カニ日記

息子の成長と日々の記録

ペンギンはよくみると怖い

9月18日(月)快晴 真夏のような暑さ
大好きな人の誕生日。だが私にはいつも通りの休日。朝ごはん、洗濯を済ませてKとサイは公園へ。お昼すぎに私が合流し、前から行ってみたかったお蕎麦屋さんに行った。いつもスーパーに行く時に通りかかるお蕎麦屋さんの食品サンプルの海老天丼、海老が大きくて美味しそうだったからずっと食べてみたかった。私とKはそれぞれ海老天丼を注文し、サイ用に盛りうどん、Kが丼だけじゃ足りないと言ったため、盛りそばも頼んだ。海老天丼は巨大な海老天が二つ乗っていた。絵に描いたような海老天丼にテンションが上がったサイは「てんてんどんどんてんどんんどん~ふっくらおいしいえびてん△●*+~~」と最後の方をごまかしながらてんどんマンが登場する時の歌を大声で歌った。声は店内に鳴り響いていた。天丼の蓋に海老天とごはんを少し入れてあげるとサイは「えびおいしー!」と芸人がグルメレポートをするような表情で食べた。私はサイにあげたのでちょうどいい量だったがKはそばも食べて苦しそうだった。そりゃそうである。呆れる程の大食い。私達のテーブルの隣には初老の男性二人が座っていた。いつもの、という感じで天ざる蕎麦を頼んでいた。美味しそうだった。二人は友人同士らしく他愛のない話をしていたが、電車で席を譲られる話になり、一人が「いやあ、譲ってもらってありがたいんだよ、ありがたい。でもねぇ、情けないんだよね。・・自分がそんな歳になったのかって・・。」ともう一人に打ち明けた。もう一人はうんうんと頷きながらもその現実を悟っているようだった。あー、私も将来同じ事言ってそうだなと思った。だってこんな歳になっても未だに内面は小学生くらいからちっとも変っていない。店を出て公園に戻り三人で公園内を散策した後帰宅。Kは仕事。
私はサイと昼寝。はっと起きると日が沈み始めていた。随分寝ていたらしい。昼寝から起きた直後の、身体が朝か夜か分からなくて戸惑う感覚が好きだ。少し怠くて火照った身体。慌てて晩御飯を作る。きのこや野菜を炒め煮した後に薄切牛肉を乗せて蒸し焼きにし、甘辛く味付けして牛鍋風に。適当だけどまあまあ美味しかった。K帰宅して夕食。サイは牛鍋風にほとんど手をつけなかった。入浴後、就寝。

9月19日(火)晴れ
朝。デラウェアとパン。サイは自分でズボンと靴下を履いた。えらい。出展の手伝いで朝から会場のホテルに出かけた。力仕事をして疲れた。手伝いが終わって歩いて会社に戻る途中、どうしても我慢できなくて勤務中にアルコールを摂取するという大罪を犯してしまった。基本的にどうしても飲みたい!という時にしか飲まないから断じてアル中ではない、ということにしておく。緊張感があったせいかビールを飲んでも午後の勤務に支障はなかった。
夕方。Kにお迎えを頼んで帰宅して夕食準備。いつもより帰りが遅い。二人が帰って来るなりサイが「おかあさんこれあげる~」と黄色いガーベラをくれた。お花屋さんの前を通りがかった時にサイ自らお母さんにお花買いたいと言い出したらしい。なんていい子なんだろう。ありがとうと言って抱きしめた。サイは黄色が好きだってそういえば言っていた。おかずを作っていたのにKは美味しそうだったからという理由だけで大量にお惣菜を買ってきた。それも自分が食べたいものばかり。溜息。作ったおかずは明日食べればよいと勝手なことを言われた。「今日は保育園で何したの?」とサイに聞くと「Hちゃんとおすなばであそんだ」と教えてくれた。Hちゃんは最近よく聞く女の子の名前。以前ストーカーのように追いかけていたMちゃんには飽きたのだろうか。幼児の仲も複雑だ。連絡帳を見るとサイが言ったとおりのことが書かれていたから嘘ではない。夕食後、入浴。入浴後、就寝。


9月20日(水)曇り
朝。パンとデラウェアとサイが昨晩Kにスーパーで騒いで買わせた450円もするあんみつ。サイはあんみつを食べたことがない。食べたことがないもの、私なら絶対サイが欲しいと喚いてもそんな高いもの買い与えない。物珍しさや気分で言っている場合がある。案の定、餡子と蜜柑を食べた他は寒天も小豆もほとんど全部残していた。私も寒天は少し苦手だ。
夕方、お迎え。コンビニに寄って明日のパンとヨーグルトとビール。帰宅してヨーグルトを食べようとするサイに明日食べるやつだからダメと言うと騒ぎだした。量が多かったので「じゃあお母さんと半分個ならいいよ」と折衷案?を出しても「いやだ!サイくんがぜんぶたべるの!」と言って聞かない。仕事のように、これをやるから代わりにこうして貰う、のような駆け引きや交換条件は子どもには通用しない。嫌なものは嫌だし、やりたいことは全部叶えたいらしい。拒否されると希望通りになるまで全力で騒ぎ立てる。我儘をどこまで許すかそこが躾になってくるとは思うが疲れていたので結局ヨーグルトを食べさせてしまった。サイもお腹が空いている。その代り、晩御飯をちゃんと食べさせた。野菜だけ残そうとしていたが食べなきゃだめだよ、と催促した。それには納得したようだった。食後、めばえの工作ページで遊ぶ。そういえば最近テレビを観たがらない。入浴後、就寝。サイを寝かせて復活するはずができず明け方起床。


9月21日(木)快晴 秋の爽やかな天気
朝。布団の隅で寝転がりながらラジオを聴いていたらサイが起きた。「おかあさんどこー?」という声がしたので「いるよー」と顔を見せると安心したようだった。しばらく二人で布団に潜り顔をくっつけ合ったりしてだらだらした。微睡んでいたらサイが先に起き上がり「さ、おきるよ!じかんないからね!」と催促された。私が寝坊した時サイに言う言葉そのままだったので笑った。ぶどう、パンケーキ(サイがコンビニで買いたがったやつ)。食後もテレビを観たがらずめばえを見たりぬいぐるみと遊んでいた。テレビを観ないと出発もスムーズだった。
夕方。お迎え。買い物する時間がなかったので外食した。回転寿司。サイはたまご、納豆巻、海老、茶わん蒸しを平らげデザートにメロンまで食べた。メロンちょっとちょうだいよと言うと「だーめーよー」と言って全然分けてくれなかった。お腹を触るとさすがに胃がぱんぱんだったのに廻ってくる寿司を見てまだ「えびたべたい~」と騒いでいた。帰宅して入浴、就寝。深夜に洗濯。3時ぐらいが一番好きだ。


9月22日(金)
朝の記憶なし。
夕方。出展の撤収があったためお迎えに間に合う電車に乗れるかどうかぎりぎりのところだった。Kに代わって欲しいと言っていたのに「無理」と言われたため仕方なく他の人に断って一人だけ先に帰らせてもらった。いつも私が何とかしなきゃいけない。「忙しくて当然の俺」アピールにうんざりする。
夕食の記憶なし。入浴後、就寝。


9月23日(土)
モヤモヤがずっと消えなかったため前日に予約して美容院へ行った。ずっと(というほどでもないが自分にしては珍しく)伸ばしてきたがええいと思って短く切ってもらった。久しぶりにバリカンも登場した。でも切った後鏡で見ると顔の老け具合が強調された気がしてこの歳でやるボブのキツさを知った。何をしてももう似合わないのかもしれない。
先に水族館に行っていたKとサイと合流しロイヤルホストで昼ごはんを食べた。お子様ランチの食器やナプキンには山田詩子さんのイラストが使われていて可愛い。色んなファミレスのお子様ランチを見てきたが、盛り付けとか食べ易さとか温度(たまに火傷するくらい熱々で出てくる店もある)とかロイヤルホストが一番いい気がした。サイも満足そうだった。トイレに行っている間にKはデザートのケーキを頼んでいて、つくづく勝手だなと思った。

昼食後、水族館に入り(二人は再入場)イルカショーを見たり混雑する展示コーナーを見た。イルカショーはBGMとしてかかっていたアップテンポな激しいロックみたいな曲が一切イルカの動きに合っていなくて、何より音量が多きすぎて吐き気がした。お金がかかっていそうな光の演出も無駄だと思った。普通のショーが観たかった。その後、ペンギンや魚の水槽を見たが人が多すぎて満員電車のようだった。少し見た後早々に退散した。サイがペンギンのぬいぐるみを欲しがった(ロイヤルホストの時から「ぺんぎんのおにんぎょうがほしい」と騒いでいた)ので買ったら大事そうに抱えていた。お土産屋さんの出口に透明標本が売っていて、欲しいなぁと思ったけどいいものは2-3万もした。私が見ていたのにKは透明標本に何の興味も示さず見向きもせず通り過ぎた。決定的にこの人とは合わないんだと感じて悲しくなった。世の中には透明標本が気になる人と気にならない人がいる。たかが透明標本ぐらいでと思われるかもしれないが見ている風景が違うととても寂しい気持ちになる。
水族館を出て最寄駅まで戻ってサイのオムツを替えた後、駅構内のお店を見ていたらサイは疲れて眠った。本屋があったのでサイをお願いして久しぶりに本を見ていたらKは「まだなの?」とイラついた。待つということができない人。先に店を出てもらっていても電話がかかってきて「まだなの?」と聞かれた。あー嫌だ。逆だったらいくらでも待つのに。パンケーキの行列に並ぶのは嫌だけど人を待つのは個人的にあまり嫌じゃない。むしろずっと待っていたいと思う。だって待っている間に好きなことができて楽しいから。
外食を提案されたが昼も外食だったので夜はRF1でお惣菜を少し買って家で食べた。入浴後、就寝。サイはペンギンちゃん(命名byサイ)を愛おしそうに抱いて寝た。


9月24日(日)夏のような天気
朝ごはん、洗濯、サイとKは公園。二人がいなくなると自分の人生についてまた考えてしまってずーんと沈んだ。もうここで人生終わってもいいのかなとか思ってしまった。いや掃除掃除。お昼に合流するために自転車を走らせてモスバーガーに買いに行く。休日の昼時ということもあり予想以上に人が並んでいた。また遅いと言われるのが嫌で混んでいる旨Kに連絡すると「だから早く行った方がいいって言ったでしょ」と返信がきた。こういうのが積もり積もってストレスになる。急いで公園へ行き買ってきたモスバーガーを三人で食べた。サイはホットドックのソーセージだけを食べた。その後Kは仕事に行き、私はサイとボールを投げ合ったりして遊んだ。去年は全然投げられなかったのに投げるのがなかなかうまくなってきて成長を感じた。この日はとにかく日差しがきつく途中から私の体力がなくなってきたのでまだまだ遊びたいと言うサイに「カルピス飲んでグミ食べようよ」などと誘惑して何とか家に帰って二人で昼寝した。昼寝から起きたら人生を終わらせたい気持ちは幾分かなくなっていた。沈んでいる時はとにかく一度全てを放棄して起きるまで眠った方がいいと思う。それも昼寝が良い。
夕方、K帰宅。夕食。何を作ったか覚えていない。入浴後就寝。サイは今日もペンギンちゃんと。