケースの食品サンプルの海老天や蕎麦がどれも埃をかぶって黒ずんでいた。入店すると窓際でおじさんが一人鍋焼きうどんを食べながら缶チューハイをグラスに注いでいた。あとは家族連れとおばあさん。客はそれだけだった。サイが天丼を食べたいというので天丼蕎麦セットを頼み、私はセットの蕎麦とサイの食べない天ぷらと残ったご飯を食べた。サイは天丼を夢中で食べていた。蕎麦の汁が真っ黒で今まで食べた中で一番塩辛かった。東京にいる!という実感がした。おじさんはチューハイを二缶空けると会計して店を出た。おばあさんと家族連れも出た。代わるように欧米系と思わしき外国人の男性が一人入店した。席に着きたそうに立っていたが店の人は現れない。イラつくこともなくじっと待つ男性。ほどなくして洗い物をしていた店のおじさんが奥から出てきて私も安心した。ゆび指しで南蛮蕎麦を注文していた。男性がこの真っ黒な蕎麦汁をどう思うか個人的に気になったが南蛮蕎麦が来る前に私達は食べ終わったので会計をして店を出た。会計する時、店のおじさんはやっぱり姿が見当たらなかった。静かな昼下がりだった。

帰宅してサイを昼寝させる。今日は大森靖子さんのライブ。十五箇所で行われたMUTEKIツアーのファイナル。サイが寝てから大慌てでナナちゃんの形の団扇を作る。今回、席が前方の良席で大森さんの視界に入るであろう場所だったから何かしたいと思っていた。団扇は前々から作りたいと思っていたアイテムの一つだった。その方面に詳しくないが、昭和のアイドルみたいなフォントでいかにもなやつを作りたかった。100均で材料を揃えたのはいいが体調が悪かったりして作り出せなかった。昔から何をするにもいつもぎりぎりだなぁと思いながらピンク色の絵の具でレタリング(PCを起動させるのが面倒でフリーハンドでやった)した文字を塗った。未完成のうちにサイが起きてしまい、あとは身支度に時間を当てて電車に乗りながら細部を仕上げた。出る前、サイに最初は「おしごとだよ」と言ったが嘘をつくのもなぁと思い「じつはね、お仕事じゃないの。大森さんの歌を聴きに行くんだ。」と言うと「サイくんもおーもりさん行きたい!」と騒いだ。「ごめんね、今日は連れて行けないんだよ」と何とか宥めて出発した。いつか一緒にホールのライブ行こうね。約束するよ。ここからはライブの感想として別途記述したい。

1月21日(日)快晴
ライブの余韻で一日中ぼんやりしていた。とはいえ洗濯もするしサイと遊ぶし余韻に浸ってばかりもいられなかった。できれば私が画家で一等好きなルノワールの絵画みたいに昨日の光景を頭に浮かべて恍惚としていたかった。サイがお昼にまたお弁当を食べたいと言ったため、お弁当を作って、床にテーブルクロスを敷いてその上にぬいぐるみ達を並べてピクニックをした。床で食べると新鮮で楽しかった。食事のマナーに厳しい親だったので自分の幼少期にこんなことしたら絶対に怒られたが、サイには自分が体験したことのないことも含めてできる限り色々な面白い経験をさせてあげたいなと思っている。親が選別してはいけない。よほどマナーが悪かったり人を傷付けたり危険がなければ何でもやってみようというスタンスにしている。

作る気が起こらず夕食は買った惣菜で済ます。サイはまたお弁当がいいというので、お弁当箱に惣菜を詰めた。入浴後、就寝。夜中に目が覚めてまた余韻に浸る。明日は雪が降るらしい。