カニ日記

息子の成長と日々の記録

強くて優しくなりたいしビールだって飲みたい

2月5日(月)
サイはバナナ2本。今日からリュックで登園。サイは恐竜のリュックを張り切って背負っていた。リュックの中にサイが自分で用意するものを入れたりシーツをつけていたら会社を遅刻した。あーあ。

出社した途端、身体が末端から痺れて変な悪寒と吐き気がしたので早退して帰宅。即布団にイン。暗くなるまで眠ったら少し楽になった。大森さんのツーマンライブの当日券が出ていると知ると行けるような気がしてきたが、まだ月曜で明日もあるしな等と考えていたら結局布団から出られなかった。

お迎えを代わってもらう。帰宅して私が居間にいないと感じ取ったサイは寝室にやって来て寝ている私を見て「しんどいの?おちゃのみなよ」と心配して私が枕元に置いていたペットボトルのお茶のキャップを外して渡してくれた。いつも優しいなぁ君は。「ママ、すきだよ」としきりに言ってくれる。あぁ優しいな。「ママも好きだよ」と返す。「大丈夫?」の代わりに「好きだよ」と言ってくれる君が将来幸せに暮らせますように。

出汁巻だけ自分で作り、あとは昨日の残りの肉を焼いて食べた。卵と肉という好きなものだけ食べていたらKに「野菜も食べろ」と促される。体調が悪い時は好きなものを好きなように食べていいと私は信じている。両親、特に父親は食事マナーに厳しく、ごはん一粒でも茶碗に残すと頭を平手で叩かれた。苦手な野菜も残すことは許されず夕食の時間をとうに過ぎて家族がテレビを観ていても嗚咽しながら食べた記憶がある。でも風邪や体調が悪い時だけは特別で、好きなものだけ食べることを許された。だから体調が悪くなると食事地獄から免れる!と嬉しかった覚えがある。という感覚が大人になった今も残っているので当たり前だと思っていた。しんどい時はできるだけ嫌なことを避けたい。サイはKとお風呂に入り寝る段階になって布団に来た。お互いの瞳に映る自分の顔をお互い観察した。サイの瞳に映った私の顔は沼から這い上がってきた人のような酷い有様だった。サイと絵本を読んだ後一緒にまた眠った。

2月6日(火)晴れ
明け方起きてお風呂に入りまた寝る。朝起きたら腰が痛い。ベッドが良くないのか体調不良か。サイを抱き上げるのもなかなか辛かった。老化なのかこれは。朝食はバナナ、蒸しパンを半分ずつ。サイが分けてくれたバナナを食べずに皿に置いたままぼんやりしていたら「はい、バナナあるからね、たべてね」と言われる。保育園の先生の真似をしているのかもしれない。サイは「きょうのごはんなにかなぁ」と読めないのに冷蔵庫に貼ってある献立表を眺めていたので「えーと、ビビンバだよ今日は」と言うと「え?ベビーカー?」と返ってくる。「ビビンバ」なんて私も大人になってから知ったから知らないよね。昨日に続き今日もパンツを履いていった。お尻の辺りのシルエットが違うのであぁパンツ履いてるなとしみじみした。漏らすかな。どきどき。

昼間、投稿した短歌が雑誌に載っていないか本屋さんに確認しに行くも載っていなかった。また投稿しよう。

夕方お迎え。サイはパンツを漏らしたようでオムツを履いていた。少しずつがんばろうと内心で声をかけてあえて何も言わなかった。本人は分かっていると思ったから。サイは昼間熱があったらしく、お迎え時も微熱があって機嫌が悪かった。「こしがいたい~ぐあいがわるい~」と言われながら帰宅するとお腹が空いたとぐずったのでバナナとパンを食べさせた。夕食は鶏挽肉を適当に味付けして肉みそ丼。私が生卵(フライパンをすぐ洗うのが面倒で目玉焼き断念)を割り入れているのを見て「サイくんもやりたい」と言ったので生卵を一つ渡すとなかなか上手に割っていた。生卵が食べられるようになれば大分楽だ。それでもバナナとパンで満腹だったのかほとんど食べ残したので私が全部食べた。お風呂に入りたくないと言うので私もお風呂に入るのを諦めて一緒にお絵かきをした後、サイの新しい上履きにサイの希望を聞いてしょくぱんまんドキンちゃんを描いた。今履いている上履きが小さくなったので大きいサイズのを買った。前も絵を描いたが「てんどんまんとかまめしどん」だったので希望の組み合わせが大人になったなとしみじみした。絵本を読みながら就寝。


2月7日(水)晴れ
6時頃に目が覚め、慌ててお湯を沸かしてお風呂に入る。サイも起きる。パンとバナナ。夜中起きずに朝まで眠ったら体調が良くなった。夕方、お迎え。今日は熱が上がることもなかったとのこと。夕食は肉みその残りで焼うどん。サイはうどんを嫌がり結局白ご飯を食べた。入浴後、就寝。


2月8日(木)
サイを寝かす前に洗濯機のスイッチを押したがそのまま一緒に朝まで寝てしまい、大量の洗濯物は数時間放置された。早朝慌てて干す。洗い終わった洗濯物の上から深夜に帰宅したKの洗う前の洗濯物が入れられており、とても悲しい気持ちになった。午後から会社を休む予定だったが、色々と間に合わず一日休んだ。休むと決めたら保育園へ行くのもゆっくりになってしまい、着くと遊びが始まっていた。サイは遊ぶ子達には混ざらず、支度をする私の後ろにひよこの子どものようにくっついて歩いきまわった。時間があったので先生とトイレのことなど話す。家に戻ってから午前中はだらだらと過ごしてしまい、午後から行きたかった展示に出かけた。展示を見た後、友人と少しお茶をし急いで帰宅。会社を休んだことは黙っていた。夕食後、就寝。


2月9日(金)
朝。パン、バナナ。珈琲を立ちながら飲んでいたら「たってのんじゃだめだよ」とサイに注意される。スマホを家に置き忘れる。サイが39度の熱を出したと私の携帯に連絡があったが出ないので、Kに連絡があったらしい。帰宅すると二人はいない。間もなく帰ってきたが、なぜか耳鼻科に連れて行っていた。小児科に連れて行って欲しかった。インフルではなかったとのこと。夕食はお惣菜で済ます。バナナを2本食べたらしくサイはほとんど食べない。お風呂は入れずに寝かせる。展示の感想を書いたがまとまらず、何だか納得いかない。


2月10日(土)
二人でゆっくり朝ごはん。土曜は急がなくていいのでほっとする。サイはまた熱が上がってぐったりしていた。居間に布団を敷く。昼食をほとんど食べず横たわりながらアンパンマンを観たり、泣いたりぐずったりが永遠のようで、赤ちゃん時代を思い出した。結局昼寝はせず、夕方になる。夕食はサイが好きなものがいいと思って、ソーセージと玉ねぎのスープ、おにぎり、出し巻卵。最近ちょっと目を離すと何でも勝手に一人でやろうとしている(前はやりたいと事前申請があった)ので面白いが時々ひやひやする。お風呂は入れずに就寝。私もお風呂に入れなかった。


2月11日(日)
朝風呂。地獄の日曜日。書きたくもないこと。何度も思っているが分からないが現状を変えなければ。サイと散歩をかねてコンビニまで歩いて行き、冷凍食品やパンやアイスを買い込んでいたら、レジの若い女の子の店員さんが私の持っていた縷縷夢兎と大森さんの伊勢丹コラボトートを指さし、「私も好きです、展示いきました!」と言った。急に可愛い店員さんに話しかけれたので動揺してしまい「え、あぁ!私も行きました」と言うと「綺麗でしたよね~」と返ってきた。そう来ると思わなかったから「えぇ」と言った後愛想笑いしてしまった。綺麗か…たしかに綺麗だった。大チャンスだったのに大森さんの話をする余力はなかった。帰りながら今日一つでも嬉しいことがあってよかったなと思った。ピカチュウのソフビ人形みたいなのを買わされた。帰って開封したサイはピカチュウの表情が怒っているのを見て「なんでおこってるの?」と聞く。「何でだろうねぇ」私はゲームボーイ(まだ緑の画面の時)をやったことぐらいしかなくポケモンに詳しくないので分からない。

夕食はオムライスとスープ。サイ自ら卵を冷蔵庫から取り出したが落としてしまう。もう一つの卵をサイと一緒に割る。だんだん慣れてきたよう。ケチャップでアンパンマンの顔を描いたら大喜びしていたが、味付きごはんが嫌だったようでほとんど食べなかった。入浴(サイ二日ぶり)後、就寝。


2月12日(月)
地獄の祝日。ちょっとだけ期待して昨日のコンビニに行ってみるも(というかほぼ毎日行っている)男の店員だった。サイが昼寝したら録画した『anone』を観た。田中裕子さん演じるアノネさんが焼うどんを食べるシーンがとてもよかった。『Woman』の時の素麺も好きだし、麺類を食べる田中裕子さんが私は本当に好きらしい。食べている演技が素晴らしい人っていいな。演技じゃなくて、ちゃんと「今この世界で食べている」という感じがするし、色んな感情と一緒に咀嚼している感じがして美しい。私は自分がどんな食べ方をしているのか分からないが手前に鏡でもない限り食べている己の姿を見る機会はそうないので、もしものすごく嫌な感じの食べ方をしていたら誰かと食事する時、同席している人に不快感を与えているかもしれないとふと考えた。そういうものあるから対面座りが嫌いだ。関係ないけどパン美人のビールをごくごく飲む姿が好きだ。あと飲み会で率先して焼き鳥を串から外す人は嫌いだ。

夕食はキャベツ肉みそ炒め、出し巻卵。入浴後、就寝。寝る前に「サイくんは大人になったら何になりたい?」と聞いたら「ママ!」と答えたので「ママになって何するの?」と聞いたら「ビールのむの!」と当然でしょという顔で言われた。私=ビールなのか、思わず笑ってしまった。大人になったら一緒にビール飲もうねと約束した。「ママはおっきくなったら何になりたいの?」と聞かれた(前も同じ問いを受けたような…)ので「アンパンマンみたいに強くて優しくなりたいな」と言った。この質問してくれる度に錯覚かもしれないがまだ何かになれるみたいで少しだけ救われたような気持ちになる。パンク寸前だけどがんばらなきゃいけない。