カニ日記

息子の成長と日々の記録

幸せかどうかなんて聞くな路上で

11月20日(月)
記録忘れ

11月21日(火)
毎年恒例全クラス合同でやるお店屋さんごっこをしたらしく、迎えに行くとどの子も買った品物を嬉しそうに持っていた。ハンバーガー(完成度が高かったので喧嘩にならないよう先生が全員分作ったと思われる)、上のクラスの子が作った謎の物体(サイは電車だと言っていた)、先端に折り紙のハートがついたステッキを袋から取り出して見せてくれた。ステッキを私の頭めがけてふりつつ「かわいくなぁ~れ!」と言った。可愛くなるといいけど、ねぇ。どんどん振ってくれ。

11月22日(水)
朝ごはん。ミニプッチンプリン、洋梨、パン。昨日お店屋さんごっこで買ったハートのステッキを持って行く。
夕方、お迎え。帰宅しながら雨が降り始める。顔が冷たい。きのことソーセージの卵炒め、昨日のスープの残り。手抜きご飯。食後、サイは折り紙を鋏で切り刻む。小さい紙の破片が部屋中に散らばる。寝る前に片付けるように言ったら意外にも紙片を集めてくれた。よしよし。

Kは飲みに出かけて深夜3時半(うるさいから目が覚めた)に帰宅。何度注意しても深夜に帰宅してガタガタするのと寝ている人を無視して煌々と明かりをつけるのを辞めない。ストレスはこうやって増える。

11月23日(木)
朝ごはん。プリン最後のひとつを食べる。「ままのぶんがない~」と寂しそうにする。プリンが崩れると泣きそうになる。Kが一日休みとのことでサイを託して土曜日からの別府遠征に備えサイの洋服や友人へのお土産など買いに行く。ユニクロでスウェットを買おうとしたらレジに大行列ができていてうんざりして辞める。サイは相変わらず微熱だが元気。帰宅すると晴れて来たのでサイはKと公園に出かけたがサイが水道の蛇口をひねったらしく十分かそこらでずぶ濡れになって帰って来る。どうして体調悪くなりそうな時に水を触らせるのか不注意さが理解できない。イライラ。
夜、カタログギフトで届いたたこ焼き器でたこ焼き。サイは最初に少し食べただけであまり食べなかった。Kは浮かれていたが実家で飽きる程食べたので何も珍しさを感じない上、Kが生地をひっくり返すのが下手すぎて結局私ばかり作り続けて疲れた。サイが寝たら土曜日の用意をしておこうと思ったがそのまま朝まで寝てしまった。


11月24日(金)
サイを寝かしつけた後、気合いで這い上がって起き、だらだらと明日からの準備をした。途中、大森さんのブログを読んで書いてある意図を読み取ろうとしたが全部理解できず、そんな自分が嫌になって友達にLINEした。友達は優しくて私の言葉にならない気持ちを汲み取ってくれて泣きそうになった。何時間準備に時間かかってるんだよという感じで深夜に準備を終えて就寝。忘れ物がないか心配だった。


11月25日(土)
4時半頃起床。バタバタと着替えたり忘れ物の確認をして出発ぎりぎりにサイを起こす。サイは眠たそうではあるが機嫌がよさそうでよかった。まだ外が暗かったので「よるなの~?」と不思議がっていた。電車を乗り継いで成田空港着。使ったことのない格安エアーにしたら今までこんなサービス受けたことがないというぐらい対応が悪かった上に、駅からチェックインカウンターが死にそうに遠かった。ベビーカーを持って来たのはよかったけど預けてから出発ゲートまでかなりの距離を歩かないといけなかったのでまた死にそうだった。余裕を持って家を出たはずなのにオムツを替えたりしてギリギリ乗り込み座席に着いたらほとんど放心状態だった。飛行中サイは最初寝ていたが途中から起きたためお菓子などでごまかしつつ何とか大分空港到着。

空港で友人にピックアップしてもらった。今回の旅は大森靖子さんのツアーと約3年ぶりに友人に会うという二大イベントが待っている。友人の息子さんぶんくんは前回会った時はまだ赤ちゃんらしく小さかったのにすっかり成長していて驚いた。当たり前だけど。全然人見知りしない子らしく、車に乗り込んだ私とサイに親しげに話しかけてきた。なのでサイも距離を近づけようとしている感じだった。途中で友人おすすめのうどん屋さんに寄って昼食。カウンターしかないお店らしく、中でごうごうと煮立った鍋で麺が茹でられ、巨大な天ぷらが揚げられているのが見えた。サイと隣同士に並んで、うどんと友人おすすめのごぼう天を発注。運よくほとんど待たずに座れたが、人気店らしく次から次へと人が入店して待っていた。九州のうどんは初めて食べたけれど麺が讃岐うどんより柔らかく、食べやすい。出汁はほんのり甘く魚の味がしっかりして美味しかった。ごぼう天はぱりぱり香ばしくて大きかったがすぐになくなった。サイもうどんが柔らかいからかいつもよりがっついていて二人で勢いよく食べた。後ろに並んでいる人がいたので食べたら早々に退散。また友人の車に乗り込み別府市内に向かった。

別府に着くとチェックインにはまだ時間があったので友永パンで犬のパン「ワンちゃん」やあんぱんを購入したり、いい感じの雑貨屋に連れて行ってもらったり、図書館で時間をつぶした。お店を見る時は友人が子ども達を見てくれたのでゆっくり見ることができた。感謝。サイは歳の近いぶんくんと一緒になると悪がきコンビという感じでテンションが上がり疲れも見せずはしゃいだり悪さをしていた。それから夕食は外食する気力がなくなるだろうということで近くのデパ地下で惣菜などを買い込んだ。ここでも二人はというかサイは売り物の弁当をひっくり返したり走り回ったり散々だった。私と友人は予想以上の悪がき結束パワーに圧倒され疲れ果ててそれぞれ死んだ目で呆けていた。

チェックイン時間が近くなり、今回の会場兼宿であるホテルニューツルタに向かう。フロントでサイとぶんくんが騒いでいたので支配人が気を利かして他の人より早めに部屋に入れてくれた。感謝。部屋でも暴れまわる二人を私達は茫然と眺めていた。夜に備えてサイを昼寝させる予定だったが全然寝てくれない。そうしているうちにライブの時間が迫ってきたので、買った惣菜を慌ただしく食べてライブ会場へ向かった。ファンの方にいただいたTシャツを着てサイのテンションはピークだった。(眠くなったら布団替わりになっていいかなと思ったらハロウィンのお化けみたいになってしまった)

ライブはツルタの8階「鶴の間」という大広間にて行われた。入ると畳が敷いてあり、マイクスタンドを囲むように円形状に人が座っていた。サイが騒いだらすぐに出られるよう出入り口付近に座った。始まるまでサイはぶんくんと走り回ったりはしゃいだりしていたたため(ぶつけて鼻血まで出した)、「ミッドナイト清純異性交遊」のオケがかかって、大森さんが歌いながら入場すると力いっぱいペンライトを振ったはいいが、一曲終わったところでぱたんと眠ってしまった。それから最後まで起きなかった。ライブは最高だった。ずっと聴きたかった曲や好きな曲がたくさん聴けたし、サイが寝ていたことで集中して聴くことができた。ライブ後、寝起きで機嫌の悪いサイを連れて部屋に戻る。少し早めに抜けた友人とぶんくんは既に寝ており、サイもすぐにまた眠った。私はライブの余韻で眠れず、かといってどこかに飲みに行くこともできないのでシャワーを浴びた(ドライヤーが部屋についておらず濡れた髪のまま大浴場に駆け込んだ)後、夕方買っておいた缶ビールを飲みながら色々なことを考えていた。そうしているうちに急激にお腹が空いたので余っていたワンちゃんパンを食べた。冷蔵庫の唸る音だけがして静かだった。


11月26日(日)
夜中何度か目が覚めた後、明け方眠り、次に起きた時には朝だった。友人とぶんくんの姿が見当たらなかったので、自分が別府に泊まりに来ていることが一瞬飛んでしまった。あ、そうかここはツルタの部屋だという具合に意識が戻ってぼんやりしていたら二人が帰ってきた。朝食を済ませてチェックアウトし、ツルタの周辺の商店街を散歩した。日曜日ということもあり、ほとんど閉まっていたがそれでもシャッターの絵や店の看板を見るだけで面白かった。いくつかの店が開いていて、店の中を見ている間は昨日と同じように友人が子ども達を見てくれた。それから車に乗って途中お昼を食べつつ友人の家に行き、ぶんくんの弟の赤ちゃんと戯れたりケーキをいただいたりしてゆっくり過ごした。静かで広い家だったので外国にいるような感覚になった。サイはぶんくんのおもちゃで遊んで一向に眠くなる気配がなかった。
夕方、宿泊するホテルまで送ってもらった。部屋で少し休んだ後、特に行くところもないのでサイをベビーカーに乗せて近くのデパートに行った。歩いている途中で綺麗な外国人のお姉さん二人組が近寄ってきて、「かわいいぼうやですね、何歳ですか」「3歳です」「おねえさんおきれいですね!」(この時最大限に疲れていて目は死んでおり肌は土気色だった)と言われて愛想笑いしていたら、突然「幸せですか?あなたにとって幸せな瞬間はいつですか?」と聞かれ、答えに詰まっていたらヤバそうな宗教の勧誘ということに気づき、何かの紙を渡されそうになったところで逃げた。よほど人生に疲れ悲壮感漂う顔をしていたのかもしれない。「何人家族ですか?」と聞かれてなぜか「二人です」と嘘をついた。自分でも何で嘘をついたかよく分からない。
デパートの地下で小さなお土産とお寿司やお惣菜を買い、またホテルに戻った。サイはまだ寝ていたので部屋についていたマッサージチェアに座りながらビールを飲んだ。一缶飲み終えたところでサイが起きたので一緒に買ったものを食べて、シャワーを浴びて寝た。サイが触りすぎて壊れたベッドサイドの照明を気にしてぐずって、なかなか眠ってくれなかった。1時間ぐらいぐずってサイが寝た後、ようやく今回の旅が終わったような感じがした。私は眠れず、またビールを飲みながらワンちゃんパンを食べた(食べ過ぎ)。


11月27日(月)
寝過ごして空港行きのバスに乗り遅れたら怖いなと思っていたら目覚ましが鳴る前に目が覚めた。サイも起きて、二人で朝食会場として指定されたホテル1階の居酒屋でバイキング形式の朝ごはんを食べ(とり天もあって豪華だった)、チェックアウトして予定通りのバスに乗ることができた。バスは海沿いを走っていて、景色がとても美しかった。地元と少し似ているなと思った。とにかく海が見えると安心する。東京にいると海が見えない。サイはバスが着くまでよく眠っていた。
空港でベビーカーを預けた後、お土産など見たがベビーカーなしで持つ荷物が重すぎて、またサイが手を繋ぎたがったので片手は開けなければならず地獄だった。サイは別府限定と書かれたカボスの絵がついたマイメロのタオルを欲しがって、げ、要らないと思ったけど騒がれてそれを抑える労力が残ってなかったので何も考えずレジに向かった。お昼に食べるおにぎりを買い(友人が美味しいと言っていた「おきのの鶏飯」をたまたま買えた)、東京行の飛行機に乗り込んだ。格安エアーにしたのでゲートをくぐってから乗るところまで随分距離があり、また死んだ。飛行機では行きと同じように食べ物でごまかしつつ間を持たせようとしたがなくなると勝手にシートベルトを外して座席の下に潜ったり、ぐずったので仕方なく抱っこしていると客室乗務員に怒られたりして散々だった。

くたくたで空港に着き、電車を乗り継いでようやく帰宅。暗くなるまでサイと爆睡した後、Eテレを二人とも無言でぼーっと見ていたらKから電話がかかってきて、「晩御飯買って来て」というと「遊んで来たんだから少しくらい作ったら」と言われて気が重くなった。それでも身体が動かず、冷蔵庫にあった野菜で適当な味噌汁を作った。K帰宅後、夕食、お風呂、就寝。泥のように眠った。

ドキンちゃんがいない世界

11月13日(月)晴れ 寒い
朝。パンとみかん。サイは得意気に冷蔵庫からみかんを2個取り出し、自分と私のお皿を用意してそれぞれに一個ずつ乗せた。私はみかんが余り好きでない。「おかあさんいらないよ」と言うと「えーどうして?」と聞く。せっかく用意してくれたのに嫌いとはっきり言うのが憚られて「うーん、今はいいよ」と言った。そうすると「ここにいれとくからおしごとでたべてね」と引き出しからタッパーを取り出しそこにみかんを一個入れて蓋をした。なんていい子なんだろう。サイは自分で器用にみかんの皮を剥き勢いよく食べた。みかんが好きというのはどうやら嘘でないらしい。月曜は荷物が多い。シーツをつけてぎりぎりの電車に乗る。

夕方。お迎え。保育園の駐輪場でYちゃん親子に会う。お疲れ様ですと言い、サイを迎えに行き十数分後出るとYちゃん親子はまだそこにいた。すると「誕生日おめでとう」とYちゃんのお母さんはサイにプレゼントを渡した。私達が来るのを寒い中ずっと待っていてくれたらしい。Yちゃんのお母さんは二人目を妊娠中なのでとても悪いことをしたと思った。サイはもじもじしていつまでも黙って礼を言わず受け取らないので結局私が受け取った。誕生日にプレゼントをくれるのは保育園でYちゃんのお母さんだけだ。気が利くし、声を上げて笑ったりせず口数少ない人だが端々に優しさがにじみ出ている人だといつも思う。そして可愛い。私もこんな風にならねばといつも思う。

帰宅するなりサイはプレゼントを開けていた。色んな電車の靴下がたくさん入っていた。こういう実用的な贈り物が一番嬉しい。それに比べて義母の巨大な電動バイクは早くもサイに飽きられ放置され、狭い居間でその存在感を遺憾なく発揮している。夕食はキャベツと挽肉の味噌炒め、野菜とハムのキッシュ風オムレツ、トマト、味噌汁、ごはん。サイはキャベツが嫌いなので味噌炒めを食べなかった。入浴、歯磨き、就寝。最近歯磨きに手間取る。


11月14日(火)曇り時々雨
朝。パンとみかん。昨日もらった靴下を早速履いた。メロンパンナちゃんを抱いて登園。

夕方、お迎え。入口にある貸出文庫で「ぐるんぱのようちえん」を借りて帰る。雨が少し降っていた。コンビニに寄る。帰宅すると週末に参加する大森靖子さんの親子イベントの招待状が届いていた。サイに何?と聞かれたので「大森さんがサイくん遊びに来てねって言ってるお手紙だよ」と言うと紙に向かって「おーもりさん、ななちゃん、サイくんあそびにいくからまっててね」と一生懸命話しかけていた。

夕食。ブロッコリーと挽肉の卵とじ、コンビニのおでん(ちくわぶの奪い合い、がんもの譲り合い)、トマト、ごはん。食べながら二人でピューロランドのパレードの曲を歌う。夕食後、衛星放送をつけると蒼井優の主演映画「百万円と苦虫女」がやっていたのでサイと少し観る。ずっと観たくて観ていない映画の一つ。その後お風呂場へ行くと、サイは熱いから嫌だと言って湯に浸かるのを拒否した。蒼井優が田舎の家庭で緑の入浴剤入りのお湯に浸かる場面を覚えていたらしく、「おねえちゃんみたいなあおいおふろにはいりたい」と言い出した。探すと緑色はなかったが乳白色の入浴剤があったので入れたらしゅわしゅわ溶けていく様子を見て喜んだ。それで湯船に入ってくれた。ほっ。自分の身体が入浴剤で見えなくなるのが面白いらしかった。お互いに手足はどこにあるでしょうクイズをしたりジョーズみたいに突然湯から手を出したらゲラゲラ笑ってくれた。映画の昔ながらの円形風呂に憧れたらしく、「おねえちゃんみたいなまるいおふろがいい」と言われたがそれは無理だ。風呂から上がると、サイは私の膝の傷(先週転んだ時の傷が意外に深かったらしくなかなか治らない)に新しい絆創膏を貼ってくれた。数日前から私が風呂上りに貼り替えているのを見て使命感に駆られて「サイくんやるからね!」と貼ってくれる。髪を乾かして歯磨きをして就寝。寝る時に毛布で体全体を覆いたがり少しでも手足がはみ出ると「でちゃった~」と泣く。サイは1歳頃から何かと「おこだわり」が多く、それがうまくいかなかったりずれたりすることが耐えられない性格である。


11月15日(水)曇り
朝。パンとみかん。私が準備している間、サイは昨日借りた「ぐるんぱ」を担任の先生になりきって誰もいない空虚に向けて一生懸命読み聞かせしていた。読み聞かせと言っても字が読めないので絵を見て適当に台詞を言っている。午前休のKに保育園送りを頼む。家を出る時、「じゃあおかあさんお仕事行ってくるからね」と言うと前まで泣き叫んでいたのが「うん、おしごといってきてね」と見送ってくれた。成長を感じる。電車の中に綺麗な人がいて、スマホをいじる指の爪と巻いた髪が綺麗でよく手入れされていて、自分もちゃんとしなきゃなと感じた。この人は合コンに行ったらモテるだろうなと勝手に想像した。最近老化が著しいので若い女の子がいると食い入るように見てしまう。

夕方、お迎え。スーパーのお惣菜、冷凍餃子焼くだけ、野菜オムレツ、ごはんという手抜きメニュー。入浴後、就寝。今日も白い入浴剤を入れた。青いのがいいと今日も言われた。


11月16日(木)快晴
朝。サイは起きた瞬間私を見て「おかあさんこわい~こわい~」と怯えている。どうやら私が怖い姿になる夢を見たらしい。余程怖い夢だったのか、「お母さん怖くないよ大丈夫だよ」と何度言っても怯えていた。「おかあさんからおにがでてきた」と言っていた。そういう夢を見るということは多少なりとも私に対して恐怖を感じているということか。そう思うと悲しく申し訳なくなった。寝る前に早く寝ないと「のりまきおじさん」(私が空想で作った人物で、素行が悪い子どもがいると手に持った海苔と酢飯で海苔巻にして食べてしまう。40代後半、長髪で沼のような目をしている、夜行性)が来るよ、と脅してしまったからか。「おとうさんがいい~」とまで言い出した。確かにKは叱らないけど私は叱る。でも叱る時はごはんを床に投げ捨てたとか誰かを傷付けたとかそういう時だけで普段は優しくしているつもり。何かができなくて叱ったりはしない。誰に嫌われても平気だが、サイに嫌われるのを私はずっと恐れている。とはいえ、いつかそういう時期が来るだろうからせめて今はお互い憎しみとか恐怖とか負の感情を持ちたくない。パン、みかん、ヨーグルト、グミ(サイが配ってくれた、そういえば昨晩から明日食べようねと言われていた)。

出勤するなり、パン美人が席に来てカメのパンをくれた。とても可愛くて朝から嬉しくなった。美人で性格良く気前も良いとは完璧でないか。

夕方。Kにお迎えを頼む。しんどくてレトルトカレーブロッコリーとマッシュルームのガーリック炒め。サイの分は牛乳で薄めたがけっこう辛くて大丈夫かなと思ったが普通に食べていた。Kが緑の入浴剤を買って来たのでそれを入れたら「おねえちゃん(蒼井優)といっしょ」「めろんみたい~」と喜んだ。私は入浴剤独特の匂いが苦手。サイも「なんのにおい?」と気にしていた。入浴後、就寝。今日は歯磨きをあまり嫌がらなかった。寝る時にキティちゃんのぬいぐるみが見つからないと不安がった。眠くて居間まで探しに行くのが面倒だったので「どこかにお出かけしたかな、明日探してみよう」と言うとやや不服そうだったが納得した。こういうのがあまり通用しなくなってきた。


11月17日(金)晴れ
朝。起きないでいるとサイが足で顔面を蹴ってきて本気で痛かった。クロワッサン、みかん、ヨーグルト。キツネのマドレーヌをサイと半分ずつ分けようとすると「サイくんやるから!」と包丁を使いたがる。包丁は危ないので食事用ナイフを渡すと器用に三分割した。そのうちの二切れを自分の皿に、一番小さい一切れを私の皿に入れた。パンを全部独り占めしようとしたので「お母さんも食べたいよ」と言うと「サイくんがぜんぶたべるの!」と不機嫌になった。こういう独占欲、兄弟がいれば喧嘩したりして自然に分け与えるのだろうけど一人の場合どうしたらよいのだろう。キティちゃんが見つかったので一緒に登園。

出社してパン美人と話してカメパンをかばんに入れたままだったことに気付いた。
退社後お迎え、帰宅、夕食。鶴ひろみさんの訃報。ドキンちゃんの声好きだったな。まだ50代だって。信じられない。


11月18日(土)曇り時々雨
朝。今にも雨が降り出しそうな空。朝食後、アンパンマンを観る。ドキンちゃん…あぁ。雨が降らないうちに買い物をしておこうとサイとスーパーまで歩く。わりと距離があるのでいつも自転車だが思い切って歩いてみる。サイは抱っこを求めてくることもなくちゃんと歩いてくれた。パン屋さんでお昼を食べる。サイはお決まりのウィンナーパンを満足そうに食べていた。スーパーへ行き買い物。また歩いて帰る。途中で公園に寄って遊んでいると雨が降り始めたので帰宅。
帰宅後、昼寝。本格的に雨が降り始める。お菓子を食べながら録画したテレビ番組を観ようとしたらサイはすぐに昼寝から起きる。おやつを食べた後、時間を持て余していたので絵の具を出して絵を描いた。サイは塗る作業よりも絵の具を絞り出す作業の方が好きらしかった。途中で飽きてピューロランドのショーの動画を観る。ピューロランドのショーは宝塚監修なのでどことなく宝塚風になっている。それがサンリオのキャラクターと合わさってシュールな感じで可愛い。
肉じゃが、卵焼き、トマト、ごはん。夕食後、入浴、就寝。Kは不在。


11月19日(日)晴れ
大森靖子さん出張実験室in幼稚園。詳細は別記。サイは朝起きるなり「おーもりさんとこいく!」と張り切っていた。とてもいい経験をさせてもらった。
影響を受けたのか、寝る前に電源の入っていないインカム(いつか海外の友人と話すために買って引き出しの奥に放置されていたのを引っ張り出してきた)を付けて大森さんの歌を熱唱していた。帰り際、いつもより遅い時間に昼寝していたが夜もぐっすり寝ていたのでたくさん遊んで疲れたようだった。さて来週末は初の二人旅。

君が生まれた日私はお昼にハヤシライス大盛りを食べた

11月6日(月)晴れ
サイと同じくらいに目が覚めたがいつもより少し早かったので布団の中でごろごろして微睡んでいた。この時間が一番好き。パスコの米粉パンとマスカット、ヨーグルト、チーズ。この米粉パンはトーストするともちもちして美味しいけれどあまり売っていない。サイは米粉パンがあまり好きでないのか牛乳に浸して食べずに皿に放置していた。こういう時叱るべきだろうけど朝から怒る気力がない。
月曜日は荷物が多い。シーツを付けてぎりぎりの電車に飛び乗った。

お昼。ピアニストでもあるパン美人にサイの誕生日プレゼントにするピアノのことを相談する。ピアノといっても本格的なものは買えないので電子キーボードだけど。ヤマハのキーボードがピアノにより近いタッチの鍵盤と謳われていて、デザインもシンプルで良さそうだった。ところで誰が教えるのだろうか。私は楽譜が読めないし「さいたさいた」さえまともに弾けるか怪しい。

夕方お迎え。昼寝の時にズボンを濡らしたらしく、今朝返したばかりのマルホのズボンを履いていた。マルホとは保育園の貸し出し用服のこと。置いてある着替えが足りなくなった時に貸してもらう。○の中に保とマジックで書いてあるので先生もマルホと呼んでいる。マルホの服は誰かのお古らしく、何故かヤンキーテイストの主張が激しい服が多い。借りているので文句を言える立場ではないが、肩に厳つい入れ墨のデザインがプリントされたTシャツとか、虎の柄とか、謎の英文とか、とにかくサイがそれを着ているのを見るといつもぎょっとする。シーツも濡れたので一式お持ち帰り。あー今朝つけたばかりなのに。

帰宅。くたくた。ソーセージとじゃがいも炒め、出し巻卵、プチトマト、人参とえのきの味噌汁という質素な晩御飯。サイは出し巻卵が大好き。私も大好きなのでここ最近作りまくっている。我ながら美味しいと思う。お箸を使いたがったので練習用のアンパンマンのお箸を渡すと味噌汁の具と格闘していた。できて大げさに褒めると満ち足りた顔をする。夕飯の片づけをした時点で疲れはピークに達し私の目は半分閉じていた。入りたくないというサイを説得してお風呂に入り髪を乾かし歯磨きをして就寝。多分サイより早く入眠した。大したことしていないのに月曜から何でこんなに疲れているんだろう。


11月7日(火)晴れ
今朝も少し早く目が覚めた。そっと起きて珈琲でも飲もうと思ったらサイも目が覚めたのでそのまま布団でごろごろした。起きて二人で飲むヨーグルトを立ったまま一杯ずつ飲んだ。それから朝ごはん。米粉パンにハムを挟んだもの、バナナ、ヨーグルト、チーズ。私がトイレに行っている間にサイがバナナの皮を剥いていた。急に片付けをしたり、最近「俺はできるんだぞ」アピールをたまにする。ハムを挟めば食べてくれるかと思いきややっぱり食べなかったので、サイのパンも私が食べた。その代り私のバナナをあげた。

出発が遅くなったのでシーツ付けを知らない先生にしれっと頼んで了承いただき、あーよかったと思っていたら担任の先生に見られていて、「布団の部屋空いてないの?」と言われる。「時間がなくて・・」と言い訳して保育園を出た。先生の顔が怖かった。駅に着いて自転車を停める前に転倒して膝を擦りむく。タイツが破れて血が出た。あー、さっきシーツをつけず逃げたから跳ね返ってきたんだと何となく思った。

午後、展示会の様子を見に横浜へ。新宿乗り換えだったのでベルクでお昼。ランチタイムのベルクは驚くほど空いているということを初めて知った。空いているからゆっくり食べればいいのに美味しいから一気に食べて店を出た。タイツを買って履き替えてサイが欲しがっているリュックを物色。めちゃくちゃ可愛いペンギンのリュックを見つけたのに「1歳頃からお持ちになる感じです」と店員さんに言われたので辞めた。電車に揺られて横浜へ。展示会をふらふらまわって帰路についた。古本を大量に買ったので重い。でも集めているロアルド・ダールの旧訳本を見つけることができた。コツコツ集めていつか全部サイにあげるつもり。駅で崎陽軒の焼売を買おうとしたらなぜかマダムが行列していて私の前で売り切れた。売り切れた途端私の後ろのマダム達は蜘蛛の子を散らすように退散した。崎陽軒のキャラクター「ひょうちゃん」グッズに新たにぬいぐるみが加わっており、うっかり買いそうになったが正気に戻って辞めた。
帰宅して夕食、入浴、歯磨き、就寝。また倒れるように朝まで眠った。毎日たくさん寝ているのに疲れている。加齢と心的ストレスと冷えが原因だろう。


11月8日(水)曇り
朝。パン、柿、ヨーグルト。起きても暗いから夜かと思ったら曇っていただけで朝だった。午前休みのKにサイの送迎を頼む。連絡帳を書いたのか、何が要るのかまた何度も聞かれる。永遠に聞かれるだろう。サイに服を着せたら上下よれよれであまりにも可哀相な感じだったのでこないだH&Mで買った新しい服を着せようとしたら全力拒否された。なのでサイはよれよれのまま登園した。サイの送迎がなければ驚くほど早く会社に着いた。

帰宅後夕食。鶏肉甘辛煮、じゃがいもと人参の味噌汁、トマト、チーズ入り出し巻卵、ごはん。出し巻卵が一瞬で消えて魔法みたいだった。勢いよく食べていたサイに負けじと私も勢いよく食べた。Amazonで頼んだキーボードがもう届いた。パン美人の勧めるとおり61鍵盤にしたら想像より大きくて戸惑った。誕生日当日までサイには見せないことにした。入浴後、就寝。歯磨きを全力拒否される。サイは私にたくさんのぬいぐるみを抱いて寝るよう指示してきたのでそうした。


11月9日(木)快晴 風がきつい
朝。布団の上でだらだらしてから起床。パン、柿、マスカット、ヨーグルト。それから、サイの誕生日ケーキを頼んだケーキ屋さんで買ったキツネの形のパイ菓子を半分ずつ。キツネを分ける時、「ままはおかおね、さいくんはおくちね」と指示される。案の定テーブルがパイ屑だらけになる。まだ食べているサイの横で、保育園でもらう誕生日カードに貼る親からのメッセージを締切ぎりぎりにいそいそ書いていたら「なにかいているの?みせてよう」と言われる。「先生が誕生日の時にくれるからその時見てよ」と言うと「うん」と分かったようだった。こういう大人みたいなやり取りができるようになったことにしみじみする。3歳ってすごいんだな。キティちゃんを抱いて登園。

帰宅、夕食、入浴、就寝。別の部屋にキーボードを置いていたのがサイにバレてしまった。「あぁ、見ちゃった?」と聞くと「み~ちゃた~み~ちゃった~♪」とにやにやしながら歌っていた。


11月10日(金)快晴
朝。洋梨、パン、ヨーグルト。バタバタと家を出る。サイはいつも「みいつけた!」が終わり「おかあさんといっしょ」が始まると家を出る時間だと悟ってテレビの主電源を得意気に切ってくれる。

午後休を取り、退社後、個人面談のため保育園へ。担任の先生2人とサイの普段の様子を聞き、困ったことなど話す。園では着替えも自ら率先してやるらしいが家では靴下すら履いてくれないので驚いた。「甘えたいんですね」と先生。今日の誕生日会(誕生日は土曜日なので今日やってくれた)の様子を教えてもらう。クラスの子が円になってハッピバースデーの歌を歌うのを、主役のサイは円の真ん中に立ち、皆の注目を浴びて緊張した面持ちで聴いていたという。皆が歌を歌い終えると恥ずかしくなって先生の後ろに隠れていたが、誕生日インタビューが始まると前に出てきて「好きな食べ物は?」「みかん」、「好きな遊びは?」「すべりだい」とちゃんと答えていて感動した、と先生は教えてくれた。サイは好きな食べ物を尋ねられるといつも「みかん」と答えるから笑ってしまった。あとはサイの性格について教えてもらった。何でも人一倍慎重派だが、最後にはやりたがり好奇心があるとのこと。壊れかけの石橋を叩きながら最後まで渡っていくタイプだろう。私の幼少期はどうだったのだろうか。叩いて終わることも多かったような。

面談後、サイの教室を廊下から覗くとちょうど昼寝の時間が終わったところだった。サイはまだ寝ていたが先に起きた子らが私に気付くと「サイくんのおかあさん~わぁ~」と皆昼寝から起きたての腫れぼったい顔(めちゃくちゃ可愛い)で力いっぱい手を振ってくれた。普段こんな経験をすることがないので、スターってこんな気分なんだなと思った。サイも起きて私に気が付くとなんでこんな時間にいるのか分からないけど嬉しい、みたいな顔をした。「時間があったらおやつを一緒にどうぞ」と先生に言われたので教室に入るとさっき手を振ってくれた子達がわらわら集まってきて、しきりに満面の笑みで話しかけてきたり私の身体や持ち物に触れてきてスーパースター状態は続いた。サイはそれを少し離れたところから恥ずかしそうに眺めていた。そして私が近づくとサイは手を握って離さなかった。皆が手を洗っているのに私と手を繋いだまま何をするでもなくもじもじしていた。いつもおやつを勢いよく食べるらしいのに私がいることで全然食べようとしなかった。テーブルごとにご馳走様を言わなければいけないらしかったが、サイがいつまでも食べないことでそのテーブルは言えずにいたので隣に座ったSちゃんが「もうっサイくんはやくして~!」とイラついていた。私はSちゃんのお母さんが苦手だ。結局私が食べさせると嬉しそうに食べていた。普段自分で築いている保育園という世界に別次元の私が介入したことで、嬉しいけれど家のように振る舞うわけにもいかず当惑しているようだった。サイにはサイの世界がちゃんと存在していることに私は安堵した。
おやつを食べた後、いつもより早い時間にサイと保育園を出た。「もっとほいくえんであそびたかったのに、なんでサイくんだけかえるの?」と言われた。いつも6時頃お迎えにいくとすっ飛んで来るくせに習慣が変わることが嫌なようだった。ごめんね、もう君の世界にずかずか入らないから。

そのままスーパーに行き、サイに食べたいものを聞いて明日の材料を調達した。それから途中にあった花屋に寄った。近所だけどこの花屋には初めて入った。サイに誕生日だから好きなお花選んでいいよと言うと真っ赤なガーベラと赤い実がついた枝を選んだ。自転車の前かごに乗ったサイは誕生日用に包装してもらった花束を大事そうに抱えていた。帰宅してゆっくり夕食を作りゆっくりご飯を食べた。半休を取るだけでこんなにゆったり時間が流れるなんて、普段余程時間に追われているのだなと思った。野菜たっぷりスープ、鮭のパン粉焼き、出し巻卵、ごはん。両親、義両親から次々と誕生日プレゼントが届く。義母からのプレゼントは、足元を踏むと走り出す電動式バイク?であろう事か組み立て式だった。サイがどうしても今日組み立てて欲しいと言うため、必死になってネジや配線と格闘した。出来上がると疲労困憊。やたらと大きい。サイが♪のマークが描かれたボタンを押すとけたたましい音楽が鳴り響きしばらく鳴り止まなかった。なぜこんなに大きくて煩いものを義母は送ってきたのだろうか。部屋で走るには危険すぎるが屋外で使用不可と書いてあった。義母はいつも要らないものばかり送ってくる。好意はありがたいが本当に勘弁してほしい。くたくたになって入浴後、就寝。Kは帰って来なかった。


11月11日(土)晴れ
寝起き一番サイにおめでとうと言う。いい天気。そういえばサイが生まれた日も快晴だった。洋梨、ヨーグルト、パン。休みを取ったらしいKが帰宅。Kとサイは予約していた誕生日ケーキを引き取りに行きつつ公園へ。その間に洗濯、掃除、昼食作り。サイが食べたいと言った海老フライとハンバーグとソーセージ。あと最近好きなペンギンのおにぎり。海老フライは衣をつけるのが面倒だったので揚げるだけのものを買っておいた。新幹線のプレートにお子様ランチ風に盛り付けた。Kとサイ帰宅。出来上がったお子様ランチを食卓に持って行くとサイは大喜びした。あぁよかった。こういう、ちまちました料理とかキャラ弁とか本当に苦手でできる限りやりたくないけど君が喜ぶなら頑張るよ、の気持ち。と言っても1年に1回しか頑張らないけど。アンパンマンのケーキを見てまたもやサイは大喜び。昼寝したが誕生日ケーキ食べたさですぐに起きた。ハッピバースデーを歌ってケーキを食べた。ろうそくを吹き消すのが随分うまくなったものだ。私とサイはケーキをお代わりした。それからプレゼントのキーボードを渡す。しばらく出鱈目に音を鳴らした後、うまく弾けなくて飽きていた。私が弾こうとすると手を跳ね除けられた。オブジェにならないよう何とかせねば。
夜。サイはどうやらろうそうくを吹き消すのが好きらしいので、ケーキ風のお寿司を作った。上にバラの形の飾りをつけようとしたら横からKに「それは花ですかw」と何もしないくせに笑いながら馬鹿にされたので花を作るのは諦めてメロンパンナちゃんの顔を作った。そうしたらもっと難しかった。でもサイは喜んでくれた。2回目のハッピーバースデー。夕食後、私の両親からのプレゼントのトーマスのプラレールで遊ぶ。入浴後、就寝。


11月12日(日)快晴
朝。誕生日ケーキの残りにろうそくを立てて3回目のハッピーバースデー。洗濯、掃除。iphoneitunesで音楽を取り込もうとしたらPCが古すぎて全く取り込めない。買い換えが必要なことが発覚。がーん。公園へ行き、お弁当を食べた後、サイとしばらく遊ぶ。ぽかぽかしていて気持ち良い。必死になってどんぐりを拾っていた。砂場でケーキを作り4回目のハッピーバースデー。帰宅、昼寝。昼寝から起きたサイはみかんを食べた後、ピューロランドのショーの動画を観た。「たーぼ(たあ坊)にきゅう(抱きつくの意)したかった~」とまた言っていた。夕食はれんこん挽肉はさみ焼き、キャベツと玉ねぎの味噌汁、カニカマの卵焼き。れんこん挟み焼きにろうそくを立てて5回目のハッピーバースデー。サイ大喜びで吹き消す。だんだん何にでもろうそくを立てたくなる。食後、ピアノのデモ演奏を適当に流してサイとそれぞれ自由に踊る。世界一流のダンサーだと脳に暗示をかけてそういう表情で踊った。お互いの踊る姿を見てげらげら笑った。サイは踊るのが本当に好きらしい。面白かったので両親にテレビ電話してその姿を見せた。入浴後、就寝。

君が生まれてきたことが嘘のようだったけれど、一緒に踊れるようになるなんてね。おめでとう。

BGMはチャランポのNANDE-NANDE

最近、嫌なことがあった日は日記をさぼってしまう。だからといって誰かが困る訳ではないが。

 

10月16日(月)冷たい雨
ハロウィンの黒猫パンをサイと半分ずつ食べた。荷物の多い月曜日朝の雨だけは本当に勘弁してほしい。ここ最近の子育てでもしかしたらこれが一番苦痛かもしれない。前かごに乗ったサイに保育園バッグを抱えてもらって上から丸ごと雨カバー。カバーというか私が使っていたポンチョ。専用のカバーは紛失してしまって、でもサイはもうすぐ後ろ乗りになるのでやたらに高い前乗り専用カバーを買うのを渋った結果こうなっている。私は代わりに300円で買ったポンチョ。丈が足りず子ども用を無理矢理着ている人みたいな滑稽な姿になった。サイも私もずんぐりしていて、自転車に乗っているサーカスの熊みたいにのろのろと出発した。傘を差している人にぶつからないように走らなければならないのでいつも以上に神経が磨り減る。顔は濡れるしフードが風で吹き飛ぶ。寒くて冷たい。鬼のような形相で保育園に着いてサイを預けて急いでシーツを付けてから園を出る。駅に着いた時には一日のエネルギーの98%ぐらいが消耗されていた。あと2%で十何時間やらなきゃいけないと思うとぞっとした。電車は遅延していた。遅れる旨、上司に連絡。下車する人が多い途中駅で一端降りて扉の方を向いて立っていたら後から降りてきた人に突き飛ばされ、ギャグ漫画みたいにお尻から転んだ。周りの人は困惑したような半分笑っているような顔(町田康先生なら素晴らしい言葉で表現されるであろう)で傍観していた。華奢な可愛い女子ならまだしも、でかくて不細工なおばさんが転んでいる姿はお笑いでしかない。おまけに顔と髪は雨に濡れて沼から出た妖怪みたいだった。電車は途中運転見合わせになり結局30分以上遅刻した。絶望と疲労の朝。

夕方、お迎え。直帰だったのでいつもより早く迎えに行ったらちょうど紙芝居の読み聞かせをしていた。想定外の時間に現れた私の姿にサイは少々困惑していたようだった。運動会の写真が壁に張り出されていたので選んで封筒に番号を書いた。「○○くんいた!△△ちゃんいた!」とサイは他の子を見つけて嬉しそうにしていた。可愛いなと個人的に思っている先生の写真があれば買いたいと企んでいたけどなかった。去年は先生のソロ写真あったのになぁ。

また雨に濡れながらサーカスの熊親子スタイルで帰宅。身体が冷え切って寒かったのでさつま芋のスープを作ったらできたものは想定していたのと全く違ってまずかった。がっかり。夕食中、サイは突然「○○ちゃんをどーんってしちゃったの、ないちゃったの」と告白した。どうやら○○ちゃんに故意に体当たりして泣かせたらしい。自分で悪いことをしたと思っているような表情だった。何があったか気になったが、聞けば聞くほどむすっとして機嫌が悪くなったので「いたいことはしちゃだめだよ」と言い連絡帳に書いた。熱めの風呂に入って温かくしてサイと布団に潜り込み朝まで眠り続けた。寒くて靴下を二枚履きした。Kは深夜1時半頃ガタガタと帰宅し姿を現さないまま早朝いなくなった。

 


10月17日(火)雨
いつもより30分くらい寝坊した。昨晩早く寝たのになかなか布団から出れなかった。サイもなかなか起きなかった。急いで朝ごはん(コンビニで買ったパンケーキと柿)を食べ、まだ食べているサイを残して着替えたりオムツに名前を書いたり慌ただしく準備した。前日にやっとけばいいのだけどなぜかいつもできない。またサーカスの熊になり出発。昨日より雨量が少なくて気温も高いのが救いだった。昼休みに読みかけの小説を読んだ。夜は家中の電気を最低限にするためか目があまり見えないので昼休みに読むのが一番いいが食後30分かそこらでは全然時間が足りない。

夕方。お迎えは行ってもらう。途中で倒れて頭から血を出したおじいさんがいて救急車を呼んだり警察の事情聴取を受けていたしたらしく、二人の帰りはいつもより遅かった。帰って来たサイは「ち、でてたの。たおれちゃったの。」と彼なりの言葉でおじいさんが倒れていた情景を私に伝えてくれた。怖がっている様子はなかったが驚いているようだった。昨日のまずいスープを何とかしようと固い芋を細かく刻んで味付けしたらまあ食べられるぐらいにはなった。けどサイは見るだけで味が蘇るのか手をつけなかった。おじいさんは何故倒れたのか、私とKに何度も聞いた。物事に対して「なぜ」と聞くのが今彼のブームらしく、いつも聞かれる。答えても納得せずに「なんで?」と繰り返し聞いてくる。おじいさんはもう若くないから身体が思うように動かないのだよ、と説明すると分かったような分からないような顔をしていた。入浴後、就寝。サイは寝る前まで倒れたおじいさんの話をしていた。


10月18日(水)晴れ
久しぶりの快晴。Kは午前休み。サイを保育園に連れて行ってもらう。ぎりぎりまで二人を起こさないでいたらKになぜ起こさなかったのかと問われた。自分が起こされるのが嫌いなので寝ている人は起こさない主義。サイは日曜日Kと行った鉄道博物館で留守番をしていた私へのお土産として買ってきたサザエさん一家人形焼を朝から食べたがった。Kにも食べろ食べろと勧めていた。自分が選んでお土産にしたという自負みたいなのがあるらしかった。

お迎え、夕食。疲れていたのでレトルトのカレーにした。サイは週末に買ったポケモンカレー。ピカチュウになんで耳があるのか何度も聞かれる。「なんで、なぜ」ブームはいつまで続くのだろうか。入浴後、就寝。


10月19日(木)雨
また雨。かぼちゃパンにハムを挟んで食べた。サイはハムとソーセージが異常なくらい好きである。いつものようにハムだけ取り出して食べようとしていたので「こうやって挟んだままパンと一緒に食べると美味しいよ」と言うとちゃんとそうやって食べていた。私がいつも時間ないよと言って急かすせいで、最近自分で「じかんないよねぇサイくんいそぐよ!」と言うようになった。またサーカスの熊親子で出発。雨の日の登園は本当に辛い。勘弁してほしい。

昼休み、前いた部署の先輩と久しぶりにお昼ごはんを食べた。自分の話ばっかりしてしまった。夕方、お迎え。帰宅後夕食、入浴、就寝。


10月20日(金)、21日(土)、22日(日)
記録していない。嫌なことばかり言われて気分が優れず天気も悪かった気がする。

ペンギンはよくみると怖い

9月18日(月)快晴 真夏のような暑さ
大好きな人の誕生日。だが私にはいつも通りの休日。朝ごはん、洗濯を済ませてKとサイは公園へ。お昼すぎに私が合流し、前から行ってみたかったお蕎麦屋さんに行った。いつもスーパーに行く時に通りかかるお蕎麦屋さんの食品サンプルの海老天丼、海老が大きくて美味しそうだったからずっと食べてみたかった。私とKはそれぞれ海老天丼を注文し、サイ用に盛りうどん、Kが丼だけじゃ足りないと言ったため、盛りそばも頼んだ。海老天丼は巨大な海老天が二つ乗っていた。絵に描いたような海老天丼にテンションが上がったサイは「てんてんどんどんてんどんんどん~ふっくらおいしいえびてん△●*+~~」と最後の方をごまかしながらてんどんマンが登場する時の歌を大声で歌った。声は店内に鳴り響いていた。天丼の蓋に海老天とごはんを少し入れてあげるとサイは「えびおいしー!」と芸人がグルメレポートをするような表情で食べた。私はサイにあげたのでちょうどいい量だったがKはそばも食べて苦しそうだった。そりゃそうである。呆れる程の大食い。私達のテーブルの隣には初老の男性二人が座っていた。いつもの、という感じで天ざる蕎麦を頼んでいた。美味しそうだった。二人は友人同士らしく他愛のない話をしていたが、電車で席を譲られる話になり、一人が「いやあ、譲ってもらってありがたいんだよ、ありがたい。でもねぇ、情けないんだよね。・・自分がそんな歳になったのかって・・。」ともう一人に打ち明けた。もう一人はうんうんと頷きながらもその現実を悟っているようだった。あー、私も将来同じ事言ってそうだなと思った。だってこんな歳になっても未だに内面は小学生くらいからちっとも変っていない。店を出て公園に戻り三人で公園内を散策した後帰宅。Kは仕事。
私はサイと昼寝。はっと起きると日が沈み始めていた。随分寝ていたらしい。昼寝から起きた直後の、身体が朝か夜か分からなくて戸惑う感覚が好きだ。少し怠くて火照った身体。慌てて晩御飯を作る。きのこや野菜を炒め煮した後に薄切牛肉を乗せて蒸し焼きにし、甘辛く味付けして牛鍋風に。適当だけどまあまあ美味しかった。K帰宅して夕食。サイは牛鍋風にほとんど手をつけなかった。入浴後、就寝。

9月19日(火)晴れ
朝。デラウェアとパン。サイは自分でズボンと靴下を履いた。えらい。出展の手伝いで朝から会場のホテルに出かけた。力仕事をして疲れた。手伝いが終わって歩いて会社に戻る途中、どうしても我慢できなくて勤務中にアルコールを摂取するという大罪を犯してしまった。基本的にどうしても飲みたい!という時にしか飲まないから断じてアル中ではない、ということにしておく。緊張感があったせいかビールを飲んでも午後の勤務に支障はなかった。
夕方。Kにお迎えを頼んで帰宅して夕食準備。いつもより帰りが遅い。二人が帰って来るなりサイが「おかあさんこれあげる~」と黄色いガーベラをくれた。お花屋さんの前を通りがかった時にサイ自らお母さんにお花買いたいと言い出したらしい。なんていい子なんだろう。ありがとうと言って抱きしめた。サイは黄色が好きだってそういえば言っていた。おかずを作っていたのにKは美味しそうだったからという理由だけで大量にお惣菜を買ってきた。それも自分が食べたいものばかり。溜息。作ったおかずは明日食べればよいと勝手なことを言われた。「今日は保育園で何したの?」とサイに聞くと「Hちゃんとおすなばであそんだ」と教えてくれた。Hちゃんは最近よく聞く女の子の名前。以前ストーカーのように追いかけていたMちゃんには飽きたのだろうか。幼児の仲も複雑だ。連絡帳を見るとサイが言ったとおりのことが書かれていたから嘘ではない。夕食後、入浴。入浴後、就寝。


9月20日(水)曇り
朝。パンとデラウェアとサイが昨晩Kにスーパーで騒いで買わせた450円もするあんみつ。サイはあんみつを食べたことがない。食べたことがないもの、私なら絶対サイが欲しいと喚いてもそんな高いもの買い与えない。物珍しさや気分で言っている場合がある。案の定、餡子と蜜柑を食べた他は寒天も小豆もほとんど全部残していた。私も寒天は少し苦手だ。
夕方、お迎え。コンビニに寄って明日のパンとヨーグルトとビール。帰宅してヨーグルトを食べようとするサイに明日食べるやつだからダメと言うと騒ぎだした。量が多かったので「じゃあお母さんと半分個ならいいよ」と折衷案?を出しても「いやだ!サイくんがぜんぶたべるの!」と言って聞かない。仕事のように、これをやるから代わりにこうして貰う、のような駆け引きや交換条件は子どもには通用しない。嫌なものは嫌だし、やりたいことは全部叶えたいらしい。拒否されると希望通りになるまで全力で騒ぎ立てる。我儘をどこまで許すかそこが躾になってくるとは思うが疲れていたので結局ヨーグルトを食べさせてしまった。サイもお腹が空いている。その代り、晩御飯をちゃんと食べさせた。野菜だけ残そうとしていたが食べなきゃだめだよ、と催促した。それには納得したようだった。食後、めばえの工作ページで遊ぶ。そういえば最近テレビを観たがらない。入浴後、就寝。サイを寝かせて復活するはずができず明け方起床。


9月21日(木)快晴 秋の爽やかな天気
朝。布団の隅で寝転がりながらラジオを聴いていたらサイが起きた。「おかあさんどこー?」という声がしたので「いるよー」と顔を見せると安心したようだった。しばらく二人で布団に潜り顔をくっつけ合ったりしてだらだらした。微睡んでいたらサイが先に起き上がり「さ、おきるよ!じかんないからね!」と催促された。私が寝坊した時サイに言う言葉そのままだったので笑った。ぶどう、パンケーキ(サイがコンビニで買いたがったやつ)。食後もテレビを観たがらずめばえを見たりぬいぐるみと遊んでいた。テレビを観ないと出発もスムーズだった。
夕方。お迎え。買い物する時間がなかったので外食した。回転寿司。サイはたまご、納豆巻、海老、茶わん蒸しを平らげデザートにメロンまで食べた。メロンちょっとちょうだいよと言うと「だーめーよー」と言って全然分けてくれなかった。お腹を触るとさすがに胃がぱんぱんだったのに廻ってくる寿司を見てまだ「えびたべたい~」と騒いでいた。帰宅して入浴、就寝。深夜に洗濯。3時ぐらいが一番好きだ。


9月22日(金)
朝の記憶なし。
夕方。出展の撤収があったためお迎えに間に合う電車に乗れるかどうかぎりぎりのところだった。Kに代わって欲しいと言っていたのに「無理」と言われたため仕方なく他の人に断って一人だけ先に帰らせてもらった。いつも私が何とかしなきゃいけない。「忙しくて当然の俺」アピールにうんざりする。
夕食の記憶なし。入浴後、就寝。


9月23日(土)
モヤモヤがずっと消えなかったため前日に予約して美容院へ行った。ずっと(というほどでもないが自分にしては珍しく)伸ばしてきたがええいと思って短く切ってもらった。久しぶりにバリカンも登場した。でも切った後鏡で見ると顔の老け具合が強調された気がしてこの歳でやるボブのキツさを知った。何をしてももう似合わないのかもしれない。
先に水族館に行っていたKとサイと合流しロイヤルホストで昼ごはんを食べた。お子様ランチの食器やナプキンには山田詩子さんのイラストが使われていて可愛い。色んなファミレスのお子様ランチを見てきたが、盛り付けとか食べ易さとか温度(たまに火傷するくらい熱々で出てくる店もある)とかロイヤルホストが一番いい気がした。サイも満足そうだった。トイレに行っている間にKはデザートのケーキを頼んでいて、つくづく勝手だなと思った。

昼食後、水族館に入り(二人は再入場)イルカショーを見たり混雑する展示コーナーを見た。イルカショーはBGMとしてかかっていたアップテンポな激しいロックみたいな曲が一切イルカの動きに合っていなくて、何より音量が多きすぎて吐き気がした。お金がかかっていそうな光の演出も無駄だと思った。普通のショーが観たかった。その後、ペンギンや魚の水槽を見たが人が多すぎて満員電車のようだった。少し見た後早々に退散した。サイがペンギンのぬいぐるみを欲しがった(ロイヤルホストの時から「ぺんぎんのおにんぎょうがほしい」と騒いでいた)ので買ったら大事そうに抱えていた。お土産屋さんの出口に透明標本が売っていて、欲しいなぁと思ったけどいいものは2-3万もした。私が見ていたのにKは透明標本に何の興味も示さず見向きもせず通り過ぎた。決定的にこの人とは合わないんだと感じて悲しくなった。世の中には透明標本が気になる人と気にならない人がいる。たかが透明標本ぐらいでと思われるかもしれないが見ている風景が違うととても寂しい気持ちになる。
水族館を出て最寄駅まで戻ってサイのオムツを替えた後、駅構内のお店を見ていたらサイは疲れて眠った。本屋があったのでサイをお願いして久しぶりに本を見ていたらKは「まだなの?」とイラついた。待つということができない人。先に店を出てもらっていても電話がかかってきて「まだなの?」と聞かれた。あー嫌だ。逆だったらいくらでも待つのに。パンケーキの行列に並ぶのは嫌だけど人を待つのは個人的にあまり嫌じゃない。むしろずっと待っていたいと思う。だって待っている間に好きなことができて楽しいから。
外食を提案されたが昼も外食だったので夜はRF1でお惣菜を少し買って家で食べた。入浴後、就寝。サイはペンギンちゃん(命名byサイ)を愛おしそうに抱いて寝た。


9月24日(日)夏のような天気
朝ごはん、洗濯、サイとKは公園。二人がいなくなると自分の人生についてまた考えてしまってずーんと沈んだ。もうここで人生終わってもいいのかなとか思ってしまった。いや掃除掃除。お昼に合流するために自転車を走らせてモスバーガーに買いに行く。休日の昼時ということもあり予想以上に人が並んでいた。また遅いと言われるのが嫌で混んでいる旨Kに連絡すると「だから早く行った方がいいって言ったでしょ」と返信がきた。こういうのが積もり積もってストレスになる。急いで公園へ行き買ってきたモスバーガーを三人で食べた。サイはホットドックのソーセージだけを食べた。その後Kは仕事に行き、私はサイとボールを投げ合ったりして遊んだ。去年は全然投げられなかったのに投げるのがなかなかうまくなってきて成長を感じた。この日はとにかく日差しがきつく途中から私の体力がなくなってきたのでまだまだ遊びたいと言うサイに「カルピス飲んでグミ食べようよ」などと誘惑して何とか家に帰って二人で昼寝した。昼寝から起きたら人生を終わらせたい気持ちは幾分かなくなっていた。沈んでいる時はとにかく一度全てを放棄して起きるまで眠った方がいいと思う。それも昼寝が良い。
夕方、K帰宅。夕食。何を作ったか覚えていない。入浴後就寝。サイは今日もペンギンちゃんと。

笑われても君はいつも傘を

9月11日(月)
朝。会社を遅刻した。月曜はシーツ付けがあるからいつもと同じ時間に出ていてはダメだ。なのに出際にサイが玩具を詰めたりしてぐずった。
夕方。お迎え。うーぱーちゃんの水槽が新しく大きなものになっていた。他のお母さんも皆「お家が豪華になってる!」などと言っていた。トンネルやビー玉のようなものも入っていた。でもうーぱーちゃんは相変わらず隅でじっとしていた。サイは敷き詰められた砂利石を「おまめがあるね」と豆だと勘違いしていた。石だよと言っても「おまめだよ!うーぱーちゃんたべるんだよ」と言っていた。帰宅後、夕食。ご飯入り焼きうどん。夕食後、絵本。入浴後、就寝。

 

9月12日(火)雨
朝。遅刻しないように早めに家を出たが結局あまりいつもと変わらなかった。
夕方。お迎え。晩御飯に何を食べたか覚えていない。多分、納豆とごはんと卵焼きとか簡単なものだったように思う。食後、絵本を読んだ。入浴後、就寝。

 

9月13日(水)
お昼。最近私が病んでいるのを心配してくれた別の部署のお母さんがランチに誘ってくれてお寿司を食べた。結局愚痴ばかり聞いてもらった。
夜。冷蔵庫の食材が尽きたため外食することにした。近くにあるハンバーグ屋さんに行った。混んでいたのか出てくるまで30分以上かかった。サイはお子様ランチを食べると楽しみにしていたが夜はやっていなかったので私のを取り分けた。ハンバーグは千円以上もするのに自分で作ったハンバーグやファミレスの方が美味しいかもと食べ終えて気が付き少し悲しくなった。とはいえ、外食すると帰宅後が楽である。入浴後、就寝。

 

9月14日(木)
朝。パンと梨。サイは今日も大荷物。
夕方。お迎え。家の方角と逆のスーパーに寄って肉や果物など買う。サイは私と前食べて美味しかった「魚岸揚げ」を「おまんじゅうどこかな~」と言いながら探していたが昼に厚揚げを食べたらしかったので(保育園の入り口に本日の給食サンプルが出ている)、辞めた。冷蔵庫の野菜で焼き飯を作ったら味付ご飯が嫌いなサイは進んでいなかった。入浴後、就寝。


9月15日(金)晴れ
朝。パンとキウイ。ゴールドだと思って買ったキウイを切ったら緑だったのでショックだった。サイはビニールバックの大荷物を辞め、いつもと比べると控えめな荷物で登園した。晴れても長靴で傘持参。傘を持つことが嬉しくて嬉しくて仕方ないらしい。最近ずっとそうだ。
夕方。お迎え。夕食はベーコンの肉じゃが。肉が高くて代わりにベーコンでやってみたらまあまあ美味しかった。加工食品命のサイはベーコンばかり好んで食べたが野菜もちゃんと食べていた。入浴後、就寝。


9月16日(土)曇り時々雨。
朝。朝ごはんの後、片付けなどして公園へ。昼食後、昼寝。サイが昼寝から起きる頃、両親が地元から来た。空港に着いたとの連絡があった以降特に連絡はなくいきなり家のインターホンが鳴った。実家の家族はそういうところがある。サイは祖父母に会ってテンションが上がったばかりか、お土産にめばえをもらって興奮状態だった。父がめばえの付録を作ってサイがそれで遊んでいた。その後、みんなで二人が来る前にサイと買いに行った団子や大福を食べた。Kの帰宅を待って全員でファミレスへ行った。食後、私とサイだけ先に帰宅。三人で大事な話をしていた。そもそも両親はそのために来た。サイをお風呂に入れる頃三人が帰宅。サイが寝た後、今度は全員で話した。話が噛み合わず、結局朝4時までずっと話し続けた。けれど結論は出なかった。なぜか私の好きなものを制限すべきだという話に方向が向かった。納得できなかった。全員疲れ果てて朝まで少し眠ることにした。Kは鼾をかいて寝ていた。私は何だか眠れずこれまで歩んできた人生について考えていた。結局どうにもならないので布団に入った。


9月17日(日)台風
早朝、両親が起きたので私も起きた。サイも起きた。Kは寝ていた。両親は午後の飛行機で帰る予定だったが台風で欠航になりそうとのことで、三人で朝ごはんを食べた後バタバタと準備し、朝イチの飛行機で帰って行った。サイが寂しがるといけないからとサイには何も言わず家を出て行った。Kはまだ寝ていた。しばらくしてサイは二人がいないことに気が付き「じいじばあばはどこへいったの?」と聞いてきた。Kが起きてきて「なんで起こしてくれないの?」と聞かれた。寝ている人は基本起こしてくれと言われない限り起こさない主義だ。それに義両親が早朝帰ると知っていて自分で起きないのが悪い。あまりにも眠くて貧血を起こしそうだったのでKに代わってもらい昼前まで眠った。
昼食後、全員で昼寝。ただ三人で寝ると窮屈なので私はすぐに起きて楳図かずおの漫画を読んだ。昨日両親に言われたこととか、これからのこととか、考えただけで吐きそうになり、現実逃避したくて楳図かずおの『14歳』を貪るように読んだ。次々と人が死んでいき、想像を超える過酷な場面が繰り返される漫画の世界に入り込むことで今起こっていることを一瞬でも忘れようとした。最終巻まで読み終えたら外が暗くなり初めていた。やっぱりこの人天才だなぁと結末に衝撃を受けつつぼーっとしていたらKとサイが起きてきた。三人でプリンを食べた。何もする気が起きず晩御飯を作る気力もなかった。Kがスーパーでお刺身やエビを買ってきてそれを食べた。食後、めばえの付録のコンビニごっこ(父が作ったやつ)で遊ぶ。よくできている。入浴後、就寝。


結婚してサイが生まれてから人生が大きく変わった。自分が今まで大切にしてきたこととか好きなものは小さい時から増えても減りはしなかった。それらはピラミッドを成すのではなく、点と点で結び付いて浮かんでいる。サイの存在はその大切なもの達の真ん中に加わった。でもある役割だけを求められ、優劣つけてピラミッドの頂点にあるもの以外切り捨てることを他人から求められるととてもしんどい。自覚を持たず自由にしていたいという意味でなく、「これが私だからこの私を見て!」と断言することがとても辛い。サイといる時は母親だし、働いている時は会社員だし、色んな自分がいる。それを分かってもらえない時、どうしたらよいか分からない。ずっと苦しい。

最終楽章と名付けらた服

9月4日(月)
朝、二度寝して寝坊。二度寝した時、土屋太鳳とカロリーメイトを食べる夢を見た。超特急で準備して出発。
夕方、お迎え。うーぱーちゃんが今日は活発に動いていた。Sくんのお父さんに「本物ですかこれは」と聞かれる。「本物ですよ」と言うと「へぇー」と驚いていた。だんだん成長して大きくなっていくうーぱーちゃん。最後はどうなるのだろう。

夕食は昨日のカレー。サイはやはりあまり食べなかった。夕食後、入浴、就寝。

深夜1時。サイは最近、夜眠ると滅多に起きないのに、夜中に起きてわんわん泣いた。触ると体中が熱かった。それで熱があると勘付く。測ると39度。泣き続けるサイ。夜間診療に行こうと言ったらKは眠いのか「えー」と行く気がなさそうだった。「じゃあ一人で連れて行くから寝てていいよ」と言うと「あ、そう?」と言った。あ、そう?じゃないやろと思った。私がサイを抱いている間も、氷を持って来るなり何かすればいいのに横で何もせずぼーっとしていた。あぁ気が利かない。薬があるから取って来て欲しいと言ってもどこにあるか分からないと言ってすぐ戻って来た。サイをみてもらって私が探しに行く。すぐに解熱剤が見つかったので夜間診療のお世話にならずに済んだ。ジュースに混ぜて飲ませようとするも嫌がって飲まない。どうしようかなと思っていたらだんだん泣き止んですぅーっと目を閉じて眠ったので朝まで様子を見ることにした。額は熱い。


9月5日(火)曇り
朝、サイはいつもの時間になっても起きなかった。額に手を当ててみると熱い。それであー、今日はもう保育園無理だなと思って起こさなかった。8時頃サイが目覚める。熱を測ると38度超えていた。会社と保育園に連絡。食欲がないらしく、焼きおにぎり作ろうかと聞くと食べたいと言うので作った。できたのを食べてみると美味かった。でもサイは一瞥しただけで食べなかった。
開院時間に合わせて自転車を走らせて小児科。熱があるのに今日もビニールバッグに玩具を大量に詰めて持って行った。小児科に着くと待っている人は少なかった。サイは熱が下がったのか、大きな声で小児科に貼ってあるアンパンマンや何かのキャラクターについてコメントした。この小児科は古く、先生も若くはないが私はここが好きだ。受付や病室に手作り風のアンパンマンドラえもんの紙が貼ってあって妙に落ち着く。先生は穏やかでサイにもとても優しい。ゆっくりと時間をかけて診察してくれる。「じっとしてお利口だねぇ」と褒めてくれた。サイが保育園児だと知っているので、診察の終わり際、「会社、休まなきゃいけないですねぇ」と困ったような顔で気遣ってくれて泣きそうになる。

病院を出て薬局に寄り薬をもらう。サイに自分で粉からグミを作れるという「ねるねるねるね」みたいなお菓子をねだられて仕方なく買う。熱のある時はどうしても甘くなる。帰宅して果物とおにぎりを食べさせようとすると、そのグミ製作キットをやりたいと駄々をこねる。熱の時に怒るのも嫌だしどうでもいいかと思って一緒にやる。付属の粉を水に溶かすと赤青黄の毒々しい色水ができた。それを謎の粉に入れるとグミができるという代物だった。できたグミは粉っぽくてまずかったが懐かしい味がした。小さい頃ねるねるねるねが大好きだった。サイは満足そうだった。粉が無くなった後もスポイトで色水を垂らして遊んでいた。サイはその後、食パンとトマトを少しだけ食べた。

昼寝。居間で寝たいというので床に布団を敷いて私は隣のソファで横になった。サイが眠ったら自分は起きるはずが一緒に眠ってしまった。結局サイと一緒に起きた。起きたら昼食の皿が食べたまま食卓に残っていてうんざりした。
夜、K帰宅。夕食が作れなかったのでお弁当を買ってきてもらう。気が利かないKは自分が食べたい物ばかり買って来た。私はさすがに飲まなかったが呑気なKはビールを飲んでいた。サイにはにゅう麺を作ったがあまり食べなかった。余った分をKが食べたいというのでお椀に入れたがサイを見ているうちに冷めてしまい、「もう一度温め直して」とうるさかった。子どもが熱の時ぐらい自分のことは自分でやってくれ、冷めた(と言っても全然冷めてなかった)麺でも我慢してくれと思ったが結局温め直した。サイはまた熱が上がってきた。サイをお風呂に入れろ、熱があってお風呂に入ったらダメなんか迷信だとKは口煩かった。無視してサイと眠った。


9月6日(水)雨時々曇り
朝。サイが寝ている間に熱を測ると38.5度。それで今日も会社を諦めた。起こさなかったら9時前まで寝ていた。どんな夢を見ているのか、時々にーっと笑いながら寝ていた。キウイとヨーグルト。乳製品はあまり食べさせない方がいいが食べたがったので仕方なく。39度。座薬を入れようとするも嫌がって失敗。小児科。今日は昨日より待っている人がいた。サイはアンパンマンの本を大人しく読んでいた。生まれたての赤ちゃんを連れて来ているお母さんがいて、サイがこんなに小さかったのはいつだったっけなぁと思う。「座薬は暴れて入れられませんでした」と言うと、先生は「大人しそうだけど意思の強い子なんだねぇ」とにこにこ言った。熱を測ると37度代。子どもの熱は本当に変わり易い。結局座薬は入れてもらわなかった。「熱のある時にお風呂に入れていいものですか?」と聞くと「辞めた方がいいわねぇ」と言われてKに勝った気になる。

薬局に寄って帰宅。二人でうどんを食べた後、昼寝。今日は途中で起きて、サイが寝ている間に一息つく。7月に買った絵をようやく額に入れて壁に飾ったり、珈琲を飲みながら漫画を読んだ。そうしているうちにサイは起きた。テレビでアンパンマンショーの動画を観た後、ぬいぐるみ達をテーブルに見立てた箱の周りに並べて、人数分のお茶と小皿を用意させられた。げ、洗い物が増えると思ったが仕方なく少量のお茶を入れて渡す。グラスに少量入った麦茶はウィスキーみたいだった。それからサイは甲斐甲斐しく皆(ぬいぐるみ)にグミを配って宴みたいな感じになっていた。もちろんぬいぐるみを動かすのは私だけど。兄弟がいたらこうはならないんだろうなと思う。

いつもより早めに夕食。白いご飯がいいと言うので、ウィンナー、小松菜煮びたし、人参、トマト。野菜はほとんど食べなかった。サイから異臭が漂い始めていたのでさっと下半身だけ洗って私もサイが遊んでいる間に急いでシャワーを浴びた。我が子なら臭くても私は全然構わないけどKがいたら発狂していたと思う。Kは出張でよかった。インスタをアップデートしたら新たに増えていた動物の耳や飾りがついた写真が撮れるSNOWみたいな(ってSNOWをよく知らないが)機能で二人でしばらく遊んだ。美肌になったり黒目に星が入ったりよくできているのだなぁと時代遅れの老人みたいに関心した。サイも「次は何になろうかな~」とノリノリだった。まだ少し熱かったがぐったりはしていなかったので熱冷ましは使わなかった。就寝。


9月7日(木)曇り
朝。サイの額に手を当てると平熱まで下がっていた。ほっ。やっと会社に行けるから喜ぶべきなのに着替えて電車に乗ることを考えると憂鬱にもなった。サイはあまり食欲がなくキウイだけ食べた。サイが欲しいと言って買ったスティックパンは一口齧っただけ。今日も大量の玩具をビニールバッグに詰めていた。「おもい~」と言いながらずっしり入った荷物を運んでいた。私は久々に、適当だが弁当を作った。涼しくなるとずぼらな私でも弁当を作る気になる。コンビニで買うと余計なお菓子まで買っちゃって500円なんてすぐ超えてしまう。それが毎日だと以外とお金がすぐなくなっていく。節約しないとなと思う。
夕方。しばらくスーパーに行けていないので食材がなく晩御飯どうしようかなと思っていたらKがチェーン店のお寿司と焼き鳥を買ってきた。また焼き鳥…。サイはたまごのお寿司と納豆巻きを少し食べた後は手が止まっていた。汁ものがあった方がいいと思って作ったそう麺汁には少しだけ手をつけた。


9月8日(金)晴れ
朝。もう熱はなさそう。今日は弁当を作らなかった。わたしは3日坊主どころか1日坊主なところがある。
夕方。今日は会社のサマーパーティー(と言ってもガレージで開催されるささやかなもの)があるのでお迎えを代わってもらって参加しようとしていたところ、始まる直前にお迎えに行ったKから「サイが38度の熱がある」と連絡がきた。なのでパーティーには参加せず帰宅した。サイは元気そうだった。元気だから参加してきていいよと言われたが子どもが熱を出しているのに飲んでいる訳にはいかない。それから熱は上がらずお風呂も入れて就寝。何はともあれ、健康でいるのが一番いい。


9月9日(土)晴れ
サイは病み上がりなのでどこにも行かず家と周辺で過ごした。朝、洗濯など家事を済ませたらお昼の時間になったのでサイとお気に入りのパン屋でそれぞれ食べたいパンを買い、公園でシートを広げて食べた。木の根元にシートを広げたら蟻の巣の近くだったらしく、たくさんの蟻がシートに上がってきて何だか落ち着かなかった。サイはウインナーパンの周りのパンを剥がしてウインナーだけ満足そうに食べていた。周りのパンはいらないのかなと思って私がむしゃむしゃ食べていたら「サイくんたべるの!」と言われた。蟻が多かったので食べたらすぐにシートを畳んで公園で遊んだ。売店のゴムボールを欲しがったがここで買うのもなぁと思って渋っていたらサイは欲しい欲しいと言ってその場を離れない。物欲しそうに見ていたサイに売店のおじさんが、「これあげるよ、どうせ捨てるから」と空気の抜けかけたボールをくれた。申し訳ないような恥ずかしいような。サイは喜んでありがとうと言って受け取り、その後しばらく放り投げて追いかけたり、私と投げ合ってボールで遊んだ。それからかき氷を食べている子ども達を見てサイは「かきごおりたべたい」と言った。普段ならダメだと言うが、暑かった上におじさんにボール貰ったから、まぁいいかと思って売店に向かった。何のかき氷がいいの?と聞くと「いちご」と言った。「自分で頼んでごらん」と言うと小さな声で「いちごのかきごおりください」と言った。かき氷は飛ぶように売れていておじさんは忙しそうだったため、サイの声はかき消された。お客さんが引いて落ち着いてようやくおじさんがこちらを振り返ってくれてサイはもう一度声に出した。無事に発注は通ったらしい。サイは鮮やかなピンク色のシロップがかかったかき氷が差し出されると愛おしそうにそうーと両手で抱えた。テーブルが空いていたのでサイと並んで食べた。隣のおばさんはスナック菓子を食べていた。サイはとにかく嬉しそうだった。夏の終わりに思い出らしいことができてよかった。
かき氷の入っていた容器とスプーンを持ち帰りたいと言ったので持って帰って洗った。サイはそれに粘土を詰めてかき氷屋さんになりきっていた。その後昼寝。昼寝後、サイがDVDなど見ている間に夕食準備。K帰宅。夕食後、入浴、就寝。


9月10日(日)晴れ
ずっと鬱々としていたので、好きな洋服でも見に行こうと思って午前休みのKにサイと留守番してもらい電車に乗って出かけた。出かけるまで億劫になりなかなか家を出れなかった。街に出ると人々がたくさん買い物した袋を持って歩いていて積極的な消費活動という感じでいいなぁと思った。一番欲しかった洋服を試着した。刺繍の一つ一つが絵画のようで透けるチュールが美しかった。でも高すぎたため断念した。試着して触れられただけで満足だ。代わりに同じブランドの別の服を買った。面白い柄だなと思ったら、これは「コーダ」と言うんです、と店のお姉さんが教えてくれた。後で調べたら音楽用語だった。派手じゃないけどすごく好きな感じで身体に合っていた。長く着られそうだと思った。店を出ると予定していた時間を少し過ぎそうだったので連絡して帰路に就く。

帰宅したら時間を過ぎたことでKは怒っていた。サイはまだ昼寝をしていなかった。サイがなかなか寝ないとKは苛立っていた。「もう寝ないよ。夜寝なくなるから今から寝かせない方がいい」と怒っていた。私が一緒に添い寝したらサイは眠かったのかすぐに眠った。寝かしつけの時に寝ないからって子どもにイライラしたところを見せるのは一番ダメだ。根気が必要なのだ。Kはキレながら仕事に向かった。夕方までサイは寝ていた。夜、K帰宅。夕食後、入浴、就寝。サイはいつも通りちゃんと眠った。


好きな服の刺繍に触れたり街を歩いて夢のような時間を過ごしても、帰った途端それらはガラガラと崩れ去り色褪せる。もっと自由に、自由というのは身体的というより精神的に、もっと伸びやかに毎日を過ごしたい。怯えるように毎日を生きるのはもう嫌だ。